音楽世界旅行シリーズ、欧州を中心にやってきましたが、ちょっとアジアに飛んでみたいと思います。韓国の流行音楽はテクノポップというよりもソウル(別にギャグじゃない)~ヒップホップ系が多いです。只今ブレイク中のKARAや少女時代などのK-POPガールズも、コアなテクノポップ的要素は薄いです。Perfumeなどとファン層が被ったり、テクノ~エレクトロと呼ばれているものがありますが、音楽的には別の軸足のダンスミュージックだと思います。

K-POPについて僕はそれほど追っかけているわけではありませんが、K-POPに勢いを感じる一つの理由は、アジア全体をマーケットとして見ている点です。韓国の内需だけでは大きくないが故、中国圏に始まり、日本も完全に射程距離に押さえています。J-POPがアジアに波及していないわけではないですが、現在のK-POPにはそれ以上の積極性と戦略性を感じます。携帯電話だけでなく音楽業界もガラパゴス化する日本? 音楽の場合、携帯ではないので独自の進化をしてもそれはそれでいいとは思いますが、(商業的に大ヒットまで行かなくても)やはり世界で認められる日本の音楽であってほしいです。

K-POPガールズの老舗とも言えるWonder Girlsの古典的なモチーフには、惹かれますね。彼女達が目指したのは日本ではなくアメリカですが、本国、韓国でのブレイクのきっかけとなったのは、「Tell Me」(2007年)。「Tell me,tell me, tell tell tell tell tell tell me」という中毒性があるリフの部分で脳内がぐるぐるする80年代的なディスコ・チューンです。



「Tell Me」はWonder Girlsの生みの親であり、JYP entertainmentの創業者でもあるパク・ジンヨンの作品ですが、John Dixon Mitchellという名前も共同クレジットされています。Mitchellは、Stacy Qの「Two Of Hearts」(1986年)の作者です。発売当初はこれらの配慮はなかったようですが、僕の持っている『Taiwan Special Edition Wonder Girls』には、「Contains a part inspired by “Two Of Hearts”」とあります。

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Stacy Qを知らない人でも、バブルの時代にディスコに行っていた人はこの曲を聴いた事があるでしょう。基本はユーロビートなのですが、Stacy Qはアメリカ産。まあ日本産ユーロビートも多いですから、特にこの時期、時代はユーロビートだったのでしょう。ビルボードでも3位まで行っています。「Two Of Hearts」のリフも「a-a-a-a-a-I need I need you」と中毒性があります。パク・ジンヨン氏、なかなか目の付けどころがイイ。



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アーティスト:Stacey Q
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