共産主義陣営からの亡命者または移住したアーティストは数多くいますが、その中でも一番成功したのは、パンクの女王、Nina Hagenでしょう。彼女は1976 年に西側(最初はイギリス)に母と共に亡命しました。

彼女の東ドイツでの足跡を辿ります。彼女の最初のレコーディング音源と思われるのは、1973年の『Solidaritat Geht Weiter(連帯は続く)』と国家主義的なタイトルのアルバムに収録されています。と言っても、Reinhard Lakomy Chor Und Orchesterの「Terra Humanitas」と曲でコーラスとして参加しているだけで、彼女の声がどれかの判別はつきません。

Solidaritat




Michael Heubachが結成したAutomobilはNina Hagen を見出し、1974 年にNina Hagen & Automobilという名義でシングル『Du Hast Den Farbfilm Vergessen(カラーフィルムを忘れたのね)』でデビューしました。いきなり東ドイツのチャート1 位となりました。2003年度の調査では、約4割の東ドイツ人がこの歌を歌えるほど国民に浸透しました。

サイケデリック風のジャケですが、軽快なポップロック。動画では、当時のあどけなさが残るNina Hagenと亡命後のパンクなNina Hagenがミックスされており、パンクの威力を感じます。個人的には前者のNina Hagenの方が好きと呟いておきます。

duhast