イタロディスコ、イタロハウス等とは呼ばれますが、イタロエレクトロとはあまり呼ばれていない。でも、そう呼びます。前回、ざくっとイタロディスコの話をしましたが、今回は時間を飛び越えて、21世紀の話をしたいと思います。フレンチエレクトロという言葉はかなり一般化した感がありますが、ゼロ年代は今までイギリスやドイツ中心だったシーンがヨーロッパ全土に広がった時代でした。Daft Punk以降のアーティストもフランスから続出し、基本英語で歌い、世界標準と言える活動をしてきたアーティストも増えました。

じゃ、最近のイタリアはどうなんでしょう? ゼロ年代初めには、ミラノのDJ、Benny Benassiの「Satisfaction」(2002年)といったイタロエレクトロ前夜的な動きはありましたが、ここ2-3年、フランスのJusticeやドイツのDigitalism等に続けとばかりに、エレクトロ新興勢力がイタリアからも出てきています。



Crookersは、日本では「狂ッカーズ」なんて表記もされますが、英語で「crook」とは詐欺師とか悪漢、(動詞として)曲げるという意味です。Kid Cudiとのコラボ「Day'N'Nite」がヒットしたり、Lady Gagaの「Telephone」のリミックスなども手掛けており、イタリア勢としては勢いがある二人組です。「Put Your Hands on Me」などは、ヒップホップと言った方がいいですが、個人的にはフランスの歌姫、Yelleのヴォーカルをフィーチャーした「Cooler Couleur」がお勧め!



TONS OF FRIENDSTONS OF FRIENDS
アーティスト:クルッカーズ
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名前からもジャケからもなんだかおどろおどろしいThe Bloody Beetroots。Daft Punkを意識したのか、覆面を着用。Dim Mak Records に所属していますが、レーベルオーナーはSteve Aoki。BENIHANAでアメリカンドリームを実現した元オリンピック・レスラーのロッキー青木の息子さんです。妹のDevon Aokiも有名なモデル(映画にも出ていますね)。Steve Aoki自身も、The Bloody Beetrootsのアルバム『Romborama』(2009年)に参加しており、彼をフィーチャリングした「WARP」は、破壊的な快感があるエレクトロ。同時に曲によってはとてもポップで美メロです。Justiceに通じるものがあります。



ロンボラマロンボラマ
アーティスト:ザ・ブラッディ・ビートルーツ
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