四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

2010年12月

しつこく、和製Lady Gaga特集です。Lady Gagaを感じさせる人を見つけたら、基本、Lady Gagaの事を書かなくても、追っかけて行きたいと思います。もし、心当たりがあれば、ご通報ください。

和製Lady Gagaはもういないのかと捜索して、発見したのがキムビアンカ(KimBIANCA)ちゃんです。見た感じは、ちょっと引田天功さん的。お父さんは韓国人、お母さんは日本人で、名前はイタリアンです。活動を始めたのはGaga 様がブレイクする前で、プロフィールを見ると、和製マドンナとも書かれていますが、まぁ、Gaga様はマドンナの系譜にいるわけで、和製Lady Gagaというのは遠からず。

2010年4月に、DVD付シングル『脱ぎなさいよ』をリリース。

脱ぎなさいよ(DVD付)脱ぎなさいよ(DVD付)
アーティスト:KimBIANCA
販売元:DREAM*factor RECORDS
(2010-04-04)
販売元:Amazon.co.jp
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和製Lady GagaというとどうしてもGaga様を日本人向けにソフトにしたイメージがあるのです。Gaga様の本質は、或る種下世話なモノもファッションとアートとして正当化するパワーではないかと思います。彼女の場合はGaga様の本質に近づこう意気込みがPVからも伝わります。



このCDをリリース後、5月から12カ月連続でiTunes Storeなどで毎月新曲配信という前人未到の記録に挑戦中。

Twitterの文句が素敵(笑)。

Twitterで
繋がりましょ(性的な意味で)


「仲里依紗、目指せ!和製LADY GAGA!!」
という記事を5月に書きました。新しいリリースも無い割にGaga様はいろんな話題を僕たちに提供しつつ、世界中の人達を楽しませてくれているようです。

まだ2枚しかオリジナル録音アルバムを出していないGaga様ですが、リミックスなど彼女の音源は凄い数になっています。iTunes Storeに負けじと、Amazon.co.jpもMP3配信を開始しました。Amazon.co.jpを「Lady Gaga」で検索してみると、な、な、なんと1,366曲も出てきました! カヴァーや被っている曲もあるとは思いますが、アメリカ経済は、AppleとGoogleとAmazonとGaga様で回っているのではないかと思ってしまいます。

こんな状況の中、世界中で彼女に影響された、インスパイアされた、中にはGaga様よりも前にGaga様のようなスタイルだったとクレームする人達も現れています。

和製Lady Gaga特集、ゼブラクイーンこと仲里依紗に続くのはMAA。名前だけなら、M.I.A.みたいですが、「まあ」と読むようです。お父さんはアメリカ人、お母さんは日本人。元m-floのLISAに雰囲気が似ています。

2010年9月に第1弾シングル『Ghost Enemy』でデビュー。Gaga様が「Monster」なら、MAAちゃんはGhost。妖艶さを強調しつつも、露出度は抑え目なのがちょっと惜しい。



11月リリースの第2弾は『バレリーナ・ブレインシステム』。これはなかなかタイトルが面白いです。おお、かなりポップです。PVの方は、確信犯的にGaga様。顔立ちもなんだか似てきた気がします。こちらの方が彼女の表情が伝わって、僕は好きです。



上記のシングルを収録したミニアルバム『Monkey Kingdom』は、12月1日リリース!

Monkey KingdomMonkey Kingdom
アーティスト:MAA
販売元:EXIT LINE
(2010-12-01)
販売元:Amazon.co.jp
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今回はクリスマスらしくないクリスマスソング特集です。クリスマスと言えば、冬のイメージ。雪が降って、国で言うならフィンランドとかがピッタリです。だいたい大体サンタクロースのコスを暑い時期に着るのは辛い。でもそれは北半球だけの話で、南半球ならクリスマスは夏。熱帯ならいつでも夏のようなもの。

E.S. Islandのアルバム『Funny Inspiration From Solar Music』(1982年)に「真夏のクリスマス」という曲があります。E.S. Islandは、じゅんとネネのネネとズーニーブーの高橋英介という異色の組み合わせのテクノポップ・バンド。琉球音楽の要素も取り入れて、「真夏のクリスマス」は基本レゲエです。おニャン子クラブの「夏のクリスマス」(1985年)や桑田佳祐の「Merry X'mas In Summer」(1986年)よりも早かった夏のクリスマスソングでもあります。

テクノ歌謡DX(7)FUNNY INSPIRATION from SOLAR MUSICテクノ歌謡DX(7)FUNNY INSPIRATION from SOLAR MUSIC
アーティスト:E.S.Island
販売元:Pヴァインレコード
(2000-06-25)
販売元:Amazon.co.jp
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その流れで紹介したいのが、平沢進with島崎和歌子の「アフリカのクリスマス」。P-MODELの平沢進と島崎和歌子はどう考えても異色の組み合わせです。この曲が収録されたのは、ポリドールから出た『White Album '90』(もちろん1990年)。当時、両者ともポリドール(現在はユニバーサルの傘下)に所属していた以外は何も共通点が見えない希薄な関係。島崎和歌子の他の楽曲も、ちゃんと聴いたわけではないですが、作家からしても、テクノポップに匂いは全くしません。島崎和歌子が実はP-MODELのファンだったとかだったら、すごくいい話なんですけどね。

whiteホワイト・アルバム’90
アーティスト:オムニバス
販売元:ユニバーサル ミュージック株式会社
(1990-11-10)
販売元:Amazon.co.jp
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『White Album '90』は廃番ですが、『for winter music Lovers~TECHNOPOP Xmas』(2009年)にも収録されています。

for winter music Lovers~TECHNOPOP Xmasfor winter music Lovers~TECHNOPOP Xmas
アーティスト:オムニバス
販売元:ソニー・ミュージックダイレクト
(2009-11-11)
販売元:Amazon.co.jp
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さて、この「アフリカのクリスマス」ですが、アイドル・ソングとしての妥協を許さない完成度です。島崎和歌子が「アーフリカのクリスマス」とつぶやき始め、その後、感動的な重厚な平沢サウンドが炸裂します。クリスマスソングとしても歌詞はあり得ない展開。クリスマスツリー、イエス様、マリア様に虫、ジャングル、ザンビアの滝の音が混在する摩訶不思議な世界。作詞は、平沢進と彼が昔プロデュースしたShampooという女性二人組の京野昌美が担当しています。こんなクリスマスソングが世の中に一つくらいあってもいい。

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