Wonder Girlsはネタが多いので続けます。既に紹介した「Tell Me」(80年代後半ユーロビート)も含めてWonder Girlsの曲には時代のモチーフと言うのが強く感じられます。現在、60'sリヴァイヴァルというシリーズ記事を書いており、当初そちらで紹介するつもりだったのですが、彼女達の「Nobody」は60年代モータウンサウンドの見事な再現をしています。この手の曲はあまり時代背景がない人には作れないと思いますが、作者であるパク・ジンヨン氏のバックグラウンドを考えると納得がいきます。彼は1972年生まれで、60年代にリアルタイムで触れていませんが、小学生時代にニューヨークに2年余り住んでおり、90年代も自らR&B系シンガーとして活動しました。その過程で、ソウルのルーツ的存在でもあるモータウンサウンドやガールグループには触れていたのでしょう。

Wonder Girls : The Wonder Years ? Trilogy : Nobody(韓国盤)Wonder Girls : The Wonder Years ? Trilogy : Nobody(韓国盤)
アーティスト:Wonder Girls
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「Nobody」のPVにおいてもトイレで紙が無くて歌えなくなった、韓国版James Brownのような歌手を演じるパク・ジンヨン氏ですが、サウンドだけでなく、Wonder Girlsの5人の衣装、髪型、舞台全てにおいて、こだわりを持って60年代キッチュを貫いています。2009年よりアメリカでの活動に専念しているWonder Girlsが、アメリカでのデビュー曲に「Nobody」を選んだのも、モータウンの本場でもある国で認められようという意志の表れだったのでしょうか? ちなみにビルボードチャートでは76位。大成功とまでは言えませんが、アジア系シンガーとしては、外からの音楽に比較的閉鎖的なアメリカを考えると健闘と言えるでしょう。



「Nobody」には他、バラードやタンゴverなどリミックスもありますが、韓国のDJ HYO(韓流ドラマ「妻の誘惑」など、結構メジャーな仕事もしているアゲアゲ系)が面白いマッシュアップを作っています。基本、トランス・リミックスですが、「I want nobody nobody but you」の部分が「Johnny Johnny move my feet」 に一部差し替えてマッシュアップしています。



マッシュアップされたのは、Lalaの「Johnny Johnny」(1987年)というイタロディスコというかイタリア産ユーロビートです。Lalaは3人組の女子グループだったようです。オリジナルよりもかなりBPMを上げてマッシュアップしているのが分かりますが、確かにサビ部分は見事に被りますね。

johnnyjohnny