四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

現在は政治的に正しい表現として、フライトアテンダント、キャビンクルー、客室乗務員などの呼称が使われますが、古くはスチュワーデス、エアホステスなどの呼称が使われていました。今でも、スチュワーデス(略称としてスッチーだけど死語?)の方に馴染んでいる人も多いでしょう。

あえて女性の客室乗務員が着用することを強調するため、スッチー・コスという表現を使いますが、スッチー・コスで登場するPVを紹介しましょう。

有名どころでは、Britney Spearsの「Toxic」。PAN AMの制服を超セクシーに改造したようなコス。



知る人は日本にはほとんど居ないでしょうが、以前紹介したウクライナのセクシー2人組、неАнгелы (NeAngely)の「Киев-Москва(Kiev - Moscow)」。なかなか低音の魅力があるお二人ですが、こちらも二種類の露出度が高いスッチー・コス。しかし、街や線路を駆け抜ける地に足がついたスッチーです。最後にちょこっとだけ飛行機シーンがありますけどね。

Jet Age(ジェット機時代)は、ジェットエンジンによってもたらされた空のトラベルの革命で始まりました。今では、飛行機はジェット機なので、あまりジェット機とは言いませんが、Jet Set、Jet Age、どれも夢のある良い響きです。その時代は1958年頃から始まりました。

イギリスのエレクトロポップ・バンド、Ladytronが、その名も「Jet Age」という曲を歌っています。Ladytronという名前は、わかる人にはわかる、Roxy Musicの曲名から。結成は1999年で、エレクトロクラッシュ〜エレクトロが流行る前から、活動していた男女混成の4人組。彼らがまださほど注目されていなった2001年、デビュー・アルバム『604』に収録されていたのが、「Jet Age」。その後も現在まで活動しリリースを続けていますが、一番ポップで好きなアルバムです。このPVはNeumuという制作チームによる作られた公式にはカウントされていなPVですが、A Fine Piece of Workです。



604604
アーティスト:Ladytron
販売元:Cobraside
(2009-09-15)
販売元:Amazon.co.jp
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専門家トピックスの続きです。

こちらは、「Party For Everyone」を歌い準優勝したロシア代表ブラナヴスキェ・バブーシキ(Бурановские Бабушки=ブラナヴァのおばあちゃん達)のEurovisionの動画。なんだかハマって何度も見てしまいました。おばあちゃんたちは生き生きしていて、衣装も可愛いし、それ以上に審査員や観客の反応が楽しい。「何これ?」が感動に変わる瞬間を感じます。



Eurovision Song Contest: Baku 2012Eurovision Song Contest: Baku 2012
アーティスト:Eurovision Song Contest: Baku 2012
販売元:Universal Import
(2012-05-29)
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Eurovision Song Contest - Baku 2012 [DVD]Eurovision Song Contest - Baku 2012 [DVD]
アーティスト:Various Artists
販売元:Commercial Marketing
(2012-06-18)
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partyforeveryoneバブーシキは、「Let It Be」「Hotel California」「Smoke On The Water」などのカヴァーもしていますが、この「Party For Everyone」は、オリジナル。タイトルは英語で歌詞も一部英語ですが、ロシア語ではなく、彼女達が来たウドムルト共和国の公用語でもあるウドムルト語で歌われています。ウドムルト語の作詞は、一番若いオリガさん(43歳)がしました。サウンドは民族音楽をベースに今風にエレクトロディスコ風になっています。複数リミックスが出ていますが、「Party For Everyone - Official Eurovision 2012 Party Mix」を聴いてみると、これはフロアでもいけるレベルです。結果、なんだか分からないけど、とっても不思議なポップミュージックとなっているところもつかみ所でしょう。麗しきバブーシキ、日本にもぜひ来てください!

飛行機に乗って、お決まりのように見せられるセーフティーの説明。いや、規則ですから、しょうがない。でも、工夫をすれば、乗客の注目を集める事もできます。

関空にも乗り入れているフィリピン最大の航空会社、セブ・パシフィック航空。Lady Gagaの「Just Dance」(後半はKaty Perryの「California Gurls」)にあわせて、エアホステスが踊りながらセーフティー・フィーチャーの説明。複数のヴァージョンがありますが、MTV versionを紹介。これは見るなと言われても、見ます。セブ・パシフィックにいつか乗りたい。「Just Dance」はピッタリの相性ですが、欲を言えば、その後はMen Without Hatsの「Safety Dance」で決めて欲しかった。



こちらは、インド人のKruti Dance Academyというダンス・パフォーマンス・グループにより踊るエアホステス。インドにあるのかと思ったら、アメリカのアトランタにありますので、インド系アメリカ人なのでしょうかね。この曲、「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」に似ていません?

ブラニフ航空(Braniff International Airways)は、1928年にブラニフ兄弟によって操業されたアメリカの航空会社。

1965年に「The End of the Plain Plane, Explained」というシャレたスローガンのもと、エミリオ・プッチとアレキサンダー・ジラルドを起用し、航空業界にデザイン革命を起こします。しかしながら、PAN AMと同じく、1982年に破産してしまいます。90年前後に一時復活しましたが、長続きしませんでした。日本に乗り入れていなかったので、いや、僕が飛行機を乗り始める以前に倒産してしまったので、乗る機会はありませんでした。スペースヘルメットとか見たかった。残念!



こちらは、The Air Stripというスチュワーデス(エアホステスとも言う)がストリップをしながら衣装を着替えるという1965年のキャンペーン。フェミニズムが台頭する前のアメリカを感じます。



The Braniff Pages

こちらも、Air Strip。これでテロの心配なく飛行機に乗れます。バカですね〜。



音楽の話が無かったので、スウェーデン出身のRasmus Faberのアルバム『B.I. Braniff International selected and produced by Rasmus Faber』(2006年)でも紹介しておきます。特に、ジャケ以外ブラニフって訳じゃないんですけどね。

B.I.ブラニフ・インターナショナル selected by ラスマス・フェイバー(初回限定盤)B.I.ブラニフ・インターナショナル selected by ラスマス・フェイバー(初回限定盤)
アーティスト:オムニバス
販売元:Rambling Records
(2006-11-11)
販売元:Amazon.co.jp
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1995年、電気グルーヴの各メンバーがソロ活動をし始めましたが、砂原良徳のソロ作品『CROSSOVER』には良い意味での驚きがありました。

先日のPAN AM展でも、PAN AMの仮想ノベルティ・アルバム『THE SOUND OF ‘70s』のジャケが飾られ、砂原良徳・常磐響両氏によるトークショーなどもありました(僕は残念ながら行けませんでしたけど)。

このアルバム、ちょっとややこしいのです。こちらは、1998年にリリースされた機体がジャケになった日本盤。こちらは、「747 DUB」などを収録した8曲入り。

THE SOUND OF´70sTHE SOUND OF´70s
アーティスト:砂原良徳
販売元:キューンレコード
(1998-11-11)
販売元:Amazon.co.jp
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こちらは、元々ドイツのBungalowからシングルリリースされた「LOVE BEAT」を追加収録した2000年にリリースされたアメリカ盤(他にドイツ盤もあり)。買うのならこっちです。

Pan Am: The Sounds of the 70'sPan Am: The Sounds of the 70's
アーティスト:Yoshinori Sunhara
販売元:Efa Imports
(2000-01-25)
販売元:Amazon.co.jp
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この「LOVE BEAT」、2001年にリリースされた『LOVEBEAT』とは関係ない曲ですが、PVも含めてPAN AM度も抜群でサウンドも最高。



好きなものに対するこだわりがここまで来ると、こんなに素晴らしい作品を作れるんですね!もちろん、才能ありきの話ですが。

アメリカに渡航の際は、ハブ空港の関係でアメリカのエアラインではユナイテッド、ノースウェスト、デルタ航空に乗る事が多かったです。でも、「兼高かおるの世界の旅」のおかげで、 僕は海外旅行と言えば、夢のPAN AMというイメージがあります。でも、実際PAN AMに乗った記憶はありません。



80年代には、こんなPAN AMのCMも日本で放映されていました。柳生博さんですね。



レオナルド・ディカプリオ主演の映画『Catch Me If You Can』も、1960年代のPAN AMが登場していました。やはり、あの時代がPAN AMの黄金時代。



キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン [DVD]
出演:レオナルド・ディカプリオ
販売元:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
(2009-04-10)
販売元:Amazon.co.jp
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上記動画のBGMにもなっている映画の挿入曲が、JET SETのコンセプト・アルバムとも言えるFrank Sinatraの『Come Fly With Me』収録のタイトル曲です。ただし、PAN AMではなく、TWAとのタイアップ。綾瀬はるかが出演した日本のエアライン映画『ハッピーフライト』のエンディングにも使われていましたね。

Come Fly With MeCome Fly With Me
アーティスト:Frank Sinatra
販売元:Capitol
(1998-09-08)
販売元:Amazon.co.jp
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エアライン特集をします。All Aboutの専門家トピックスでも書きましたが、アメリカのABCで放映されたTVドラマ「PAN AM」全14話全て見ました。本国では、第1話は、1100万以上の視聴者を集め、好調な滑り出しだったようですが、その後は右肩下がりとなり、シーズン2があるかどうか現在不明な状態。確かにドラマの筋は突拍子もない展開となったりして、「あれ?」っと思う事も多かったのですが、スチュワーデスのユニフォームなど60年代のPAN AMを忠実に再現しており、その時代感覚が好きな人にとってはたまりません。あこがれのJET SETの時代。ちなみにJET SETとは、日本語にするとジェット族。意味は、ジェット機などで世界を遊び回るセレブ系。

きゃりーぱみゅぱみゅも「TV Bros.」の表紙を飾っていましたね。

panamkyary


同時に4人のスチュワーデスが皆、魅力的。新人スチュワーデスのローラ・キャメロン役を務めたマーゴット・ロビーは適役。オーストラリア人ですが、PAN AMの制服が似合い過ぎでドキドキします。



サントラは、時代を感じさせるジャズヴォーカルものが中心ですが、ドラマのテーマにぴったりなのが、「Fly Me To The Moon」。この曲は最初は「In Other Words」というタイトルで1954年に作られたもので、多くの人たちがカヴァーしています。後にFrank Sinatraがヒットさせましたが、ドラマのサントラにはGrace Potterのヴァージョンが収録されています。 新世紀エヴァンゲリオンのエンディング曲にも使われたり、宇多田ヒカルもカヴァーしています。



Music from & Inspired By Pan AmMusic from & Inspired By Pan Am
アーティスト:Music From & Inspired By Pan Am
販売元:Verve
(2012-01-17)
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きゃりーぱみゅぱみゅ、三度目の登場です。気がついてみると、きゃりーちゃん、少なくとも日本は征服しそうな勢いです。テレビでも本屋でも、最近のきゃりーちゃんの露出の多さには驚くばかり。

デビュー・フルアルバム『ぱみゅぱみゅレボリューション』も好調で、初日はオリコン1位でした。彼女がアイドルかどうかは置いておいて、大人達が勝手に作り上げた存在ではないという点では、革命的。もちろん、中田ヤスタカの中毒性のある曲やPVのアート性の高さが後押ししている事は間違いありませんが。

ぱみゅぱみゅレボリューション(初回限定盤)ぱみゅぱみゅレボリューション(初回限定盤)
アーティスト:きゃりーぱみゅぱみゅ
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
(2012-05-23)
販売元:Amazon.co.jp
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ぱみゅぱみゅレボリューション(通常盤)ぱみゅぱみゅレボリューション(通常盤)
アーティスト:きゃりーぱみゅぱみゅ
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
(2012-05-23)
販売元:Amazon.co.jp
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きゃりーちゃんには反復性の高い曲が多いですが、先行シングルだった「CANDY CANDY」もその一つ。数字を顔に書いたきゃりーちゃんの手下のようなバックダンサー(お面の力強いダンサーもいますけどね)がいますよね。



この子達、べじっ子だんさーずと言います。名前も紹介しましょう。Amane、P→★、YU-KA、あおの4人。この子達、琉球風テクノポップ「ベジタリズム」で踊っています。歌っているのは、ベジタガールズ&ゆきまゆこ。曲も踊りもなんだかシュールでいい感じ。



「みんなの歌」で6月から使われるゆきまゆことししみシスターズの「しじみのダンス」と両A面扱いで、6月13日に発売。

しじみのダンス/ベジタリズム(両A面)(期間限定盤)しじみのダンス/ベジタリズム(両A面)(期間限定盤)
アーティスト:ゆきまゆこ(うた)しじみシスターズ(おどり)/ベジタガールズ&ゆきまゆこ(うた)べじっ子だんさーず(おどり)
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
(2012-06-13)
販売元:Amazon.co.jp
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しじみのダンス/ベジタリズム(両A面)(通常盤)しじみのダンス/ベジタリズム(両A面)(通常盤)
アーティスト:ゆきまゆこ(うた)しじみシスターズ(おどり)/ベジタガールズ&ゆきまゆこ(うた)べじっ子だんさーず(おどり)
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
(2012-06-13)
販売元:Amazon.co.jp
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東欧圏にバルカンと呼ばれる地域があります。バルカン半島に位置する諸国を指しますが、ソ連崩壊後、民族紛争という見地から語られる事が多い地域でもあります。その地域では、オスマントルコ帝国やロマの影響で歴史的に独自の音楽が発展してきました・・・バルカン音楽です。具体的には、スベロニア、クロアチア、ボスニア=ヘルツェゴヴィナ、セルビア、モンテネグロ、ブルガリア、マケドニア、ルーマニア、アルバニア・・・そして国ではないですが、ロマなど。

今回紹介するのは、ブルガリアのАндреа(Andrea、アンドレア)。ブルガリアはロシア語と同じスラブ語圏。ミス・ソフィア(ソフィアはブルガリアの首都)に選ばれたアンドレアはスーパー・ボディー。お化粧のせいもあるでしょうが、ヴィジュアル的には肉食系、いやほとんど野獣系。ブルガリアの女豹と呼びたくなります。

彼女がルーマニアのCostiと組んでSaharaというユニットとしても活動しているのですが、「Upotrebena (Halele)」のPVを見てください。彼女のPVの中でも異常にヒット数が多いですが、PVを見ればその理由もわかるでしょう。アンドレアとぶっちゅとキスをしていた女性は誰なんでしょう?



音楽的にはチャルガ(ポップフォークとも呼ばれるけど、馴染まない)というジャンルになります。チャルガとはトルコ音楽、ロマ音楽の影響を受けたどちらかと言えば扇情的な流行歌。ブルガリアでは共産主義時代は抑圧されましたが、それ崩壊後、チャルガは息を吹き返しました。Saharaを聴いていると、チャルガを基本に思い切り扇情的にしたダンスミュージック。

こちらはShaggyをフィーチャリングした「Champagne」。基本ヒップホップですが、アーバン路線のチャルガなんでしょうか?



ChampagneChampagne
アーティスト:Sahara
販売元:Zyx
(2011-07-19)
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Согдиана(Sogdiana、ソグディアナ)ちゃんの続きです。割と最近の作品と思われる「Только не молчи (Don’t Be Slient)」を聴いてみましょう。ビデオのクオリティーは上がっていると思いますが、中近東風といよりもサウンドはロシアよりになった感じがします。



やはり、「Синее небо (Blue Sky)」(2007年)のように中近東風エキゾチックさを前面に出してくれた方が、僕のようなウズベクポップ初心者には訴えかけるものがあります。でも、よく聴くと、クネクネ踊りたくなる超ポップな曲。



こちらは、上記の曲も収録した2010年に発売されたアルバム『На восток от Эдем (East Of Eden)』です。リミックス曲なども収録されています。

eastofeden


うーん、一度生でライヴが見たい。来日して欲しいシンガーの一人です。

ソ連が解体して複数の独立国家が誕生しましたが、その後CIS(独立国家共同体)という連合体が、12カ国で結成されまた。もともとロシアとは距離を置いているバルト3カ国は加盟していません。現在の正式加盟国は、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、キルギス、ベラルーシ、アルメニア、アゼルバイジャンの8カ国となります。

ロシア・ウクライナ以外にも面白いポップはないかと現在調査中ですが、先ずはウズベキスタン出身のСогдиана(Sogdiana、ソグディアナ)を紹介します。ソグディアナは芸名ですが、紀元前にさかのぼり、ウズベキスタン、タジキスタンおよびその周辺をまたがるイラン系言語を話すソグド人が住む地域の呼称でした。

もともとはウズベキスタンで活動していたソグディアナちゃん、やっぱりウズベキスタンだけではマーケットが小さすぎるので当然、ロシアを目指します。2006年の「Фабрика Звезд(スター工場)」という近年世界中で流行りのスター育成番組に出場し、入賞は逃したものの、「Сердце магнит (Heart Magnet)」がロシアでもヒットしました。ロシア語ヴァージョンもありますが、オリジナルのウズベク語ヴァージョンを紹介します。



ロシア人、ウクライナ人とはまた違うエキゾチックな顔立ち、そして中近東風のメロディー。ユーラシア大陸の辺境の地に一度は訪れたくなります。

意外な事に、Amazon.co.jpでも売っています。

Heart-MagnetHeart-Magnet
アーティスト:Sogdiana
(2008-08-05)
販売元:Amazon.co.jp
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「Just One Of Those Things」はジャズのスタンダードとされ、作られたのは1935年ですから、オリジナルを語るのはやめましょう。かつ、数えきれない人たちが歌っています。僕がこの曲を知ったのは、僕が好きなBrazilian Girlsのヴァージョン。この曲は、ジャケ写からもタランティーノ風映画サントラ『Nobel Son』(2008年)に収録されています。クレジットからすると、Blossom Dearieの「Just One Of Those Things」をBrazilian Girlsがリミックスしたと考えて良いのでしょう。うん、この曲が1935年に作られたとは思えない。



Nobel SonNobel Son
アーティスト:Various Artists
販売元:Lakeshore Records
(2008-11-11)
販売元:Amazon.co.jp
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Blossom Dearieの原曲は、1958年のアルバム『Give Him the Ooh-La-La』に収録されています。ジャズにはそれほど詳しくありませんが、女性ジャズヴォーカルでしかも元祖メガネ女子という風格のあるBlossomは渋い。そして、声がかわいらしい。でも、「Just One Of Those Things」の動画はないので、「Thou Swell」を紹介しておきます。



Give Him the Ooh La LaGive Him the Ooh La La
アーティスト:Blossom Dearie
販売元:Polygram Records
(1998-06-23)
販売元:Amazon.co.jp
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今回は60年代ではなく、50年代がゼロ年代にリヴァイヴァルするパータンです。先ずはオリジナルから。映画ファンでなくても、George Clooney(ジョージ・クルーニー)はご存知でしょう。アメリカ人的な目線では男前の典型。彼のおばさんがRosemary Clooney。1928年に生まれ、2002年に亡くなっています。

彼女が1954年(さすがに僕も生まれていない!)にリリースし、全米10位、翌年英国では1位になったのが、「Mambo Italiano」。よくこんな時代の動画が残っているなと感心しますが、若き日のRosemary、美人。Georgeも彼女にどことなく似ていますね。そして、今のアメリカにはないおしゃれさを感じます。



Playlist: the Very Best of Rosemary ClooneyPlaylist: the Very Best of Rosemary Clooney
アーティスト:Rosemary Clooney
販売元:Playlist
(2011-10-18)
販売元:Amazon.co.jp
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この曲は、ラテンハウス系のミュージシャンに好まれています。ここでは紹介できませんが、Basement Jaxxもカヴァーし、Shaft(共に英国)のカヴァーは、イギリスのチャートで12位まで行きました。



Mambo ItalianoMambo Italiano
アーティスト:Shaft
販売元:Wonderboy
(2000-03-13)
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1981年、Dave Stewart & Barbara Gaskinによる「It’s My Party」は、全英1位に輝きます。これまでも同傾向の曲を紹介しましたが、これは典型的なエレクトロポップ化した60年代ガールポップ! この二人、芸歴は長く、DaveはEurythmicsのDaveとは同名別人で、Eggなどのプログレ系バンドで活動してきたキーボーディスト。BarbaraもSpirogyraやDaveと同じHatfield And The Northで活動してきたヴォーカリスト。PVも見応えがあり、蝶ネクタイをしたThomas Dolbyが登場します。



Broken Records - The Singles [Special Edition] (ザ・シングルズ・スペシャル・エディション)Broken Records - The Singles [Special Edition] (ザ・シングルズ・スペシャル・エディション)
アーティスト:Dave Stewart & Barbara Gaskin(デイヴ・スチュワート & バーバラ・ガスキン)
販売元:Arcangelo
(2010-12-15)
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60年代、この曲は複数の人に歌われました。60年代のオールディーズものを聴いてみれば、色々な歌手が歌っています。アメリカ人、Lesley Goreによる1963年のヴァージョンが、全米1位となり一番有名です。最近まで知らなかったのですが、これをプロデュースしたのは、Quincy Jones。日本では、邦題「涙のバースディパーティー」で園まりなども当時カヴァーしていました。



涙のバースデイ・パーティ~レスリー・ゴーア・ベスト・セレクション涙のバースデイ・パーティ~レスリー・ゴーア・ベスト・セレクション
アーティスト:レスリー・ゴーア
販売元:USMジャパン
(2009-06-03)
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ゴールデン☆ベストゴールデン☆ベスト
アーティスト:園まり
販売元:ユニバーサル インターナショナル
(2004-02-25)
販売元:Amazon.co.jp
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Naked Eyes・・・覚えておられるでしょうか? Pete Byrne(ヴォーカル)とRob Fisher(キーボード)からなるイギリスのエレクトロポップ・ユニット。 シンセドラムが印象的なこの曲「Always Something There to Remind Me」(邦題は「僕はこんなに」)は、1982年にリリースされました。プロデュースは、New MusikのリーダーでもあったTony Mansfield。意外なことに、この曲は本国英国(59位)よりもアメリカ(8位)で受けいられました。残念なことに、後にClimie Fisherとしても活躍したRob Fisherは、42歳の若さで1999年に死去。



The Best of Naked EyesThe Best of Naked Eyes
アーティスト:Naked Eyes
販売元:Capitol
(1991-04-30)
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レアトラック満載のこちらもお勧め。
Everything and More - Naked Eyes

これは、Burt BacharachとHal Davidによる所謂バカラック・ナンバーのひとつ。Bacharach自身もこのNaked Eyesのヴァージョンを彼の一番のお気に入りとしています。60年代にこの曲は、最初にDionne Warwickが歌うデモ曲が作られ、Lou Johnsonがアメリカで最初にリリースしますが、それほどヒットしませんでした(全米49位)。しかしながら、同年、英国のSandie Shawがカヴァーし、全英1位となっています。

スカと言えば僕の世代だと、70年代終盤の英国で勃興した2トーン・ブーム。パンク〜ニューウェイヴ・ムーヴメントの延長線上にもありますが、The Specialis、Madness、The Beat、Selectorなどのバンドが活躍しました。当時、市松模様のシャツともThe SpecialsのTerry Hallなんかを意識しながら着ていた人もいたでしょう。

オリジナルスカは、60年代スカの故郷、ジャマイカで浸透をしました。僕の中では、スカはジャマイカ、そして英国というイメージなのですが、アメリカでもスカを取り入れたシンガーがいました。Annette Funicelloというイタリア系アメリカ人。ディズニーのマスコットガール出身の59年にデビューした歌手・女優。アイドル歌手の先駆けとも言えましょう。当時、Paul Ankaとの恋仲が話題となりました。

彼女のヒット曲としては、「Pineapple Princess」(1960年)が有名でしょうが、紹介したいのは、「Jamaica Ska」(1964年)。ガールポップ・シンガーが60年代にスカを歌っていたとは。侮れないアネット! これは、Bob Hopeと一緒にテレビで歌っている動画。



原曲は、ジャマイカのオリジナルスカのDesmond Dekkerによるもの。Specialsとコラボしているヴァージョンがあります。



そして、Annetteは、アメリカのスカ系ミクスチャー・バンド、Fishboneとコラボし、映画『Back To The Beach』(1987年)に登場! おばちゃんにはなっていますが、いなせな姉御って感じで素敵。



20th Century Masters: Best of20th Century Masters: Best of
アーティスト:Annette Funicello
販売元:Disney Int'l
(2007-02-06)
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The Supremesと言えば、「You Can’t Hurry Love(恋はあせらず)」。現在、SoftBankのCMで使われているので、若い人にもわかる曲。そう言えば、「青い山脈」をトリンドル玲奈が鼻歌したり、SoftBankは懐メロ路線です。話はそれますが、capsuleのツアーで、DJ中田ヤスタカがこの「青い山脈」の鼻歌リミックスを披露していました。業師です。



「Stop In The Name Of Love」と同様のチームにより、全米1位となっていますが、僕の世代では、Phil Colinsのカヴァーでこの曲を知った人も多いでしょう。彼のソロとしての初の全英1位曲でその後の活躍のきっかけとなりました。



The Supremesは、イタリア語版「You Can’t Hurry Love」として「L'amore Verra (Love Will Come)」もリリースしています。



それをカヴァーしたのが、イタリアのフェロモンあまり過ぎ肉食系美人、Nina Zilli。いや、このカヴァー、超セクシー。



Sempre Lontano-SlidepackSempre Lontano-Slidepack
アーティスト:Nina Zilli
販売元:Unive
(2010-08-17)
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前回のSandiiと同じパターンですが、高橋幸宏のソロアルバム『音楽殺人』もレコードがすり切れるほどというか、すり切れるまで聴きました。

音楽殺人音楽殺人
アーティスト:高橋ユキヒロ
販売元:キングレコード
(2009-03-25)
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テクノポップでありつつも、60年代的黄金ポップスの風格のある作品です。その風格を作り出している曲と言っても良いのが、「Stop In The Name Of Love」。



オリジナルは、Diana Rossがリードヴォーカルを務めるThe Supremes。そして、「Jimmy Mack」と同じMotownの制作チームHolland-Dozier-Hollandによる作品。1965年に発表されたこの曲は見事に全米1位となります。



アルティメイト・コレクションアルティメイト・コレクション
アーティスト:ダイアナ・ロス&シュープリームス
販売元:ユニバーサル インターナショナル
(2006-01-25)
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リミックス集もあります。

DIANA ROSS&THE SUPREMES REMIXESDIANA ROSS&THE SUPREMES REMIXES
アーティスト:オムニバス
販売元:ユニバーサル シグマ
(2007-06-27)
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この曲のカヴァーは海外にも数多く存在しますが、日本ではglobeもカヴァーしていますね。

以前、Tracy UllmanやMari Wilsonの時に、60年代リヴァイヴァル的80年代ポップについて書きましたが、今回はその続きのようなもので、オリジナルも含めて紹介していきます。

YMOがブレイクして間もない1980年、Sandiiの『Eating Pleasure』は、僕がYMOと共にすり切れるほど聴いたアルバム。細野晴臣プロデュースのこのアルバム、テクノでありながらも、エスニックでかつファンキー。オープニングの「Idol Era」にはガッツーンとやられました。それ以外にも、高橋幸宏作の「Drip Dry Eyes」など名曲ぞろい。そして、この「Jimmy Mack」の秀逸すぎるカヴァー。



EATING PLEASUREEATING PLEASURE
アーティスト:サンディー
販売元:Sony Music Direct
(2006-09-13)
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Martha and the Vandellasによるオリジナルは、が1967年にモータウンから発表され、全米10位となりました。この曲は1964年にAnnette Beardが歌いレコーディングされましたが、ヴェトナム戦争のさなか、相応しくないとの配慮でモータウンはお蔵入りさせました。Jimmy Mackとは、ボーイフレンドの名前で、「Jimmy早く帰ってきて」と歌う恋いこがれる歌。



ClassicClassic
アーティスト:Martha Reeves & Vandellas
販売元:Spectrum Audio UK
(2009-04-07)
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なお、Sandiiがカヴァーした後にも、Sheena Easton、Laura Nyroなどがカヴァーしていますが、SandiiのカヴァーがR&Bの魂を失わず、昇華したという意味では一番評価できます。

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