スペインの渋谷系として、La Casa Azulを紹介しましたが、それよりも前から活動していたブラジルの渋谷系、Pato Fuについて書きます。

Pato Fuって不思議な名前です。猫のガーフィールドの技の名前は、Cat Fu(Kung Fuをもじったのでしょう)。それをさらにもじって、Pato(あひる)Fuとなりました。Pato Fuはリオでもサンパウロでもなく、ブラジル内陸部のベロ・オリゾンチで1992年に結成されました。

Pato Fuをブラジルの渋谷系として紹介していますが、ルーツとして影響を受けたのは、オス・ムタンチス(Os Mutantes)というブラジルのトロピカリズモ運動における重要バンド。1966年にデビュー時、ムンタチスは当時ブームだったサイケデリックロック色が強かったバンドです。

Pato Fuは1993年から現在まで9枚のスタジオ・アルバムをリリースしていますが、Pato Fuの代表作かつ渋谷系の色彩が強いアルバムが、『Isopor』(1999年)。

ISOPOR (2008 edition)ISOPOR (2008 edition)
アーティスト:PATO FU
販売元:有限会社大洋レコード
(2009-01-14)
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その中でも日本語で歌唱した異色ナンバーが、「Made In Japan」。Pizzicato Five的なおしゃれサウンド、テクノポップ(フューチャーポップと言ってもいい)的なSF・ロボット的なモチーフを使いながらも、原爆と深刻なテーマを扱い、ある種日本贔屓的な意味合いも感じます。このあたりはやはり、紅一点ヴォーカルのフェルナンダ・タカイ(Fernanda Takai)が、日系ブラジル人であることにも関係しているのでしょう。顔を見ると、日本人以外の血も入っているのかとは思いますが・・・



最新アルバム『Musica de Brinquedo』(2010年)でも、日本語で歌っています。Pizzicato Fiveの代表曲、そして野宮真貴さん(フェルナンダとは共演もしています)のデビュー・アルバムにも収録されていた「ツイギー・ツイギー」を収録。タイトルどおり、「おもちゃの音楽」のような魅力がいっぱいです。

musicaMusica de Brinquedo
アーティスト:Pato Fu
販売元:Rotomusic
(2010-08-30)
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