四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

2011年11月

マーティン・ソルベグ(Martin Solveig)君の2006年のアルバム『ヘドニスト-快楽主義-(Hedonist)』から空耳ソングを紹介します。
ヘドニスト-快楽主義-ヘドニスト-快楽主義-
アーティスト:マーティン・ソルベグ
販売元:エイベックス・トラックス
(2006-12-13)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る


リー・フィールズ(Lee Fields)をフィーチャリングした「Jealously」というタイトルの曲。聴いてみると、まるでジェームス・ブラウン(James Brown)のような曲。この人、ルックス的にももろジェームス・ブラウン。実際、ファンクの帝王、ジェームス・ブラウンのフォロワーとしてキャリアを始めたとのこと。


いちびって登場するマーティンは、リーからマイクを奪おうとしますが、取り押さえられます。で、聴いてもらえれば分かりますが、バックコーラスが歌う「Ahh, Jealousy」の部分が「ああ、いやらしぃ〜」にどうしても聴こえちゃいます。よって、邦題は空耳の通り。

マーティン・ソルベグ(Martin Solveig)君の続きです。マーティンは、90年代から活動していますが、最新アルバム『Smash』で遂に勢いがついて来た様子で、Madonnaの新作のプロデューサーの一人としても見染められています。Madonnaはプロデューサーの趣味がいいですからね。

彼のアンセム的ナンバーと言えるのが、シングルとしてもヨーロッパ全土を中心にヒットした「Hello」。こちらも前回紹介した「Big In Japan」と同じく、Dragonetteとのコラボ。ポロシャツとヘッドバンドがユニフォーム化しているマーティンですが、PV(長編と短編がありますが、長編を紹介)ではフレンチDJの大御所、ボブ・シンクレア(Bob Sinclar)とのテニスマッチ。マーティンはボブに最初ボコボコされますが・・・さて、エンディングは??? これがなかなかストーリー仕立てになっていて、とぼけたマーティン君はいい味を出しています。


こちらは、「Hello」が使用されたTrident VitalityガムのCM。


HelloHello
アーティスト:Martin Solveig
販売元:Mercury
(2010-11-23)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

暫く、辺境に偏っていたので、このあたりでちょっと西欧を攻めてみます。今回紹介するのは、フランスのDJ、マーティン・ソルベグ(Martin Solveig)。フランスはひところまでトレンドの中心とは言い難い国でしたが、Daft Punkやフレンチタッチ(なつかしい響き)以降、ハウス〜エレクトロはもうお国芸ですね。

同じフランスのデヴィッド・ゲッタ(David Guetta)と同じく、フィーチャリング大好きなマーティンですが、今回紹介するのもMartin Solveig & Dragonette feat. Idoling!!! 名義での「Big In Japan」。“Big In Japan”とは日本で人気があるけど本国ではそこまでは人気がなかったりするアーティスト。世界で売れる前のQueenやJapanやあまりフランス人が知らないクレモンティーヌとか(ちょっと次元が違いますが)。


Dragonette はカナダのエレクトロポップ・グループ。そして、Idoling!!!とは、日本のアイドル、アイドリング!!!です。個人的にはPerfumeをフィーチャリングして欲しかったけど、Perfumeではひねりがないし、AKB48では多すぎるし(ギャラも高いのかな)、アイドルリング!!!あたりが、マーティンの美的感覚としてはちょうどいい塩梅だったのかもしれません。このマーティン、なかなかとぼけたフランス人。憎めません。

スマッシュスマッシュ
アーティスト:マーティン・ソルベイグ
販売元:ケイエスアール
(2011-09-07)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

タイトルからして怪しいのですが、Yulia Lisovichenko(ユリア・リソヴィチェンコ)を紹介します。彼女が生まれたのはシベリアのНижневартовск(ニジネヴァルトフスク)。さっぱり何処にあるか分からないですが、調べてみると、シベリアでも西の方。


スペイン語を上達させるために、スペインのバルセロナに1999年に移住。スペインで音楽活動を行ってきたユリアちゃんですが、そんな彼女の2006年の作品が「Japanese Guy」。タイトルからして、アネカの「Japanese Boy」を彷彿させるのですが、日本のマンガにインスパイアされた彼女、西洋人がもつオリエンタルな“間違った日本”を見事に表現しています。

NikitAの続きです。ダーシャ(Даша)に加えてアナスタスィヤ(Кумейко)が新メンバーとなって最初に作られたのが、「20:12」。アナスタスィヤも前メンバーのユリア(Юлия)に負けずに目鼻立ちのはっきりした美人なのですが、ちょっと顔が濃い。PVは時計が20時12分を指している場面から始まりますが、対決の時間でも指しているのでしょうか? NikitAのPVにはいつもテーマがありますが、女子ボクサーに扮する二人、今回はスポーティなセクシー!


NikitAはウクライナとロシアが活動の拠点ですが、ヨーロッパにも遠征しています。世界進出を企てているのか、この曲に限っては、「My Love」というタイトルで英語ヴァージョンも同時にリリースされました。My love is saving the world!


どうしても、ヴィジュアル的な要素に目が行きがちですが、NikitAのサウンドプロダクションは侮れないものがあります。

日本でどれほどの人達が気にしているか疑問ですが、久しぶりにウクライナのイケナイおねえさん二人組、NikitAの最近の様子をお知らせします。

NikitAについてはこれまでもしつこく書いていますが、ここでおさらいをしましょう。オリジナル・メンバーは、ダーシャ・アスタフエヴァ(Даша Астафьева)とグルジア人の血が混じったユリア・カヴタラヂャエ(Юлия Кавтарадзе)。ユリアは、元アルミヤー(А.Р.М.И.Я)というグループにいましたが、出産後にNikitAとしてダーシャと活動。僕はこの二人のコンビが好きだったのですが、ユリアが2011年になって脱退! このまま立ち切れになってしまうのだろうかと心配していたのですが、新メンバーのアナスタスィヤ・クミインコ(Анастасия Кумейко)が加入し、活動を再開し始めました。

NikitAのコンセプトは、セクシャル・アグレッション。「ヴェリヴキ(Веревки)」のPVは、マッパで闊歩するコンセプトで作られました。新生NikitAでもそのコンセプトは変わりません。彼女達はライヴでそのコンセプトを忠実に再現。ここまで来ると、その執念に敬意を払います。

正式に解散したのか分かりませんが、Galaの方の活動はどうやら途中で終了してしまったようです。片割れのAnu(Ану)ちゃんはその後、ソロとして精力的に活動。YouTubeでGalaのPVを見ていると、AnuちゃんのPVも表示されます。最初、GalaとそのAnuちゃんは全く関係がないと確信していました。だって、Anuちゃん、Gala時代と全然外見も醸し出す雰囲気が違うんですから。

アルバム『New Brilliant』(2010年)のジャケがこれ!
newbrilliant


いや、これはまだ変身の威力が伝わっていないので、PVを見て頂きましょう。

Lady Gagaを意識したような、「Function Minutes」。隣のおねえちゃんはもう芸能界のセクシーディーヴァに。PVは2分16秒辺りで凝視してください。蒙古版Lady Gagaと言った事に納得して頂けるでしょう。


ダメ押しとして、MONGOLMUSIC.NETの記事を紹介。モンゴル語のみですが、画像を見て頂ければ、分かります。

モンゴリアンポップ、今回紹介するのは、Gala(Гала)。Galaとはモンゴル語で「火」の意味。

メンバーは、Anu(Анү )ちゃんとBolor (Болор)ちゃんの二人。モンゴル人の本名は結構長い(タイ人ほどではないけど)ので、愛称です。卒業したかは確認が取れていませんが、二人とも大学に入学しています。Anuちゃん(ジャケでは右側)は、モンゴルの最高学府とされるモンゴル国立大学(法律学部)です。

今回、ウランバートルを案内してくれた日本語ガイドの方にモンゴルの大学について聞いてみた所、モンゴルでは、二つの学位をとる事も稀でないそうです。また、人気のある学部は、鉱物エンジニアリングで、鉱物資源が豊富なモンゴルを反映しています。

ルックス的には今までの人達が芸能界然としていたのですが、Galaはストリート系。ウランバートルの街を普通に歩いていそうなちょっと派手目のおねえちゃんで、気軽にイベントとかにも来てくれそうです。

現在までに確認されたリリースは・・・
アルバム『Хөвгүүн』(2005年)
gala


アルバム『Мөрөөдлийн』(2006年)

ウランバートルのCDショップでも探してみたのですが、既に廃盤になっていました。

モンゴル語はGoogle翻訳も出来ないので、それ以上の事は分かりません(Googleさん、早くモンゴル語にも対応して!)。

PVとして注目したいのが、「Khalaasand Mini Chinii Zurag」。アレンジは洗練されていませんが、なかなかメロディーもツボを突いていて、切なくっていい曲。


New Orderの「Regret」を思い出したのは僕だけだろうか?

ウランバートルに行った際、ぜひ体験したかったのが、地元でのライヴ。モンゴル語が分からないし、自分で調べようもないので、現地ツアーの旅行社に「ウランバートルで、Kiwi、SweetYmotion、3 Ohinなどのコンサートが見たい」とリクエストしてみました。ウランバートルに到着するまで分からなかったのですが、日本語ガイドさんがちゃんと土曜日の夜のコンサートを押さえてくれました。

これがチケットです(上の部分は入場の際、破られてしまいました)。10月22日(土)にウランバートル・パレス(UB Palace)で行われた「MY SONGS 2011」。チケットの値段は約900円。
mysongs2011


こちらは、去年行われた「MY SONGS 2010」の様子です。このコンサートは、バルフジャヴ(Балхжав)という作曲家の曲をいろんなアーティストが歌うという企画です。だから、MY SONGS。

この髭のバルフジャヴさんはモンゴルでは著名な作曲家であり、かつUBSというテレビ局を運営しています。こちらは、彼の曲を集めたCD『MY SONGS 2010』。
mysongs2010


コンサートは、7時に始まり、終わったのが11時半頃。会場は満員で、モンゴルの人達の音楽好きが分かるコンサートでした。彼が曲を提供したKiwiと3 Ohinが出てくるのを期待したのですが(昨年は出ていた)、今回登場した中で僕が知っていたのは、SweetYmotionとChinbaa。SweetYmotionはモンゴル里帰りという感じで盛大に歓迎されていました。

SweetYmotionについては既に紹介しましたが、こちらは、バルフジャヴさんが提供した「Zuudleerei」のPV。


今回、ウランバートルを訪問するにあたって気をつけないといけないのが、交通事情!
1)タクシーの数が少ないので、白タクに頼らざるおえない。
2)地元の人達もヒッチハイクのように街で走る車に乗せてもらっている(当然、モンゴル語が出来ない外国人にはハードルが高い)。
3)運転はかなり度胸がいる。接触事故とか僕が居る間だけでも2回遭遇。
なんか揉めている写真。
ulaanbaatar-car

4)駐車場はカオスとなる。

今回、移動する場合は全て日本語ガイドさんと運転手さんのお世話になりました。上記の交通事情を考えると、正解だったと。コンサートのあったウランバートル・パレスの駐車場で驚いたのは、皆、車が通る道にもどんどん停めて行きます。当然、出庫する時には大混乱。出口の車が出て行くまでは奥の車は出られません。幸い、運転手さんは出口近くで待っていてくれていたので、無事脱出。

今回、ウランバートルに行って、モンゴルの物価調査報告をします。円高のせいもありますが、円換算するとモンゴルの物価は魅力的です。

例えば、₮1,000 =¥60で換算して・・・

ウランバートルホテルから歩いて5分くらいの所にある「City」というマッサージ店で、マッサージ1時間あたり約1,000円。ちなみにマッサージは女性でも力が強くとても上手でした。
ulaanbaatar-city


「The Bull」という火鍋のレストランにガイドさん、運転手さんの三人でこんなに平らげて、一人当たり約1,000円! 味の方もばっちり。
ulaanbaatar-thebull


ウランバートル市内には高層マンションも増えていますが、草原でないところにもゲルは存在します。ゲル地区と呼ばれますが、若い夫婦が最初はゲルに住み始めて、その後普通の家を建てる事も多いと聞きます。ゲルの値段は、グレードによって違いますが、10万から20万円くらい。日本にゲルはないので比べようがないですけど。ちなみに高層マンションの値段は700万円程度。
ulaanbaatar-gel


CDの値段については既に書きましたが、アーティストによって結構値段が違います。3 Ohin(3 Охин)のアルバム『Жинхэнэ Хайp』(2008年)の場合、良心的で₮7,500(¥450)。でも、倍くらいの値段のアーティストもいます。
3girls


ちなみに伝統的なモンゴル音楽の場合、CDの値段は高いものが多い。ガイドさんによると、モンゴル人が買うというよりもツーリストが買うため、そのような値段設定になっているのだと。では、3 Ohinのアルバムに収録されている曲をラテン系の「Bambino」を紹介します。ロシア・ウクライナに意外とラテン系の曲が多いのと同じ傾向が見られます。モンゴル人は気質的にはラテンの血は強い。

モンゴルの三人娘3 Ohin(3 Охин)の情報は限られていますが、映像的にネタになるもの多いので、さらに紹介。タイトルは、「Stupid Boy」。これは英語なので、助かります。「おバカな男」とでも訳しておきましょう。


このPVに登場する男が可哀想。目隠しをされ、椅子に縛りつけられて、三人娘にいたぶられます。誰ですか、羨ましいとか言うのは? それ以上にうけてしまうのが、彼女達のコスと小物。やさぐれたメイドのような格好で、何故かペロペロキャンディーと哺乳瓶(!)を持って踊っています。

そう言えば、『モンゴルルンルン』という本に、モンゴルでは大人も普通に母乳を飲むと書いてありました。最近、フジテレビの番組「世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?」でも同様のテーマで放映されました。

今回、ウランバートル訪問の際に日本語ガイドの方にお世話になったのですが、その件について尋ねたところ、健康のために大人が母乳を飲む風習はあるそうです。ただ、複数のモンゴル人の方に聞いた訳ではないので、どこまで一般的なのかは検証できていません。小麦粉と混ぜて摂取する方法もあるようです。淡々と話すガイドさんの話を聞いていると、母乳の栄養価の高さを考えれば、その発想は別に不思議でもないのかと思えてきました。

↑このページのトップヘ