四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

2011年04月

Creamことスリーフキ(Via Slivki)についてさらに調べてみました。メンバー交代を繰り返し、現在の女子メンバーは、カリーナ(Карина)以外は新しいメンバーで他、ヴィクトリヤ(Виктория)とエフゲーニャ(Евгения)となっています。

アルバムも現在まで以下の5枚をリリースしています。
『Первая весна (First Spring)』(2001年)
『Настроение… (The Mood ...)』(2002年)
themood

『Легко!? (Easy!?) 』(2003年)
『Выше облаков (Above The Clouds)』(2005年)
vysheoblakov

『Заморочки (Zamorochki)』(2007年)

「Летели недели (Leteli Nedeli)」は2枚目のアルバムに収録された、YouTubeで一番ヒット数が多い、たぶん彼女達の代表曲と思われる70年ディスコ・サウンド。



2005年のアルバムのタイトル曲「Выше облаков (Above The Clouds)」は、ちょっと近未来な妖精コス。サウンドはすでにミュンヘン・サウンドから進化しています。



この人達、音楽に専念しているかと思いきや・・・やはり、ロシアだけあって、「MAXIM」誌にてセクシーショットも披露しています。
maxim-cream

t.A.T.u.が日本でデビューしたのは、2003年。実はその前に日本盤をリリースしていた女性3人組がいました。理由は覚えていませんが、僕も買ってしまいました。彼女達の名前は、Cream。もちろん、エリック・クラプトンとかがいたバンドとは何の関係もありません。サンクト・ペテルブルクで2000年に活動を始め、日本でのデビュー・シングルは、『Station Radi-O-Love(レディオ・ラブ)』(2002年)。

レディオ・ラブレディオ・ラブ
アーティスト:クリーム
販売元:EMIミュージック・ジャパン
(2002-07-31)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


ジャケに写る3人は、センターと思われるブロンドのカリーナ(Карина)とティナ(Тина)、ダーシャ(Даша)。一般的ロシア人に見えるのはカリーナだけで他二人はエスニックな風貌。バックバンドを務める3人の男性もおり、一応メンバー扱いのようです。 この時点でのサウンドは、ずばりArabesque(ミュンヘンディスコ)+Boys Town Gang(ユーロビート)。



ちなみに日本盤の帯のキャッチフレーズは・・・
輝けるディスコ・デイズよ、もう一度。お願いDJ、Play That Melody。
ロシアのスーパー・グループ、「クリーム」デビュー!


今回、ロシアンポップをいろいろ調べていて、Creamというのは“スーパー・グループ”の割にはなかなか出てこなかったのです。一発屋だったのか・・・と思いきや、メンバーチェンジを重ねつつも現役で活躍しています。彼女達の本国での正式な名称は、「Виа Сливки(Via Slivki)」。「スリーフキ」、つまり「クリーム」と同義です。ちなみに「Виа」の部分はあの「ВИА Гра(バイアグラ)」と同じです。「Вокально-инструментальный ансамбль (Vocal and Instrumental Ensemble)」の略ですが、旧ソ連ではミュージック・グループを指します。

「裏テーマは琉球Perfume」という謳い文句に惹かれて買ってしまったのが、サンサナー(Sansanar)。サンサナーとは聞き慣れない言葉ですが、沖縄方言でセミの意味。かしまし娘という意味をもあるそうです。

僕のBlogは国別に分類しています。沖縄だから当然、日本なのですが、同時に沖縄音楽、いや琉球音楽と言った方がいいのでしょうが、沖縄は音楽的には一つの文化圏を形成しています。沖縄はアクターズスタジオを始め、SPEEDなど多くのアイドルも輩出している地域ですが、意外と琉球音楽を基調したアイドルはいません。

サンサナーに話を戻しましょう。今年の2月に『サンサナー』というタイトルで6曲入りミニアルバムでデビュー。

サンサナーサンサナー
アーティスト:サンサナー
販売元:テイチクエンタテインメント
(2011-02-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


アイドルと言っていいのかは微妙ですが、ユリエ(金城優里英)、アーサ(西山朝子)、ミィキ(上地美妃)、三人合わせてサンサナーです(笑)。三人だから、Perfumeがキャッチフレーズに入るんだと思いますが、琉球舞踊や沖縄音楽のバックグラウンドを持つだけあって、サウンド的には琉球音楽を追求しています。リードトラック「待ちかんてぃ」は、伝統的でありながらも、NEO沖縄POPの名に相応しいポップな曲です。

西野カナちゃんの5月18日にリリースのシングル曲『Esperanza』には、ガツーンとやられました。

EsperanzaEsperanza
アーティスト:西野カナ
販売元:SME
(2011-05-18)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


もちろん、僕がBON BON BLANCOとか女性ヴォーカルのラテン歌謡に対する熱い想いを叶えてくれている事にも起因するのですが、やっぱり西野カナだと納得させられるこの曲を素直に称賛したいです。



どのような発想でこのスパニッシュ路線になったのか興味があります・・・
Madonnaの「La Isla Bonita」(Alizeeちゃんもカヴァーしていました)がオリジナルだとしたら、



Lady Gagaの「Alejandro」はその2.0 version(スペインというよりメキシコって歌詞に出てきますけど)と呼ばれ、



西野カナの「Esperanza」は2.5 日本版と言ったところでしょうか?

前回、「会いたくて 会いたくて 会えばいいじゃないか 西野カナ!」というタイトルで西野カナちゃんの会いたい症候群について書きました。「Esperanza」・・・タイトルからも想起できるように、スペインの情熱が伝わるフラメンコポップ。でも、歌詞から伝わるのは、情熱を超えた“情念”。希望(Esperanza)というタイトルには、「私がこんなに好きだから、貴方は私を好きになるべき」という絶対的意志を感じます。一見爽やかなサマーソングにこの情念をカモフラージュする西野カナは、頭脳派なのか、天然なのか?

前回の記事「メガネ女子好き必見CM!メガネシスターズ」、Zoffのメガネシスターズが登場するCMのエレクトロチューンの作者は現在不明と書きましたが、作者が判明しました。

その前に「Zoff TVCM メガネダンス振り付けビデオ」でもう一度復習しましょう。



この耳に残りがいいサウンドは中毒になります。映像・音響ともに完成度が高い、少なくとも僕の中では2011年度のベストCMです。

で、作者は?
戸田誠司さんです。


80年代よりShi-Shonen、Real Fish、Fairchildというバンド、そしてソロでも活動されてきた方です。戸田さんの作品は、プロデュースや他者への楽曲提供も含め、テクノポップ好きにファンが多いです。All Aboutでも「There She Goes Again〜戸田誠司さん」にてインタヴューさせて頂きました。

僕と同年代の戸田さんがこんなに元気のある曲を作られている事を知り、とても嬉しくなりました。

There She GoesThere She Goes
アーティスト:戸田誠司
販売元:aten recordings
(2004-06-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

My Little Airportに続いて、もう一つ香港のユニットを紹介しましょう。これは曲名買い。

Kraftwerkの1977年のアルバム『Trans-Europe Express』は、もう説明するまでもないテクノポップの名盤です。Afrika Bambaataaが「Planet Rock」でサンプリングした曲としても知られています。

Celestialのアルバム『Spirit House』(1997年)に「Trans-Mongolian Express」という曲が収録されています。最初、モンゴルにもテクノなグループがいるのかと思ったのですが、このCelestialは Peter Millwardという香港在住のイギリス人が中心になったユニットで、『Spirit House』はファースト・アルバム。

Spirit HouseSpirit House
アーティスト:Celestial
販売元:Domo Records
(1998-03-24)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る




サウンド的には、テクノというよりもアジア情緒に溢れる早すぎたチルアウト。他にもベトナム、ネパールなどをモチーフにした楽曲を製作しています。意外にもこのアルバムはアジアでそこそこ売れたらしく、シンガポールではゴールド・ディスクに認定されています。

TEEとして知られるTrans-Europe Express(ヨーロッパ横断急行)は1957年に運行が開始され、1995年に幕を閉じた実在した列車ですが、Trans-Mongolian Expressは実際にあったのでしょうか?

シベリア鉄道を走るTrans-Siberian Express(シベリア超特急)というのはありますが、正式名称としてのTrans-Mongolian Expressはないようです。シベリア鉄道のウラン・ウデ駅からモンゴルのウランバートルを経由して北京まで行く「33・43列車」という国際列車がありますが、多分それの事なのでしょう(詳しい人がいたら教えてください)。でも、Trans-Mongolian Expressという名前でツアーをやっている旅行社がありますから、通称的にはありなのかと。一度、乗ってみたい。

このBlogにも時々登場するけろっぐ博士が今朝メールを送ってきた。

すっごく良いです!!
栗山千明かと思ったほど。
白いプレーンなレオタードもストライク!


彼が感銘を受けたCMは、Zoffの新しいCM。僕もZoffのメガネは安いけどデザインがいいのがあるので、持っています。



なるほど、これはいい! 栗山千明っぽい髪型の女性は、ファッションモデル・女優の水原希子ちゃん。名前は今回初めて知りましたが、確かに見覚えのある顔。

ヴィジュアルの構図も、Daft Punkの「Around The World」を思わせるし、もちろん楽曲もエレクトロ。



Yahoo! Musicの質問広場でさっそくこんな質問も・・・

ZOFFのCMで使われている楽曲名を教えてください!!
80年代のユーロビートやPerfumeの楽曲みたいな感じでした!!

CM用に書き下ろされたもののようですが、作者は現在不明。

Zoff(ゾフ) | 10th Anniversar 水原希子さんを起用した10周年キャンペーン

今まで、スペイン、イタリア、ブラジルの渋谷系に通じる音楽性を持った人達について書いてきましたが、今回は割と近い香港です。香港には90年代はよく出張で訪れたのですが、最近はご無沙汰しています。

今回紹介するのは、Ah P (Lam Pang) とNicole (Nicole Au Kin-ying)の男女デュオ、My Little Airport。My Little Loverと名前は似ているけど、音楽性は全然違います。香港のベルセバ(Belle & Sebastian)とも呼ばれている彼らですが、確かにグラスゴー的な風情。脱力系ギターポップに、ローファイなエレポップが多いです。でも、どこか英語の発音とかは香港って感じで、タイトルも中国語が多く、不思議な世界を生み出しています。

最新アルバムは、日本盤もリリースされた『Poetics - Something Between Montparnasse and Mongkok』。フレンチ渋谷系みたいなジャケがかわいい。

Poetics - Something Between Montparnasse and Mongkok / ポエティックス-サムシング・ビトウィーン・モンパルナス・アンド・モンコックPoetics - Something Between Montparnasse and Mongkok / ポエティックス-サムシング・ビトウィーン・モンパルナス・アンド・モンコック
アーティスト:マイ・リトル・エアポート
販売元:Happy Prince / NATURE BLISS INC.
(2010-06-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


アルバムタイトルが長いのも今回が初めてではなく、Harbour Recordsから3枚。
『The OK Thing To Do On Sunday Afternoon Is To Toddle In The Zoo』(2004年)
『Because I Was Too Nervous At That Time』(2005年)
『We Can't Stop Smoking In The Vicious And Blue Summer』(2007年)

ファースト・アルバムはElefant Recordsより『Zoo Is Sad, People Are Cruel』(2007年)改題され、リリースされています。Elefantは、スペインの渋谷系として紹介したLa Casa Azulのリリースをしているレーベル。

「浪漫九龍塘」はドリーミィなエレポップ。九龍塘(Kowloon Tong)は、香港の高級住宅地ですね。



Hong Kong Shue Yan Collegeでジャーナリストの勉強をしていただけあって、「北歐是我們的死亡終站(北欧は私たちが死ぬ終着駅)」「社會主義青年」「when the party is over, i miss my dear porn star(パーティーが終わり、僕は親愛なるポルノスターのことを想う)」など、ちょっとひねった題材の曲も多いです。

Daft Punkのサントラ『Tron: Legacy』は以前も紹介しましたが、このリミックス盤となる『Tron: Legacy Reconfigured』が発売されました。オリジナルの方は、サントラとしては上出来だと思うのですが、Daft Punkの作品としてはやはり映像が無い状態では物足りなさを感じました。まぁ、これはサントラの性格上しょうがないことですが。

Tron: Legacy ReconfiguredTron: Legacy Reconfigured
アーティスト:Various Artists
販売元:Walt Disney Records
(2011-04-05)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


さて、このリミックスなのですが、文字通り、“再構築 (Reconfigured)”されたと言える出来で、僕はこちらの方が楽しめます。オリジナルでは一番好きだったエレクトロ度の高い「Derezzed」は1:44という短い曲ですが、The Glitch Mobによるリミックスでは、4:22となり、エレクトロ度も更にパワーアップしています。



The Glitch Mobは意外な事にヨーロッパではなく、アメリカ、カリフォルニアのDJ集団ですが、この「Beyond Monday」の動画を見ていると、ぜひ一度ライヴを見たくなります。



他、Boys Noizeによる「End Of Line」やThe Crystal Methodによる「The Grid」のリミックスも相性よし。なお、「Tron: Legacy Soundtrack」の公式サイトでは、限定アイテムも買えるようです。

既に日本のメディアでも報告されましたが、t.A.T.u.は正式に解散となり、3月29日にリリースされた2枚組リミックス・アルバム『Waste Management Remixes (WMR) 』が最後の作品となります。

公式サイトのメッセージ
Thank you everybody who's been with us for almost 11 years.
Thank you to every t.A.T.u. fan.


『Waste Management Remixes 1』
wmr1




『Waste Management Remixes 2』
wmr2




早速、『WMR』を購入しようと調べてみました。CDで購入したかったのですが、日本のサイトで簡単に購入できそうにありません。

先ず、iTunes Store。日本のiTunes Storeでは、1曲150円、アルバムは1枚で1,500円(2枚なら3,000円)となります。アルバムを買うと、デジタル・ブックレットが付きますが、全16曲なので、単体で買った方が安い。

Amazon.co.jpではCDは扱っていませんが、MP3ダウンロードならあります。こちらは、1曲100円、アルバムは1枚で800円(2枚なら1,600円)となります。

公式サイトのアナウンスにあったKroogi.comに行ってみると、なんとアルバム1枚が最低$3.30の“寄附”で入手できます。この寄付は癌を患う子供達のために使われるとの事。Paypalで寄付ができます。

僕は、当然ですが、Kroogi.comからダウンロードしました。肝心のリミックスの内容ですが、ぶっ飛ぶほどのかっこいいリミックスはありませんが、がっくりするほどのリミックスでもない程度のものです。しかし、このアバウトな価格設定にロシアらしさを感じます。

グリュコーザのナターシャは、セカンド・アルバム発表後、2006年に若干20歳そこそこで結婚。そして、翌年には妊娠、出産と・・・この前まで高校生だったとは思えない展開です。

glukozaelle


しかし、ロシア・ウクライナの女性歌手はそんな事くらいでは引退はしません。出産後、アニメのキャラクターとしてのグリュコーザはほぼ卒業となりましたが、ユーモラスな部分は引き継がれています。

「Танцуй, Россия! (Dance, Russia!)」(2008年)は、イケイケ・ロシアンディスコ! うん、どっかで聴いたようなメロディーだけど、このちょっとわざとやったような下世話感は好きです。ロシア・ウクライナのPVにこの手のシーンが多いのに最近気が付き始めたのですが、テレビの前ソファーに座った男性が良く出てきます。おっさん、酔っぱらって、かなり出来上がっています。お尻フリフリするおねえちゃんに釘付け(笑)。しっかり、嫁さんに怒られています。これが一般ロシア家庭の実情なのか(笑)。



「Деньги (Money)」のPVにもユーモアが溢れています。ロシア民謡的なサウンドに乗せてナターシャは100変化しています。よく見ると、ナターシャが実演したのではなく、ナターシャの顔を全ての登場人物にコラージュしたと思われます。



なお、現在、サード・アルバムはリリースされていませんが、これらの曲は公式サイトにてダウンロードできます。

実は今回の記事を書き始めるまで、当時は僕も聴いていたグリュコーザはデビュー・アルバムで終わってしまったのでは・・・と思っていたんです。でも、そんな事はありませんでした。

セカンド・アルバム『Москва(Moscow)』を2005年にリリースしています。デビュー・アルバムも含め、グリュコーザとしてはこのアルバムでミリオンセラーとなりました。あまりCDが売れないと思われるロシアではミリオン達成は大健闘と言えましょう。

MoscowMoscow
アーティスト:Glukoza
(2007-03-27)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


このアルバムから最初に公開されたのが、「Швайне (Pigs)」のPV。豚族の軍隊が登場し、グリュコーザ率いる軍隊と戦闘します。歌詞を良く聴いてみると、ロシア語に混じって、「アイン・ツァイ・ドライ」・・・ドイツ語で「1、2、3」と言っていますね。豚族の制服や腕章も、ナチス・ドイツ風です。日本的感覚では、アイドル歌手(?)が戦争を題材にするというのは考えにくいです。この辺りの政治的なネタが多いのは、やはりソ連も含めたロシアの歴史の影響なのでしょう。



アルバム・タイトル曲のPV「Москва(Moscow)」では、今までのアニメーションを辞め、ナターシャ本人が登場。グリュコーザとしては珍しい哀愁のバラードなのですが、幼かったナターシャも既に19歳にして大人の女性の風格。ロシアの女性は成熟するのが早い事を実感します。

グリュコーザの続きです。彼女のデビュー・アルバムは、『ГЛЮК'ОZA NOSTRA (Gluk'oza Nostra)』(2004年)。ジャケを見て頂くと、右端のロゴがなんとなく日本語のカタカナのようになっています。日本にCOSA NOSTRA(コーザ・ノストラ)と渋谷系のグループがいますが、意味はイタリア語でシチリア・マフィアです。それをもじって作った造語ですね。

glukozanostra


アルバムのタイトル曲「ГЛЮК'ОZA NOSTRA (Gluk'oza Nostra)」のPVも制作されています。サウンドはちょっとイタリアを意識したんでしょうか?意味不明のカタカナが出てきたり、MATRIXの主人公ばりの戦闘シーンがあったり・・・注目すべきは最後にオチでもあるコンピュータゲームをプレイしているのが、実物のナターシャです。



さて、グリュコーザのCDを現在、購入する事はなかなか難しいのですが(以前はAmazon.co.jpでも買えたと思います)、グリュコーザの公式サイトから、この1st、次に紹介する2nd、そしてそれ以降の曲が無料ダウンロードし放題。ミン・ニェットの時も同様の事を書きましたが、ロシアの音楽業界は不思議です。ちなみにグリュコーザは2003年以降、500を超えるライヴをしたらしく、こちらが収入源なのでしょうかね・・・

“音楽世界旅行”に改名しての初の記事です。しつこくウクライナ・シリーズを続けてきましたが、この辺りでロシアに戻りましょう。

ロシアで旧ソ連圏以外でも広く知られる事になった歌手として言えば、やはりt.A.T.u.なのですが、2000年前半、ほぼ同じ時期に旧ソ連圏で知名度を上げた覆面歌手がいます。いや、別に覆面をしているわけではなく、正体を明かしていなかったという意味で。日本にも、覆面テクノアイドルの芳賀ゆいっていましたね。その名は、グリュコーザ(ラテン文字表記「Gluk'oza」、ロシア語「Глюк`ozа」)。ロシア語でブドウ糖(Glucose)という意味ですが、глюк(グリュック:「幻想」という意味)というこの覆面歌手のニックネームが由来との事。

グリュコーザを世間に知らしめることになったのが、2003年の「Ненавижу(Hate)」のPV。サングラスをしたブロンドのキャラクターが登場するコンピュータグラフィックを駆使したPV。それは、アメリカでもヨーロッパでも日本でもない独特のテイスト。サウンドも他のロシア系と一線を画しています。80年代に流行った「踊るリッツの夜」をテクノなカヴァーをしたTACOをご存知でしょうか? あれを女性歌手が歌い、少しガレージっぽくしたような感じ。



このPVが発売された時点では、グリュコーザはまだ謎に包まれていました。その正体は、ナターシャ・イオノワ(Наталия Ионова)の高校の卒業パーティで明かされます。ナターシャは1986年生まれで、この時点ではまだ17歳。また、グリュコーザは彼女以外にも5人の男性サポート陣がいました。

glukozamag1


次に発表された「Невеста(Bride)」は更なる大ヒットとなります。さらにガレージ度も高く、日本のGS(グループ・サウンズ)的です。PVでは戦う花嫁。

しばらくの間記事の更新を休止しておりましたが、そろそろ再開いたします。

“テクノポップ定点観測”というタイトルでBlogを始めて約1年やってまいりましたが、4月より“音楽世界旅行”という名前で再スタートをします。

内容的には刷新されるといよりも、これまで書いてきた記事の内容により相応しいタイトルに変えた意味合いが強いです。“音楽世界旅行”というタイトルもカテゴリー名として今まで使ってきたものですから。

テクノポップ系も扱っていきますが、ジャンル的にはこだわりながらも自由度を持っていきたいと考えています。世界の音楽(ポップなもの)を扱う趣旨で、ワールドミュージックに特化する意図はありません。多くの記事は僕の仮想旅行に基づきますが、実際に現地に旅行をしてレポートすることも今後計画しています。

URLも変わりました。
http://music.sherpablog.jp/

みなさま、引き続きよろしくお願いします。

↑このページのトップヘ