四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

カテゴリ: 対談

先生:今回はチャクラについて対談しましょう。YMOが売れた時期、多くのニューウェイヴ〜テクノポップ系のバンドが登場しましたが、チャクラもその一つです。実際に売れたバンドはあまりいませんでしたが、音楽性で今でも十分評価に値するバンドは結構いたと思います。チャクラもそうです。

ポール:チャクラを初めて聴いたのは、徳間ジャパンが最初にCD化したときでした。なので、完全に後追いです。存在自体は、細野さんがプロデュースしたバンド、ということで知ってはいましたけど。メンバーはヴォーカルの小川美潮さん、ギターの板倉文(文明)さんを中心に、他はアルバムごとにメンバーが違ってますね。ドラムの横沢龍太郎さんは1stと2ndに参加、ベースの永田どんべえさんとキーボードの近藤達郎さんは2ndのみに参加。3rdでは、メンバーは二人だけで、他はゲスト扱いになってますね。

先生:当時、ニューウェイヴの一つの方向性として、エスニック、アジア、無国籍というがありましたが、チャクラもその流れだったと思います。

ポール:エスニックのブーム、ありましたね。チャクラは、いわゆる“業界ニューウェイヴ”一派として聴いたんですけど、ジャケや衣装だけがテクノっぽくて、出てくる音は普通のロックンロールだったりするバンドが多い中、惹かれる部分は多かったですね。ただ、“テクノポップ”かと言うとちょっと微妙かなとも思いましたが。でも、板倉さんは「テクノっていう概念はなかった」と言ってましたけどね。

先生:チャクラは渡辺プロダクションに所属していた事もあり、テレビ出演がありました。僕は見ていないのですが、「8時だよ!全員集合」にも出演したようです。こちらは別の番組だと思いますが、チャクラの「福の種」と「せんせい」のメドレーが見れます。ライヴ、生半可でなく上手いですね〜。



ポール:当時テレビ出演した映像は、いくつか見ました。「全員集合」の映像は、知人に見せてもらいましたよ。「福の種」を短いヴァージョンでやってましたね。とにかく美潮さんのかわいらしさにしか目が行きませんでしたね。化粧っ気がなくてナチュラルで、でも不思議ちゃんぽくて、魅力的でした。余談ですが、あがた森魚さんも一時期渡辺プロに所属していて、その頃「芸能人大運動会に出させられた」と言ってて驚きました。チャクラも、そういうタレントっぽいことをさせられたりしたのかな…?と思ってしまいます。

先生:森昌子の「せんせい」のカヴァーを聴いたら、ぶっ飛びますね。オリジナルはどうでもいいですが、この「せんせい」はカッコいいです。

ポール:驚異的に鮮明な画像で、しかも音もいい。すごいものが残ってましたね〜。ベースもギターも素晴らしい。しかし、ものすごいコード使ってギリギリのバランスでアレンジしてますね。さすがに歌いにくそうですけど、見事です。やっぱりうまいバンドですね。

先生:一緒に踊っている観客の若者達に、80年代を感じます。「福の種」で踊るのは、どちらかというと盆踊りのようになりそうですが・・・ ヒカシューのメンバーも観客に混じっていますね。

ポール:ヒカシューのメンバーはノリがいいですからね。この当時の別番組でテクノ御三家が出たときでも、ヒカシュー(巻上公一)とプラスチックス(チカ+立花ハジメ)はボンボン持って楽しそうに踊ってるのに、P-MODELのメンバーはただ傍観しているだけ…という事態もありましたし。

先生:山城新吾さんと芳村真理さんも映っていて、「夜ヒット」の司会で有名だった芳村さんは耳をふさいでいます。やはり、万人に理解される音楽ではないのですねぇ。

ポール:芳村真理さんが「素晴らしい!」とか言ったところで見てるこっちは逆に冷めそうですが…。でもこれは、しかるべきリアクションじゃないかなと思いますけどね。やっぱそうだよね、というか。

先生:そう言えば、先日、田原俊彦がTV出演した歌番組で久しぶりに芳村さんを見ました。
話を戻しましょう。チャクラは3枚のアルバム『CHAKRA』(1980年)、『さてこそ』(1981年)、『南洋でヨイショ』(1982年)を残して解散しました。3枚とも好きですが、2ndは細野晴臣さんがプロデュースしていますが、僕は矢野誠さんプロデュースの1stに思い入れがあります。ほとんど曲を作曲していた板倉文さんの力と小川美潮ちゃんとの化学反応が、素晴らしい。

CHAKRACHAKRA
アーティスト:チャクラ
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さてこそさてこそ
アーティスト:チャクラ
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南洋でヨイショ南洋でヨイショ
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ポール:僕はやっぱりYMO世代しては2ndかな〜。細野さんのカラーが強すぎるとも思うんですけど、ファンとしてはそこがいいなと。細野さんお気に入りの「いとほに」は、“ドレミファソラシド”を“いろはにほへと”に置き換えた歌詞が面白いです。

先生:1st収録の「マヌカン」はビートルズ中期のようなポップなんだけれど、演奏が絶妙にストレンジ!

ポール:1stシングルの「福の種」は音頭ですね。20歳そこそこの娘さんにこんなエロスな歌詞を歌わせるなんて…と思ったら美潮さんも歌詞書いた一人だったりしますね。実は他にも意外とけっこうエロスな歌詞の曲があるんですよね。で、「福の種」を作曲したベーシストの友貞一正(ガンちゃん)さんは、現在は住職さんになられたそうですね。人生わからないものです。

先生:「東京スウィート」は3部構成の8分以上のプログレ趣味が爆発する曲。

ポール:2曲目(というか2楽章?)の「オープンスペース」は、ちょっとフュージョン的なコード進行とかもありますね。2nd収録の「ミュンミュン」もフュージョンしてましたね。最初聴いたときは、同時期の教授を思わせるものを感じました。教授っぽいと言えば、3rd収録の「まだ」という曲。これはモロに教授っぽいポップスで大好き。美潮さんの声って、ヴォーカルももちろんいいですけど、この曲で聴かれるような多重コーラスもすごくいいんですよ。あ、教授と言えば、板倉さんはなぜか教授の『BEAUTY』にギターで1曲だけ参加してるんですよね。意外でした。

先生:聴き直して思ったのですが、ロリータよりも幼い美潮ちゃんの幼児のような声、不思議な言葉遣い、ストレンジな音楽性、でもポップ・・・相対性理論が好きな若者たちに聴いてもらったら、結構受けるのではないかと思います。

ポール:EPIC時代のソロ3作は、エヴァーグリーンなポップスで素晴らしいですよね。チャクラ時代とはまた違った、とっつきやすさがあると思います。そこから入って、チャクラに戻ってズブズブと深みにハマっていく…というパターンもいいかなと思います。

先生:チャクラの後の小川美潮ちゃんについても、また話し合いましょう。

先生:Perfumeの『ねぇ』は予想通り、シングルチャート2位でした。まぁ、『love the world』以降、6枚連続、2位か1位ですから、売れなかった時代を考えれば、上出来と言えましょう。『ねぇ』のレヴューが終わって、「FAKE IT」についても対談しようと持ちかけた時、博士の反応は冷たかったですね。

博士:ブレイクビーツやサウンドエフェクト的な手法が一般的なクラブ系サウンドの中にあって唯一、あくまでもアレンジやメロディーで勝負していたヤスタカですが、最近従来の手の手法にある種「逃げる」様な傾向を感じてならなかったです。

先生:僕は「FAKE IT」は評価しています。Perfume云々と言うよりも、昨今のシングルのチャートというのには、正直、どうでもいい気分なのですが、そんな中、シングルCDの価値を少しでも上げてくれたのではないかと。で、もう一度、博士に「FAKE IT」を聴き直して欲しいとメールしたのです。

博士:「Original Instrumental」を聴いて倒れそうになりました。歌詞が軟弱なので、スルーしてしまいましたが、オケは凄いです。

先生:歌詞は、「〜的な」と女子言葉的なフレーズがやたらと出てきます。まあ、僕も日常的に使いますけどね。

博士:そのまま「War Head♪!!」とか適当な喋りをかぶせたら、それだけで曲として成立しそうな音圧です。

先生:今の人には分かりにくい例えですが・・・まぁ、いいでしょう。

博士:ヤスタカは確実に進化していますね。 「Dream Fighter」はオケだけ聞くと、明らかに唄が無いって感じがするのに対して、「ねぇ」も「FAKE IT」もまるでインスト曲として成立します。

先生:CD時代になってからは、B面と言うよりもカップリングと言うべきなのでしょうが、PerfumeのB面というのは、歴代見てみると、結構いいです。捨て曲ではなく、実験をしたり、A面にはしにくいけれど、Perfumeらしさを出そうという意図を感じます。

博士:結構「泣ける」曲が多かったりしますしね。

先生:「wonder2」とかね。先日、東京ドームのライヴをWOWOWで見直しましたが、初期なら「ジェニーはご機嫌ななめ」「Perfume」「コンピュータードライビング」等は今もライヴで盛り上がる曲です。

博士:独特の振り付けも期待できそうです。

先生:「FAKE IT」は立ち位置としては、「edge」とかに近いのかと。どちらにしても、Perfumeはカップリングも含めて楽しめます。全然関係ないですが、のっちって提灯ブルマが似合います。

先生:ハルメンズ→8 1/2→野宮真貴と行きましたが、ここではハルメンズにも関連するゲルニカについて語り合いましょう。

ポール:とりあえずメンバー紹介させていただきます。まずヴォーカルの戸川純さん。当時は女優のタマゴで8 1/2のファン。自ら作った上野耕路氏のファンクラブのただひとりの会員でした。ハルメンズが解散し、予定していたPhewのプロデュースも坂本教授に奪われ、さてこれからどうしようと思っていた時、久保田慎吾氏に聞かされたテープに入っていた、戸川さんが歌う「蘇州夜曲」に衝撃を受け、戸川さんをこのユニットに誘った張本人、上野耕路氏。作曲とすべての演奏を担当。そして、作詞とアートワーク、あとコンセプトメーカー的な役割も担っていたと思われる太田螢一氏の3人。太田氏の名前で思い出すのは、坂本教授が「サウンドストリート」で「オオタキ・エイイチじゃないですよ、オオタ・ケイイチですからね」と言っていたことですね。妙に耳に残ってます。

先生:ポールさん、記憶めちゃくちゃいいですね! ゲルニカの動画を探してみたんですが、結構出てきます。高橋幸宏・細野晴臣両氏がゲルニカを紹介するという貴重な動画があります。これはゲルニカとして初TV出演だったようで、戸川純ちゃん以上に上野耕路氏がどう見ても挙動不審。「蘇州夜曲」をちょっとだけやって、「復興の唄」へと・・・いや、戦後を思い出します。



ポール:この番組、リアルタイムで見てましたよ。たしか同じ番組でホストが違う回もあったと思うんですが、そっちは盛り上がってるんですよ、普通にワーッて。でも細野さんと幸宏氏のときは、客席が妙に静かで、異様な雰囲気でした。正直、見ててつらかったような記憶があります。というか、どう受け止めていいかわからなかったのかもしれないですね。笑っていいのかいけないのか。ギャグっぽいことやっても、ドッとウケるわけでもないし、ドヨドヨ〜…と周りを気にしつつ笑う感じというか。誰かが「YMOのライヴは職員室に行く感じ」と言ってた人がいましたが、それに近いのかもしれない。上野氏のしゃべり方は、『音版ビックリハウス ウルトラサイケビックリパーティー』のときと一緒ですね。あれは作ったキャラじゃなかったんだな。

先生:現在、ゲルニカのカヴァーした「蘇州夜曲」は、CD Box『GUERNICA IN MEMORIA FUTURI 〜ゲルニカ20周年記念完全盤〜』(2002年)に収録されていますが、このBoxは家宝にしたいです。ゲルニカの3枚のアルバム『改造への躍動』(1982年、)『新世紀への運河』(1988年)、『電離層からの眼差し』(1989年)に未発表音源も含めたまさにゲルニカの集大成です。

GUERNICA IN MEMORIA FUTURI~ゲルニカ20周年記念盤~GUERNICA IN MEMORIA FUTURI~ゲルニカ20周年記念盤~
アーティスト:ゲルニカ
販売元:インペリアルレコード
(2002-12-04)
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ポール:僕の持ってるのは、もうプラケースになってる再プレス盤のやつでした。それでも入手困難でしたね。ライヴとかデモ音源とかリハーサル音源まで入ってて、素晴らしいですね。

先生:これが出る前、「蘇州夜曲」聴きたさにCRAGALE RECORDSからの『NEO POPS 1982』というCD(CD-R)を買いました。これは夢音で行われたライヴ録音テープをCD-R化したもので、トイレットペーパーのパッケージがジャケです(笑)。

neopops1982


ポール:あの三軒茶屋のインディーズ系レコード屋、FUJIYAMAのページに載ってますね。

先生:シングルになった『銀輪は唄う』はちゃんとPVもあるんですね。当時、見た覚えがないのですが、作詞作曲編曲、演奏、歌唱、映像、全てにおいて完璧と言える作品だと思います。ただ、懐メロっぽい曲を作ってみたとかいうレベルではなく、聴く者を時代に吸い込む力がありますね。

ginrinwautau




ポール:このシングル、最初に聞いたときは「あれ、シンセじゃないのか〜」と、ちょっとガッカリした覚えがありますね。でも、今でもデモテープをそのままレコード化してしまった『改造への躍動』(歌は録音し直してあるそうです)に対して、「やっぱり新録したかった」と言う上野氏が、本当にやりたかったことはこっちなんでしょうね。よく神保町に行く自分にとっては、B面「マロニエ読本」のほうが好きだったりします。歌詞がまたいいんですよ。

先生:この曲が使用された「スイートキッス」のCMは見覚えがあります。ゲルニカのようなマニアックな志向のユニットがCMに使われたのは画期的です。この時代、セブンアップ飲料という会社名ですね。



ポール:これ、リアルタイムでは見た覚えがないんです。ただ、¥ENレーベルのファンクラブ「¥EN友会」に入ってまして、そのファンクラブのイベントで¥ENひるがた会(¥ENゆうがた会に当選しなかった人たちのための追加公演)ていうのがあったんですよ。そこでビデオ上映会があって、そのとき初めて見たような記憶がありますね。上野氏のアップのとき、客席で笑いが起こってました。

先生:ゲルニカの3枚のアルバム、やはり、¥ENからリリースされた1st『改造への躍動』が時代的にもテクノ度一番高いですね。2nd以降のオーケストラ・アレンジも好きですが・・・

改造への躍動(紙ジャケット仕様)改造への躍動(紙ジャケット仕様)
アーティスト:ゲルニカ
販売元:Sony Music Direct
(2006-02-22)
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ポール:『改造への躍動』は、リアルタイムで買いましたよ。でも当時小学5年生ぐらいで、何だかよくわからなかったんです。前例がなかったですし。でも抵抗もなかったですけどね。「カフェ・ド・サヰコ」はテクノっぽくてすぐ好きになりましたね。しかし、1stをリリースした1982年当時の3人の年齢、戸川さんが21歳、上野氏が22歳、太田氏が25歳、ってなんなんでしょう。上野氏はもっと年上かと思ってたんですけど、戸川さんのひとつ上だったんですね。22歳であんなものすごい曲書いてたなんて、とんでもないっスねぇ。2ndと3rdも濃くて好きですけど、思い入れも含めて1stがいちばん好きですね。

先生:ゲルニカって、大好きなんですけど、同時に聴き過ぎると、精神的にふっと落ち込んでしまいそうな魔力がありますね。「潜水艦」とか(笑)。当然、それも含めてゲルニカの良さだと思うんですけど。

ポール:2ndと3rdは特に、鑑賞するような感じでかしこまって聴いちゃうような、堅苦しさがありますね。1stとの違いはなんなんでしょうね。戸川さんがうまくなりすぎたからかな?

先生:最後に、ゲルニカの公式サイトを紹介しておきます。太田螢一氏のアートワークも含め、カッコいいサイトです。

ポール:おぉ。「サウンドール」に載ってた太田氏の連載漫画を思い出しますね。いやー、好きですね、太田氏の気持ち悪良いイラストは。ヒカシューの『うわさの人類』とか、少年ホームランズ『少年ホームランズ』、やぎ『IL NEIGE』それぞれのジャケ、みんな好きです。一度見たら頭から離れないインパクト。戸川さんがゲルニカに対して「まったく後継者がいない」と言ってましたけど、太田さんの画風もそうですよね。まったく独特。

先生:tetsuさんには大阪か東京で会う事が多いですが、名古屋は本拠地ですよね。

tetsu:今は名古屋ですね。どこの方ですか?とかよく言われますけどね。

先生:じゃ、しず風に続いて、名古屋の原奈津子ちゃんのお話をしましょう。彼女にはAll Aboutでインタヴューさせてもらいました。正確には、彼女の出身地は、日本のデンマークと呼ばれる安城市ですけど。

tetsu:デンマークだったんですか(笑)。ご本人から聞いた記憶があったようななかったような・・・
ご本人は、I LOVE安城っぽいMCをされることもあります。私自身、安城に行ったことは、今年AKBの総選挙を映画館に観に行ったことぐらいで、それ以外ないです。名古屋の映画館がいっぱいだったので行っちゃいました。

先生:彼女の所属サークルは、誉天満宮(凄い名前!)ですが、そこからは『HOMA-10』(2010年)というアイドル満載のオムニバスCDも出ていますね。ここには他にテクノポップ系アイドルはいるのでしょうか?

homa10


tetsu:今は『HOMA-10+』という続編も出ています。でも、テクノポップアイドルと言っているのは、ハラナツさんだけです。ONE★TOPPSも月の華三姉妹Rwも解散しちゃいましたし・・・ 基本そのアルバムの作曲された曲はテクノポップ調ですよ。

homa10plus


先生:今まで、『シンデレラガール』『スキップLaTaTaTaTa♪』『Shooting☆Star』がリリースされていますが、僕は2ndの『スキップ・・・』が一番好きかな。
tetsuさんは? 彼女の場合は元気あふれる歌い方に特徴がありますね。どちらかと言えば、80年代的。

skiplatatatata


tetsu:「I wish you're here」が好きです。いちばんカッコよくないですか?

先生:見逃していました! なかなか奈津子ちゃんらしい曲。前述の『HOMA-10』に収録されている曲ですが、公認非公式PVもありますね。



ライヴは、Zoo Stationと言うハコを中心にやっているみたいですね。僕は言ったことないのですが、どんなハコですか? ここは誉天満宮が所有しているんですか?

tetsu:小さな商業ビルの最上階にあるほんと小さい箱です。誉天満宮でなくて、主にハラナツさん等の作曲しているTAKUYAさんが店長やっている店というだけだと思います。たぶんですが・・・

先生:インタヴューでも質問したのですが、岐阜ラジオでレギュラーパーソナリティをしているとの事ですが、聴かれた事はありますか?

tetsu:すみません。ほんと私、ラジオとかあまり興味ないんです。ライヴの現場さえあれば満足なもので・・・ 今もあるのかなぁ・・・

先生:彼女のプロフィールを見ていると、ちょっと変で、面白いのかなと。
例えば・・・
最近ハマっているものは? フラフープ・本気ハンカチ落とし
Sですか?Mですか? どMです!でも最近?ww
○○なタイプです 天才と変態の間・・・とか


tetsu:ハラナツさんはですね。黙ってると、ほんとカワイイというかキレーな娘なんですよ。モデルのお仕事だって普通にやってますしね。振付も自分でやってるみたいですし、彼女からは、これまでと違うアイドルの姿を見せてやるっていう意気込みを感じるんですよ。 素の原奈津子なのか作っているのかわかりませんが、残念キャラというかコミカルなキャラを全面に出してやってるわけですよ。単純に凄い娘だなって思いますよ。普通じゃないですから。普通「奈津子サイテー」コールを要求するとか有り得ない(笑)。

先生:好感度がアップするいい話をありがとうございます。期待が膨らむ奈津子ちゃん。
では、次のテクノ系アイドルさんを紹介してください。まだ、名古屋系はあるんですか?

tetsu:もうそろそろ、大阪に行っちゃいましょう。次はMari7さんです。

先生:あ、tetsuさんも居たTECHROCKで僕もちょっとだけお会いしたMari7ちゃんですね。

博士:いよいよ出ました『ねぇ』 。
しかし、今年になってペースが速いですねぇ。

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先生:(ちょっと嫌な予感)

博士:毎回注目のPVはなかなかの秀作ですねぇ。
シンプルながらシックな色調で統一された非常に綺麗な仕上がりねぇ。
前回の「VOICE」がキッチュな感じを狙うあまり、ちょっとチープな印象になってしまってたのに対し、かえってクールに決まりましたねぇ。
色調の統一は前々作「不自然なガール」にも通じますねぇ。



先生:(ちょっとうざい)
NATURAL BEAUTY BASICというスポンサーの意向もあるとは思いますが、原色が無い色使いが季節感も醸し出しています。今年の冬はピーコートが町に溢れそうです。ミリタリーに限りませんが、基本的に制服っぽい私服は好きです。

博士:アーティストの複製が登場するのはマドンナの「Frozen」やカイリー・ミノーグの「Come Into My World」などを思い起こさせます。クルクルとオルゴール人形の様に踊るPerfumeは実に可愛い。

先生:カイリーの「Come Into My World」のPVは、僕も大好きです。和製カイリー、片瀬那奈の「Babe」のPVでは複製はありませんでしたが、カイリーをオマージュしていました。
東京ドームでも披露した「ねぇ」のダンスは見ごたえがありました。3人でないとできないし、難易度もかなりアップしています。

博士:そうです、あ〜ちゃんも言ってた「アルゴリズムたいそう」ダンスですね。座った状態から体制を変えずに一気にすっと立ち上がったり・・・一見地味な動きですが超人的なテクニックを要するんですよ。 間奏の超高速ステップも見逃せない。

先生:NHK教育の「ピタゴラスイッチ」のアルゴリズムたいそうって、CDまで出ているんですね〜。Perfume ver.よりも簡単そうですが・・・

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アーティスト:いつもここから
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博士:ただ映像処理的には最後の詰めがやや甘い気もしました。合成の切り代わりがややブツ切りな感じがする点。せっかくならシームレスな感じで虚像が増える仕掛けとか、虚像が作ったブリッジの間を実像が潜り抜ける・・・とかまでやってほしかった。

先生:中田ヤスタカは「ねぇ」というフレーズが好きですねぇ。
「Dream Fighter」では・・・「ねぇ みんなが言う普通」
「575」では・・・「ねぇねぇ今なにしてるの?」
と、「ねぇ」が良く出てきます。
「ねぇ」って日本語独自の表現で、英語などでそれに相当する言葉が思い浮かびません。
Google翻訳すると「Hey」とか出てくるけど、「ねぇ」の甘えている感じがない。でも、「Honey」でもないし・・・

博士:サビは「plastic smile」、Aメロ〜Bメロは「Dream Fighter」に近い感じですねぇ。

先生:自己循環してしまうのは、しょうがないでしょう。要所要所でエレクトロな音を混ぜつつ、ポップスとして綺麗に成立しています。フラゲの日、11月9日づけで、2位。1位は嵐ですが、最近のチャートは嵐とAKB48で占領されているのが、今の日本の現状ですねぇ。

先ずはCMです。


東京ドーム公演「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11」(2010年11月3日)セットリスト

01. シークレットシークレット(2009年)
02. 不自然なガール(2010年)
03. GAME(2008年)
04. ワンルームディスコ(2009年)
MC
05. ナチュラルに恋して(2010年)
06. love the world(2008年)
07. I still love U(2009年)
08. 575(2010年)
着替え
09. Perfumeの掟
10. VOICE(2010年) 
11. コンピューターシティ(2006年)
12. エレクトロワールド(2006年)
MC
13. パーフェクトスター パーフェクトスタイル(2006年)
14. Dream Fighter(2008年)
15. The best thing(2008年)〜セラミックガール(2008年)〜lovefool(2010年)
16. ジェニーはご機嫌ななめ(2003年)
17. コンピュータードライビング(2005年)
18. Perfume(2006年)
19. チョコレートディスコ(2007年)
20. Puppy Love(2008年)
21. wonder2(2006年)
<アンコール>
MC
22. ねぇ(2010年)
23. ポリリズム(2007年)  

先生:前回の対談でPerfumeが5万人キャパの東京ドームを埋め切れるのかと余計な心配をしながら話し合いましたが、見事にドームは埋まりましたね。

博士:今回は流石に5万人動員とあってか、なかなか知った人に出会わなかったですね。この年になると時間がたつのが早いのかコスプレーヤーもかなり入れ替わっていました。

先生:確かに。かしゆかのソックリさん(以前、All Aboutに出て頂いたちなゆかちゃんとは違う方)はクローンのように似ていましたね。

博士:オープニングから凝った演出で来ましたね。花道最端からせり出すやまるでウエディングドレスのような純白のドレスで花道をまるでヴァージンロードの様に歩いていく。中央のテントまで到達するとテントはぱっと散って演奏スタート。衣装はまるでリメイクされたかっこいいコスチューム。『TRON』を思い出しました。

先生:選曲的は、最新アルバム『トライアングル』は少なめに、メジャーデビューから最新シングルまでバランスをとっていましたね。個人的にはトリの「wonder2」とCM曲「lovefool」などが嬉しかったです。

博士:タイトルからしても、今までの活動の集大成という感じですね。ちょっと間隔があきましたが、今までのツアーの千秋楽という解釈も出来るでしょう。球場はすさまじいですね。カメラがアーティストにパンしても背景から観客が見切れない。人の海というより人の壁。オリンピックスタジアムのEL&Pを思い起こしました。往復音速で1秒位ずれるのでアンコールのタイミングが合わないんですよ。本当に驚異ですね。

先生:ドームでは、よっぽどいい席でない限り、Perfumeメンバーは肉眼では誰かの区別もつきにくいくらい点になってしまいますが、それを克服しようとする創意工夫がありましたね。会場は、正面にあるメインステージの大きなモニター、中央の立体的に配置されたモニター、周囲のモニターとモニターで張り巡らされていました。

博士:今回の演出で一つ気が付いたのがモニターを単にライヴ映像の拡大するためだけでなく、演出として使用しているという点。これは前回のアリーナ、代々木でも箱に仕掛けたモニターに写る虚像にメンバーの様に絡むという演出が斬新だったのですが、今回はその意図がより具体的でした。

先生:「575」までは割と淡々と流れて行きましたが、その後に来ましたね!

博士:毎回お馴染みに着替えコーナーでは、2007年にやった「感謝!感激!ポリ荒らし!〜あらためまして、Perfumeです〜」でやった「Perfumeの掟」が帰ってきました!

先生:「Perfumeの掟」は嬉しい誤算でした。あのマネキンが出てきたときに、「まさか」と思ったのですが、その「まさか」でしたね。モニターにもYasutaka Nakata (capsule)のクレジットが表示されましたね。その前のインストはクレジットが無かったので、他の人かと思いますが、聴き覚えがありません。

博士:かしゆかのソロダンスではモニターに移った等身大のかしゆか映像がまるでバックダンサーの様にフォローし、以前から気になっていたバックダンサーの必要性に対するPerfumeなりの回答だと思いました。

先生:歌わないで踊るだけのPerfumeって、演出がよければ、十分楽しめます。あ〜ちゃんがレーザー機関銃で客席に銃を向けるシーンは、本当に素敵な演出でした。撃たれたかった。

博士:正面の一番大きなモニターはモニターではなく完全に正面から撮影したときの背景として使用されており、エレクトロワールドではお馴染みのPVから人間を消去した背景ヴァージョンだったのが印象的でした。

先生:この手があるかと感心しました。PVの出来がいいPerfumeだからこそ出来る技です。

博士:この演出は今後もっと積極的に使用したら面白いのではないかと私は考えます。例えば、花道最端には2枚の等身大モニターが設置されて、そこに残り2人のメンバーの虚像が投影され、絶えず3人のフォーメーションが花道最端で存在するとか。生演奏では不可能ですが、秒単位まで演奏サイズを特定できるPerfumeのスタイルでは作りこめば可能な演出だと言えるでしょう。

先生:他の最近のドーム・ライヴを見ていたら、比較した上での考察ができたのですが、期待を超えてくれた部分も多かったです。

博士:サインボール蒔き、ゴンドラ乗り等々、アイドルのライヴでのエンターテーメントをよく研究して来た感じもします。 近未来3部作前後からの往年のファンにとって「アイドル化への危惧」みたいなのが毎回のテーマでしたが、「アイドルなんだ!」と割り切ってみるとこれはすさまじい破壊力を持ったアイドルという事になります。

先生:以前の対談で「純粋に一つの頂点を狙った記念公演的意味合いの方が強いのだと思います」と発言しました。確かに、あ〜ちゃんが泣いたりすると、その意味合いも感じましたが、同時にドームという難関をトータルな演出で楽しませようというPerfume及びスタッフの意気込みも伝わり、いい結果になっていたと思います。

博士:で、マカオで開催される「Mnet Asian Music Awards」には行くのですか?

先生:Perfumeに以前から世界進出をするべきだと主張している僕としては、スケジュールが合うのなら行きたいのですが、その日はあいにく用事あって無理です。まぁ、今後の展望についてはまた日を改めて話し合いましょう。

先生:tetsuさんのご指名で名古屋のしず風のお話を伺いたいと思います。
今日は全く予備知識がないので、聴き役に回ります。アイドルユニットの名前というよりも、旅館か料亭のような名前ですね〜。エアコンの送風モードのようでもあります。

shizukazetetsu:しず風さんは、ジュニアアイドルで、中学2年生の真野しずくちゃんと中学3年生の立花風香ちゃんの2人組のユニットで、しずくと風香でしず風さんです。

先生:なるほど。ユニット名から、メンバーチェンジをしない決意を感じます。まぁ、名前まで引き継げば、メンバーチェンジは不可能ではないですが・・・

tetsu:(笑)名前そのまんまですから、その指摘は間違いないですね。

先生:公式ページに「コミカルなダンスとおバカなトークを武器としている」とありましたが、トークはどれくらいおバカなんでしょう?

tetsu:あの頃の年代の女の子のユニットって、だいたいグダグダじゃないですか? 地下の世界ではたぶん普通です。最近30分以内のライヴがほとんどなので、トーク少なめ、曲多めです。ダンスはコミカルというか、可愛らしい振付で僕は好きなんですけどね。PVやライヴ映像を見ていただければわかります。
11月3日には昼間に両国でまなみのりさと2マン・ライヴやるので非常に楽しみにしています。Perfumeのドームの日です。

先生:11時半開演ですから、これを見てから、ドームでPerfumeを見ろという事ですかね。
CDのリリースは現在『ドキ☆ドキ パニック/ドッキュンLOVE』だけですね。期待しないで聴いたのですが、「ドキ☆ドキ パニック」はなかなかイイじゃないですか! がんばって作っている感じが出ています。

tetsu:なかなか中学生の曲っぽくていいですよね。ライヴでは、うる星やつらの「宇宙は大変だ」の山本梓バージョンのオケだと思うんですが、カヴァーをしていますし、キテレツ大百科の「はじめてのチュウ」のカヴァーをしています。なかなかそれも良いです。なかなかおっさんホイホイな選曲で素晴らしいです。

先生:PVを見ていると、アイドルというよりも純朴な親戚の小学生(あ、中学生でしたかね)を見ているような気持ちになります。



tetsu:小学生からジュニアアイドルをやってるだけあって、グラビア系のDVDも結構やってるので、僕自身は本人自体に純朴というイメージは全くないですが、このPVはほんとにそう見えますね。実際、物販とかで話しても普通の中学生ですよ。東京の大手事務所のプロ魂を植え込まれた同世代のアイドルから比べればさすがに純朴かもしれませんが・・・

先生:こちらのしず風のライヴ画像ですが、一緒に出てくるのは同じ事務所の「絆」という3人組アイドルですね。絆、面白い、空手ダンスだ!



tetsu:特にこのオープニングが、絆がいることによって非常にアガるんですよ。結構カッコイイんです。ほんと、しず風さん良いので是非ライヴ行ってみて下さい。

先生:名古屋は人口も多いし、独自の文化を育んでいそうですから、まだありそうですね。次のご指名は?

tetsu:次は、以前All Aboutでも先生がインタヴューしていた原奈津子さんです。

先生:ハラハラ原奈津子さんですね。

先生:今日は、ハルメンズと共に再発された『ピンクの心』(1981年)の野宮真貴さんについて話し合いましょう。後にPizzicato Fiveの一員として野宮真貴さんはガーリィ教の教祖ような存在になるのですが、ソロ・デビュー時代の野宮さんはとってもボーイッシュ。

ピンクの心+2ピンクの心+2
アーティスト:野宮真貴
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2010-10-20
クチコミを見る


01. 女ともだち
02. モーター・ハミング
03. フラフープ・ルンバ
04. シャンプー
05. 原爆ロック
06. 船乗りジャンノ
07. 17才の口紅
08. 恋は水玉
09. 美少年
10. 絵本の中のクリスマス
11. ツイッギー・ツイッギー
12. ウサギと私
13. ピンクの心
14. レモンのキッス (1981ライブ)*
15. モーター・ハミング (1981ライブ)*
*ボーナストラック

ポールさんが好きなオリジナルのジャケの野宮さんは、アイドルっぽく写っています。でも、当時鉢巻きするのって流行っていたんですかね。スターボーも3人そろって鉢巻きでしたけど。あんまり周辺の一般人の間では見かけませんでした。

pinknokokoro


ポール:今回は再発にあたってジャケが変わってますけど、アナログの、ピンク色の帯も味があるんですよ。あ、ジャケの野宮さん、確かに言われてみればスターボーっぽい。でもどっちかって言うと、アイドル+鉢巻きって言うと、ジャニーズ系アイドルのイメージが強いですけどね。光GENJIとか。だいたいパロディーで80年代の男のアイドルをやるとなると、鉢巻きでモコモコ頭で笑顔でガッツポーズする、ていう印象がありますけど。

先生:確かに鉢巻きと言うのはジャニーズのイメージですね。マッチとか。
以前のライナーノーツからの受け売りですが、最初は“いぢわる少年団”というガールズバンドを結成して、それが“パズル”になって、EAST-WESTのレディース部門で準優勝したとか。

ポール:僕が持ってる『ピンクの心』のアナログは見本盤で、「野宮“ロマン”真貴プロフィール」っていう手書きのメモのコピーが入ってたんですよ。それによると、“いぢわる少年団”は野宮さんが18歳のときで、女の子ばかりの5人組のハード・ロック・バンドだとか。“パズル”は、“いぢわる少年団”からメンバーチェンジをして発展結成、と書かれてます。アルバムのクレジットで、コーラスの欄に「パズル」て書いてありますけど、これはパズルのメンバーということなんでしょうかね。さすがに音源は残ってないでしょうね。

先生:ハルメンズの「お散歩」ではリードヴォーカルをとっていますが、これがリードヴォーカルとしてはリリースデビューでしょうかね?

ポール:だと思います。ハルメンズの1stと、そのあと参加した“Skin”ってバンドでは、両方ともバック・コーラスですし。

先生:えっ、Skinのバックやっていたんですか!佐久間正英さんがプロデュースしたバンドですね。『満足できない』(1980年)というシングルは持っているのですが、これじゃないですね。
野宮さんは、このアルバムについて「自分のソロの中では、一番好き」ってコメントしています。同時にこのアルバムに関わった鈴木慶一さん(ずっとProduceだと思っていましたが、Directed byとクレジットされています)が「僕が関わった女の子のアルバムで2枚だけ気にいったのだがあるんだけど、それが『ピンクの心』と杏里の『悲しみの孔雀』なんだ」とコメント。相思相愛のアルバムです。

ポール:いいですね。「昔のことは言わないで」「恥ずかしい」とか言う人いますけど、それはこっちとしても悲しいですし。

先生:聴き直してみると、当然ムーンライダーズ色が強い(「女ともだち」「ピンクの心」)のですが、ハルメンズ色も負けず劣らず。ハルメンズ曲の「モーター・ハミング」は当然ですが、太田啓一(螢一)=上野耕治両氏の後のゲルニカコンビによる「原爆ロック」は、戸川純ちゃんが歌っても違和感がない曲です。

ポール:「美少年」を聴いたとき、「あー、これはライダーズっぽいなー」と思ったんですが、これ、松尾清憲さんの作曲だったんですね。GSと歌謡曲とパワーポップが一緒になったような、懐かしい曲調で好きですね。ちょっとタンゴ・ヨーロッパの「ダンスホールで待ちわびて」を思わせる感じもあったり。それにしても「原爆ロック」はビックリですよ。まんまゲルニカの音ですもん。「モーター・ハミング」は岡田徹さんのアレンジで、スカっぽいリズムだったりしてまた違った魅力がありますね。サビからAメロに戻るときの転調の浮遊感というか、思わず唸ってしまう感じが、たまらんチ会長です。

先生:佐藤奈々子さんが作詞作曲した「ツイッギー・ツイッギー」は、後にPizzicato Fiveの代表曲になります。このアルバムはプレゲルニカであり、プレピチカートでもある、日本のポップス史上重要な実験的なアルバムなんだと、勝手に思っています。

ポール:なるほど。僕は、ピチカートはノンスタンダード時代しか聴いてないんですよ〜。なので、初耳でした。たしかにツィッギーは、ピチカートにも通じる重要なアイコンのひとつと言っていいかもしれないですね。

先生:話は逸れますが、科学万博「EXPO '85」電力館テーマソングだった「すてきなラブ・パワー」は冨田勲氏の作品ですが、ヴォーカルは野宮真貴さんです。冨田作品としては最もポップな曲ではないでしょうか?

ポール:YouTubeで初めて聴きました。シンセは冨田さんらしく壮大でスペイシーな感じですが、こんな歌モノもあるんですね。意外。野宮さんのヴォーカルが、すごくアイドルっぽくていいなぁ。

先生:では、予告通りNegiccoです。NegiccoについてはAll Aboutテクノポップの「'08年Post Perfume〜アイドル編」で書いたのですが、もう少し掘り下げてみましょう。NegiccoはCDデビューこそPerfumeに1年遅れましたが、地方アイドルの老舗ですね。

tetsu:もう8年目にもなるんですよねぇ。

先生:Wikipediaの「ローカルアイドル」の中部地方のリストに掲載されています。中国地方には、Bachicco!(ばちっ娘!)というのもいますね。 あと、レースクィーン集団でDegiccoというのもいましたね。

tetsu:先生勉強家です。わからないですし、覚える気にもならないです(笑)。けど、こういうの掘ってると楽しいですよね。時間を忘れます。

先生:Degiccoはたまたまフレンチ系のイベントで見る機会があったので、知りました。サエキけんぞうさんが詞を提供しています。
Negiccoはconnieさんが手掛けるようになって、テクノポップに接近し、オシャレ度が上がったと思います。 僕はNegiccoの存在は知っていたものの、実際音源を聴いたのは2008年の「My Beautiful Life」あたりからです。テクノポップ度も一番高いですし、曲としてもがんばって作っているなぁと。tetsuさんはどの時期からNegiccoに注目したんですか?

tetsu:一応、知ってはいましたが・・・私もあんまり変わらないです。PerfumeのGAMEツアー新潟で初めて見て、その後、「My Beautiful Life」が素晴らしすぎて、次のシングルの圧倒的なスタイルも良くって、思わずファンになっちゃいました。

先生: connieさんが手掛けた「ネギさま!Bravo☆ 」は、夏向けラテン風。実は、ラテン風アイドルポップは、テクノかどうかは別にして、一つのジャンルとして好きなんです。「スウィート・ソウル・ネギィー」は、キリンジの「スウィートソウル」っぽいタイトルですが(笑)、こちらもポップスとして完成度が高いです。

tetsu:両方共イイ曲です。「ネギさま」の方は、初披露がGyaoの収録で、ヌキ天という4週合格で全国デビューって番組なんですが、4週目の3回目行ってたんですが、全然テクノじゃないけど良曲で、ほんと全国デビューが決まった瞬間は感動的でした。





先生:割と最近ですが、2010年7月に、『プラスちっく☆スター』というシングルをリリースしています。タイトル曲の「プラスちっく☆スター」は、タイトルからはテクノポップ路線を感じさせますが、少しアイドルソング寄りになったと感じます。 クレジットを見ると、connieさんじゃないのですね。tetsuさん的にはこの変化はどう思われますか?

プラスちっく☆スタープラスちっく☆スター
アーティスト:Negicco
販売元:U’s MUSIC
発売日:2010-07-09
おすすめ度:5.0
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tetsu:やっぱNegiと言えば僕にとってはconnieさんというイメージが強いですから、ずっと変わるとするとショックかもしれないですが、今回全国デビューの為に、1枚だけって半分わかってますから、connieさんじゃなくても「そうなんだ、たまにはいいんじゃない?」って思っています。

先生:カップリングの「Go My Life」の方はいいのですが、「ねぎねぎROCK」は僕にはちょっと辛いかな。

tetsu:確かに音を聞いてるだけじゃ辛いかもしれないですね。割とライヴだと聞けるんですよ。彼女らほんとステージング上手いですよ。さすが8年目って感じですね。

先生:Negiccoもやはり新潟までライヴを見に行ったのですか?

tetsu:別の人のライヴのついでにですが、新潟では2回しか見たことないです。あとは東京ばっかりですね。しょっちゅう東京来てますしね。そういえば、また東京の浅草まつり湯でライヴあるって話です。他のライヴもいいんですけど、スーパー銭湯の座敷の宴会場で、昼間から、飲みながらくつろぎながらNegiccoのライヴがみれるっていうなかなか他にはない素晴らしいモノなので是非見に来て下さい。

先生:他にテクノな地方アイドルっているんですか?

tetsu:何をいってるんですか(笑)! テクノなアイドルは、東京だけだと割と少ないですよ。次いきますよ!!

先生:失礼いたしました(笑)。じゃ、新潟から南下してください。

tetsu:次は名古屋でしず風さんです。

先生:前回の予告通り、地方アイドルのひとつ、テクプリについて話し合いましょう。地方アイドルは、ローカルアイドルとか略してロコドルとか呼ばれるらしいですが、その呼称はどのくらい一般化しているのでしょうね。 ちなみにロコドルは、「NHKポップジャム」で2004年につんく♂氏が命名したようですね。

tetsu:ロコドルって言い方、一般的にはなったと思いますが、東京中心の考え方って感じがして、どうも好きにはなれないです。

先生:もともと、ロコってハワイ州で生まれ育った人達を指す言葉ですから、ハワイのアイドルみたい。アグネス・ラム(笑)。
地方アイドルを北から南下していくというのが、今回のテーマですが、北海道苫小牧市にTouchというアイドルがいるそうですが、彼女達はテクノアイドルではないのですかね? 「キラキラ海岸」という曲名からちょっと期待したんですけど。

tetsu:Touch・・・懐かしいですね。結構前から活動してたと思いますが、曲調は全然違いますよ。
あと北海道には、Creamっていうアイドルいたんですが、J-EUROというか90なパラパラな曲調なので今回は外しました。

先生:北に行きすぎますが、Creamってアイドルユニットがロシアにいたような記憶があります。上記の情報はWikipediaの「ロカールアイドル」から引っ張ってきたのですが、東北には結構な数の地方アイドルがリストされています。
でも、テクプリが載っていない・・・

tetsu:ただ、テクプリヲタが更新してないだけじゃないんですか(笑)。

先生:tetsuさん、更新さぼったらダメじゃないですか(笑)。
テクプリはテクノプリンセスの略なんでしょうか? 英語表記はt.c. princessとなっていますが・・・

tetsu:Tは「東北」「テクノ」、Cは「Cute」「Chance」「Challenge」の意味です。

先生:t.c.で「テク」って読むんだ! テクプリはデビュー時から5人組と認識していたのですが、最近の写真を見ると、4人しか映っていないようです。一人、脱退したのでしょうか?

tetsu:理由はよくわかりませんが、ついこの前にNATSUKIちゃんが抜けたようですね。僕も最後に見たのは5人です。このくらいの年齢の女の子達は受験や進路で引退すること多いです。

先生:初期のリリースの4曲はiTune Storeのみのリリースですね。「テディベアとパスワード」「渋谷Twinkle Planet」(以上、2009年11月)、「チョコレート☆ディスティニー」「ムーンライト・フラッシュ」(以上、2009年12月)の4作品がリリースされていますが、iTunes配信はさすがに複数買いはしていませんよね(笑)。

tetsu:さすがにそれはないです。発売してすぐ飛びついて買っちゃいましたが、複数買いはないです。楽曲プロデューサーがトベタ・バジュンだけあって、ローカルな臭いは一切しない。

先生:トベタ・バジュンさんのアルバム『青い蝶 』(2008年)って凄いゲストですね。坂本龍一さん、高橋幸宏さん、大貫妙子さん等錚々たるメンツ。しかもテクノポップ色が強い!
配信4曲の中では、「チョコレートディスコ」ではなく、「チョコレート☆ディスティニー」が一番印象に残りました。基本的に、僕は食べ物(飲み物)ソングが好きなんです。「ピンクのソーダ」もね。

chocolatedestiny


tetsu:えぇ〜!? どこかと誰かを足した様なタイトルはどうかと思います。曲は好きですが・・・

先生:堂々としていていいじゃないですか(笑)? 「ディスコ」に似ている言葉から「ディスティニー」しかないと考えて、このタイトルにしたと勝手に思っています。『FIRST DATE』というタイトルでデビューCDもリリースされましたね。ジャケとは違うのですが、公式サイトでのコスが、大阪のportableを思い起こさせます。

firstdate


tetsu:portable・・・懐かしいですねぇ・・・結局見れずじまいだったんですよね。噂は聞いてて、音も中田ヤスタカヲタっぽくてイイ思ってるうちに何時の間にか解散しちゃいましたよね。一度でいいから見たかったなぁ

先生:配信もされた「渋谷Twinkle Planet」はタイトルからも想起できる渋谷系を意識したような曲調。仙台なのに渋谷(笑)。仙台ということで、ご当地ソングのカヴァーもありますね。仙台城という別称もある青葉城をテーマにしたさとう宗幸の「青葉城恋歌」・・・

tetsu:なんなんでしょうねぇ。仙台での活動の難しさを感じてしまいますね。振り向いてくれなきゃ始まらないですから。

先生:で、tetsuさんはテクプリを見るために仙台まで遠征したのですか?

tetsu:まだ、一度もテクプリで仙台まで遠征したことないです。東京へ来たときに行くぐらいです。東京のアイドルイベントや石丸Soft本店でのリリイべに出てくれるので(笑)。
去年2回、今年1回見たくらいです。 また、東京へ来ることがあれば観に行きたいですね。

先生:じゃ、次は新潟のNegiccoということで。

先生:第1回のハルメンズに続いて、その母体となった8 1/2(ハッカ)について話しましょう。ハッカからは、上野耕路さんと泉水敏郎さんがハルメンズに加入していったわけですが、かなりメンバーチェンジがあったバンドです。後に野宮真貴さんとPortable Rockを結成する鈴木智文さんも後期ハッカに在籍していました。

ポール:実は8 1/2はかなり後追いなんですよ。恥ずかしいことに、映画「星くず兄弟の伝説」を見て、主演の久保田氏の存在感に圧倒されてファンになって、それから聴いたという感じなんです。だから、ハルメンズも戸川純さんも聴いた後ですでに知ってる曲がほとんどだったんで、「オリジナルはこんな感じだったのか」と確認しながら聴いたという感じです。

先生:泉水敏郎さんのWINKというバンドが母体となって、8 1/2に改名されましたが、これはフェリーニの映画のタイトルですね。

ポール:ずっと「ハチトニブンノイチ」と読んでましたよ。でも、フェリーニの映画の内容に衝撃を受けて、というより字面的に感覚で選んだんじゃないかな、と勝手に思ってますけど・・・記号っぽくてかっこいい。

先生:東京ロッカーズ系のコンピレーション『東京ニュー・ウェイヴ79'』には、「マネキン人形」「暗い所へ」「シティー・ボーイ」の3曲が収録されています。パンク系とされていますが、シークエンサーを使ったり、上野耕路さんのキーボードなど、独特の世界観を生み出していましたね。

東京ニュー・ウェイヴ79東京ニュー・ウェイヴ79
アーティスト:オムニバス
販売元:Pヴァインレコード
発売日:2002-01-25
おすすめ度:5.0
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07. マネキン人形(捏)
08. 暗い所へ(ハ)
09. シティー・ボーイ

ポール:「シティー・ボーイ」は、映画「ロッカーズ」でもやってますけど、個人的にはそっちの方が好きですね。まぁ映像のインパクトも含めてですけど。上野氏のグニョグニョなシンセがもう、最高。アルバムの方の3曲は録音もいいし、入門編としてオススメです。

先生:唯一のCDリリースとなる『メモアール』は、上野さんの母親の美容学校で録音されたものですから、音質は荒いですが、かえって初期衝動を感じます。現在、廃盤ですね。

ポール:CDの方は持ってないんですよ〜。買っときゃよかったな。いつか、ちゃんとした形で音源をまとめてCDでリリースしてほしいですよ。ブリッジかどこか、出してくれないかな…。

先生:ハルメンズで対談でも同じことをしましたが、ハッカの曲でハルメンズがやっていない曲も、後にゲルニカと戸川純ちゃんによって再録されています。「踊れない」はいかにも元ネタありって60年代的曲なんですが、戸川純ヴァージョンの方がお馴染みでしょう。

メモアールメモアール
アーティスト:8 1/2
販売元:テイチク
発売日:1995-11-22
おすすめ度:4.5
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01. 少年たち(ハ)
02. ジュリーのお願い
03. 踊れない(戸)(戸ヤ)
04. 上海特急
05. キネマの夜(ハ)
06. ナルシスティック(ハ)
07. その絵を踏むな
08. ベッドルーム・クィーン
09. 戒厳令(ゲ)(捏)
10. メモアール

(ゲ)ゲルニカ
(戸)戸川純
(戸ヤ)戸川純とヤプーズ
(泉)泉水敏郎
(捏)捏造と贋作

ポール:8 1/2版の「踊れない」は、完全にテクノポップだと思います。DEVOっぽい、痙攣リズムのテクノ。こりゃもうたまらんチ会長です。戸川純さんヴァージョンも、基本的なアレンジは同じなんですけどね。いやしかし、これは今聞いても卒倒するほどカッコいい。当時聴いてたら、発狂してたかもしんない。もうめちゃめちゃ好き。

先生:また出ましたね、たまらんチ会長(笑)! こちらは、「上海特急」の当時の映像です。近田春夫さんが司会しています。



ポール:近田さんは「ハッカニブンノイチ」って紹介してますね。これ、泉水氏も上野氏もいませんねぇ。2人が脱退した後の映像なんですね。サックスも入って、Roxy Musicぽい。久保田氏の衣装とか髪型とか、もうパンクの名残はなくて、モダンポップ系になってますね。YouTubeにある8 1/2の映像は、他に「ロッカーズ」の「シティー・ボーイ」とこれと、その2曲だけですかね。音源だけならいくつかあるようですが。

先生:「戒厳令」はニューウェイヴだけれど、クラシック的フレーズも出てくる上野さんらしい曲。これは、ゲルニカでもやっていますね。2ヴァージョンあって、『電離層からの眼差し』に収録の方は、ドイツ語で歌ったもろクラシカルなアレンジ。

ポール:デモヴァージョンは、モロにゲルニカの1stのあの感じで好きですね。重厚なドイツ語ヴァージョンも、とんでもなく素晴らしいですが。よくあんなアレンジが出来るもんです。確かにご指摘のように、途中でクラシックぽいメロディーが出てきますね。モーツァルトかバッハか…。聴いたことあるような感じなんですけど、わかんないなぁ。悔しい。そういえば「戒厳令」は、捏造と贋作の1stアルバムでもカヴァーしていましたね。上野氏らしい、ゲルニカ風味のアレンジでした。あと「マネキン人形」も採り上げてますよ。こちらは、8 1/2ヴァージョンを再構築したような、スペイシーなシンセのSEが飛び交うナイスなカヴァーでした。

先生:捏造と贋作は一度だけ、ライヴを見ました。『メモアール』のCDのセルフライナーノーツで泉水さんが、ハッカに在籍した久保田真吾さんと鈴木智文さんが結成したプライスというバンドは、高橋幸宏さんのプロデュースでレコーディングが予定されていたのに、お蔵入りになったのが残念です。プライスは、当時、『テクノ・ボーイ』というムックがあって、そこにも載っていたんです。

technoboy

テクノ・ボーイ (1980年) (ゴールデン・カラーアクション)
販売元:双葉社
発売日:1980-08
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ポール:プライスには、戸川さんヴァージョンの「母子受精」をアレンジした国本佳宏さんがいたんですよね。あのアレンジは素晴らしいので、プライスがちゃんと世に出てれば、国本氏の作曲編曲した曲がたくさん聴けたかも、と思うと残念でなりませぬ。それと、ばるぼら氏の著書「NYLON100%〜80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流」に載ってた久保田氏のインタヴュー記事によると、幸宏氏がプライスに関わったのは2曲だけで、あとはアルファのスタジオで録音したデモばっかり残ってるみたいです。久保田氏も「勿体ない。今出せばいいのにね。出していいんだったら、勝手にインディーズで出しちゃうんだけどね」なんて言ってますから、どなたか久保田氏に、正式にリリースのオファーをして欲しいです。

先生:ポール・フランクさんは、僕がPOP ACADEMYをやっていた時代に一番多くの投稿をしてもらった特派員ですね。当時は、マニュアルでコツコツともらった投稿を書きくわえる日々に明け暮れていました。

ポール:お久しぶりです。当時はいろいろ大変だったでしょうね。自分としては、なんとかPOP ACADEMYのページのお役に立ちたいと思い、自分の少ない知識をひけらかしていた時期です。上には上がいるということも知らずに。

先生:現在、「アイドル対談」というシリーズでテクノポップな香りがするアイドルについて対談しているのですが、もう一つ「テクノポップ」をテーマにシリーズ対談したいなと思い、対談相手は誰がいいかなと考えた所、やっぱりポールさんしかいないだろうと。

ポール:恐縮です。でも、YMOとそのファミリー以外のテクノポップはほとんどリアルタイムで経験していない後追い世代なんですけどね。当事者しか知らないトリビア的なことは出ませんが、音楽を聴いた上での感想程度ならば。

先生:いろんな切り口があるとは思いますが、先ずは日本の80年代テクノポップについて語り合いたいと思います。第1回は、10月20日に再発が決定しているハルメンズです。オリジナルの2枚にそして関連リリースが新譜として2枚出ます。野宮真貴の『ピンクの心』も同時発売。

ポール:何度目の再発かわからないほど出てますが、今回はボーナストラックが凄いですね。これは買わざるをえない。『ピンクの心』もボーナストラックが目玉ですね。

先生:サエキけんぞうさんにAll Aboutテクノポップでインタヴューした時に聞いたのですが、ハルメンズって特に意味がないんですよね。母体となる少年ホームランズと8 1/2(ハッカ)から離れる意図で、どこにもカテゴライズされない名前にしたかったというのが理由だそうです。ジョリッツというのも候補にあがっていたらしいです。

ポール:当時のテクノ〜ニューウェイヴ系に妙に多かった“ハ行”のバンド名なので、それだけでもう、たまらんチ会長です。パール兄弟というネーミングもそうですが、サエキさん特有の言語感覚ですね。どれも昭和のマンガ的な印象があるんです。それこそ手塚治虫とか。そういえば杉浦茂の絵をジャケットに使用してたこともありましたね。かっこつけてない名前なとこに惹かれます。

先生:以前も特派員として「僕にとってハルメンズはYMOと並ぶほど好き」とコメントされてましね。けろっぐ博士もハルメンズ大好きなんですが、具体的にハルメンズの魅力はどこにあるんでしょう?

ポール:コメントしてたこともすっかり忘れていましたが…もちろん今でも大好きです。最初はゲルニカから聴いて、「上野耕路氏がいたバンド」ということで後から聴いたので、上野氏のシンセばっかり追っかけて聴いてた気がします。「趣味の時代」のピアノなんか卒倒モンですし、「電車でGO」のサビのうしろで聴けるブワ〜て感じのシンセとか、面白いなぁ、気持ちいいなぁと思いました。「Q-Pダンス」でオッフェンバックの「天国と地獄」のメロディーを挿入したりとか、上野耕路氏のプレイに「クラシックを勉強した人」「音大を出た人」というのが見えて、で、そういう人がニューウェイヴをやってるとこが面白かったんですね。やっぱり坂本龍一氏が好きだったので、なんとなく共通する部分を感じて惹かれたのではないかなと思います。他にも、比賀江氏も卓越したギタリストというだけでなく、いい曲いっぱい書いてますし、全員がプレイヤーとしても、作詞作曲家としても凄いですよね。

先生:ここでハルメンズの曲がどれくらい他の人やユニットで歌われているか検証してみます。多くのハルメンズの曲は、母体となった少年ホームランズと8 1/2で既にレコーディングされています。今回同時リリースとなったサエキけんぞう&Boogie the マッハモータースと初音ミクでもカヴァーされましたが、戸川純関連のユニットを中心に結構ハルメンズの曲がカヴァーされているんですよね。カヴァーというよりも、戸川純ちゃんはハルメンズの意志を継いでいると言った方がいいかもしれません。

『ハルメンズの近代体操』(1980年)
ハルメンズの近代体操+8ハルメンズの近代体操+8
アーティスト:ハルメンズ
ビクターエンタテインメント(2010-10-20)
販売元:Amazon.co.jp
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01. 昆虫群(少)(戸)(戸ヤ)
02. 暗いところへ(8)
03. フリートーキング(戸ヤ)
04. 電車でGO(少)(戸ヤ)
05. モーター・ハミング(野)
06. ライフ・スタイル(泉)
07. キネマの夜(8)
08. リズム運動(泉)
09. 私ヤヨ(少)
10. レーダー・マン(戸)
11. アンドロイドな女(少)
12. ボ・ク・ラ パノラマ(ゲ)
*ボーナストラック8曲追加

『ハルメンズの20世紀』(1981年)

ハルメンズの20世紀+8ハルメンズの20世紀+8
アーティスト:ハルメンズ
ビクターエンタテインメント(2010-10-20)
販売元:Amazon.co.jp
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01. 趣味の時代
02. Q-P-ダンス
03. 焼ソバ老人(少)(パ)
04. アニメイション
05. 少年たち(8)
06. シングル・ハンドBOY
07. 幸福の未来
08. マスクト・パーティ
09. ジャングル都市(少)
10. お散歩
11. 春の嵐
12. ナルシスティック(8)
13. ゴールデン・エイジ
14. ふにゃふにゃサイボーグ(少)
15. 母子受精(戸)
16. マスタード
*ボーナストラック8曲追加

(少)少年ホームランズ
(8)8 1/2
(野)野宮真貴
(ゲ)ゲルニカ
(戸)戸川純
(戸ヤ)戸川純とヤプーズ
(ヤ)ヤプーズ
(泉)泉水敏郎
(パ)パール兄弟

ポール:泉水敏郎氏のソロ・アルバム『Life Style』では、「ライフ・スタイル」と「リズム運動」を採り上げています。後者は戸川純さんがリード・ヴォーカルで、泉水氏はコーラスだけですが。また、「焼ソバ老人」は、パール兄弟がライヴで採り上げていました。ライヴ盤『ブートレグだよ』や、先日リリースされたパール兄弟の紙ジャケCDのボーナストラックで聴けます。

lifestyle


先生:ハルメンズの中で僕が特に好きなのは、「電車でGO」と「リズム運動」かな。「電車でGO」の歌詞はニヤッとしてしまいます。でも、本当に電車で歌詞の通りやったら捕まります。戸川純ヴァージョンも「ごうぅぅぅ」と言う部分はエクスタシーを感じます。ポールさんのお気に入りは?

ポール:『ハルメンズの20世紀』の冒頭の3曲ですね。「趣味の時代」、「Q-Pダンス」、「焼ソバ老人」。他のどこを探してもこんなサウンドはないと思います。あと、それに続く4曲目「アニメイション」。これを友人宅でかけたとき、途中で曲調がガラッと変わる部分がありますが、あそこで友人が急にスピーカーのほうを振り向いて「えっ?」と驚いたのを見たときは快感でした。

先生:ハルメンズって、キモカワの先駆者だと思います。同時に歌詞もサウンドも奥が深い。じゃ、今日はこの辺で。次はハルメンズの母体の一つだった8 1/2について語りましょう。

先生:tetsuさん、これでアイドル対談も5回目を迎えました。今日は、Tomato n'Pine、略してTomapai特集です。

tetsu:よろしくお願いします、

先生:地下アイドルは知らないけど、Tomapaiなら知っていると偉そうな事を言いましたが、僕の知っているTomapaiは二人組(奏木純と小池唯)なんですよね。

tetsu:結局2人組のTomapaiは地下から抜け切れなかったですよね。メジャー・デビューもできなかった。1枚だけで純ちゃんがどっかいっちゃったので、去年ひと夏で終っちゃった。一応「別にやりたいことができたので」という 理由があるようですが・・・

先生:うーん、バニラビーンズ(バニビ)のケースの様に、メンバーが脱退してからの方が面白くなったケースもありますから。New Orderなんかもそうですし。『Life is Beautiful』(2009年)は少し遅れて買いました。13曲収録のデビュー盤ですが、実質は3曲ですね(笑)。他はリミックスとかスネークマンショーみたいな小ネタ入れて増量です。まぁ、小ネタと言っても、特にオチはありません。

Life is beautiful(DVD付)Life is beautiful(DVD付)
アーティスト:Tomato n’Pine
インディーズ・メーカー(2009-04-04)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
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tetsu:全体的に微妙にアイドル性を残してるのがポイントですよね。

先生:タイトル曲の「Life is Beautiful」は、キラキラ系の四つ打ちガーリーハウス。Floor on the Intelligenceのリミックスが入っているので、調べてみました。Floor on the Intelligenceは『ROMAHOLIC』というアルバムを2009年に出していて、これはYUKI等にも関わる田中隼人さんの別名義ユニットと考えていいでしょう。田中さん自体がTomapaiのプロダクションに深く関わっているからクオリティは高いですね。



tetsu:今をときめくagehasprings全面プロデュースという触れ込みだったですからねぇ。

先生:agehaspringsは勢いがあるようですね!「Unison」の方は、バニビの妹と言いたくなる渋谷系の香りがする楽曲です。「今日ゎ帰りまぁす」の方も、同じ傾向。で、3人組(小池唯、草野日菜子、和田えりか)になって、8月25日に久しぶりのリリースをするようですね。7曲入り『キャプテンは君だ!』。これは写真集とかが付いた別のリリースとかあって、ややこしいです。

キャプテンは君だ!(通常版)キャプテンは君だ!(通常版)
アーティスト:Tomato n’Pine
Tomato n' Pine Tokyo(2010-08-25)
おすすめ度:4.0
販売元:Amazon.co.jp
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tetsu:とりあえず現場では、握手のために3種類全部買う(笑)私としては、ややこしい事は何もないです。ただ、3種類買うと6000円なんですよねぇ。高いですよね。ヲタ選別して何が嬉しいんだ?とか思っちゃいますが・・・ グラビア系、歌うアイドル系のヲタ両方を取り込みたいのか、逆に両方を失っている気がします。 せっかく曲はいいので、曲を広める方向でお願いしたいなぁ

先生:リード曲の「キャプテンは君だ!」はアイドル路線でありつつも、ちょっとオシャレな感じでイイじゃないですか。

tetsu:曲はいいんですよ。曲のクオリティは文句ないです。個人的にはグラビアはいらないので、もっとステージ増やして欲しい。僕は「キャプテンは君だ!」より「POP SONG 2 U」が好きです。「POP SONG 2 U」は、2期お披露目イベントの為に急遽作った曲っていう話ですが、歌詞も曲もカワイイですよね。

先生:「POP SONG 2 U 」のリミックス曲(KUMANBACHI remix)はさらに気にいりました。ゼブラクイーンこと仲里依紗の「ゼブラクイーンのテーマ」の作曲編曲をした飛内将大さん! 渋谷系もアイドルも吹っ飛びそうなフレンチエレクトロ系リミックスが素敵です。

tetsu:結構いいですよね。

先生:あと、配信だけのようですが、Puffyの「渚にまつわるエトセトラ」をハウスカヴァーしていますね。トマパイの公式ページに行くと、さわりが聴けますね。これ、ベタなネタですが、好きです。

tetsu:僕も好きです。こういう気軽に聞けるのはいいですよね、今回のリリースイベントでも毎回やってます。とっても振付がカワイイです。

先生:ライヴ・パフォーマンスを生で見た事はないのですが、tetsuさんは当然見ているんですよね。どんな感じですか?

tetsu:やっぱ唯ちゃんがかわいいのですが、WADAちゃんがやばい(笑)。この前、WADAちゃんに爆レスもらって思わずファンになりました。微妙に緊張して震えてたりして萌えますねぇ。それはともかく、前のTomapaiよりは、もうちょっと真面目にダンスやってるなってのがわかります。前のTomapaiは、初期の頃からお友達トーク系で緩い感じでしたが、今回のTomapaiは、まだ緊張が伝わってきますね。フリートークなしですし、曲の振りを微妙に間違えたりして、またそれも可愛くていい感じです。

先生:tetsuさん、目がうるんでいますよ。

tetsu:Tomapaiは、agehaspringsでの同じ路線とクオリティを期待してますし、これからの展開にめっちゃ期待しています。バニビ的な独自の展開をお願いしたいです。

先生:では、次のアイドルさんは? まだあるのでしょうか?

tetsu:先生が飽きるかネタが尽きるまで(まだまだ大丈夫です)って決めてますが、どこまでやりましょうか(笑)。とりあえず、地方に目を向けて、北の方から、仙台のテクプリ、新潟のNegiccoでいきましょう。

先生:僕は忍耐強いです。じゃ、地方アイドル系を北から南下していきましょう。北海道に居ないのなら、仙台から始めますかね。じゃ、仙台でお会いしましょう(行かないって)。

(四方)先生:では、今回は趣向をガラッと変えて、爆乳さんについて教えてください。あんまりテクノと関係ない(いや、ちょっとだけある)爆乳さん特集です。夜露死苦!

(Hyper_)testu:(笑)

先生:先日、DJ Airaと同じイベントでtetsuさんは、DJされたんですよね。人から伝え聞いた話ですが、tetsuさんのDJの際、爆乳コールがあったとか(笑)。今や、Hyper_testu=爆乳DJという期待が生まれているようですね。

tetsu:最近、いろんなとこでかけまくってますから(笑)。最近、爆乳系の曲をかけたらかけたでなんか言われるし、かけなかったらかけなかったでなんか言われます。DJ Airaの時は、爆乳かける勇気がなかったです。準備はしてたんですけどね。かけたらAiraに白い目で見られるのは確実(笑)。そこまでドMじゃないですから。
あと、爆乳、爆乳言ってますが、素晴らしいから言ってるだけで、そんなにリアル爆乳のおねーちゃんが大好きなわけではないです。Perfumeでは、あ〜ちゃん推しですが(笑)。

先生:強引にPerfumeに引っ張って頂きありがとうございます。最近のセクシー系ガールズについては知識が貧弱なのですが、セクシーアイドル特集をしていた事があるので、90年代までなら僕も知っています。C.C.ガールズのような正統派(?)からT-BACKS、ゴールデン・ヒップス、ピンク・サターンのようなキワモノ系まで色々いました。時代は巡るのでしょうか?

セクシー★アイドルの時代#1:セクシー・グループ70's&80's
セクシー★アイドルの時代#2:セクシー・グループ90's

tetsu:時代は巡るといえば、巡るんでしょうが・・・ 今回の爆乳系は、全然正統派じゃない。キワモノの極みです。サウンドは90年代ですけどね。聴いたことない方は、一度YouTubeとかで見て欲しいです。



先生:爆乳さんはあくまでも俗称で、セクシーオールシスターズが正式名称ですね。でも、これは集合体の名前ですよね。

tetsu:爆乳戦隊パイレンジャー、爆乳三国志、D-Rive、美脚戦隊スレンダー、胸の谷間にうもれ隊、爆乳ヤンキー、爆乳甲子園の現在7組でセクシーオールシスターズと言います。まだまだ、増殖するかもしれません。爆乳戦隊パイレンジャーは現在活動してないです。

先生:なるほど〜。爆乳が付いた名前のユニットが4つもありますね。

夜露死苦おっぱい/ブラを探して夜露死苦おっぱい/ブラを探して
アーティスト:爆乳ヤンキー
ポニーキャニオン(2010-06-16)
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アーティスト:爆乳三国志
ポニーキャニオン(2009-10-21)
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tetsu:爆乳と名前の付いたユニット全てに出ているグラビアアイドルで、最近深夜テレビによく出てる手島優さんは知ってますか? 「愛がいっぱいIカップ手島優です」って自己紹介をする方です。

先生:大変魅力的で眠れなくなりそうな自己紹介ですね。残念ながら、深夜テレビはほとんど見ないので、知りません。

tetsu:あの方がセクシーオールシスターズのリーダーです。ライヴ行けばわかるんですが、手島優さんがほんと素晴らしい。あの人の話芸なくして、セクシーオールシスターズのライヴはありえません。芸歴長いのもあるんでしょうが、あれは天性のものだと思います。時々、裏で悩んでるのが垣間見えて余計に萠えます。

先生:爆乳系の音源は一通り正座して聴かせて頂きました。イケイケというか、タイムスリップしたようなサウンドが炸裂していますね。その中でも、光を放っていた曲がありますね。爆乳戦隊パイレンジャーの「ピンクのソーダ」・・・これは、テクノポップというか、Perfumeを意識したような曲ですね。5人ですけど。

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アーティスト:爆乳戦隊パイレンジャー
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tetsu:爆乳系のサウンドは90年代の田舎のヤンキーの方がよく聴いてる感じの、うまく言えないけどすごく安い感じのサウンドです。安いってのはDISってる訳ではないですよ!
イケイケサウンドで、何も考えずノレる、踊れる。歌詞も奥が深いのか浅過ぎるのかわからないのがイイ!!
先生、あやまんJAPANさんってグループでやってる知ってますか? あの「安すぎる宴会芸」で有名なあやまんJAPANさんに通じるところがあるなぁと私自身は勝手に思っています。

先生:アヤパンなら知っていますが・・・こちらも勉強不足で知りません。

tetsu:「ピンクのソーダ」は、爆乳系の中で唯一のまともな曲です。ほんと素晴らしくて去年の夏ぐらいからずっとDJでかけてたんですが、誰も何も言ってくれない(笑)。ライヴでもやってくれないですね。ほんと、やって欲しいんですけどねぇ・・・ 「おっぱいおっぱい」言ってるあのライヴの雰囲気の中やる曲じゃないってのもわかるんですけどね。

先生:胸の谷間にうもれ隊の「スケベ!」「生殺し」は純アイドル調の不純な歌。アンビバレントな魅力がありますね。助川まりえちゃんも人気がありそうですね。

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tetsu:助さん人気はすごいですよ。話も結構面白い。爆乳系の中では一番ヲタを持ってます。でも、興味深いのは、残り2人、橘オリーブと與坂唯 です。2人 は、プロ野球東京ヤクルトスワローズのダンス・パフォーマーチーム、Swallows Wings(スワローズ・ウイングス)で頑張ってる方です。特にオリーブちゃんは、プロフィールで歌手になりたいようなこと書いてあったんですが、書き直しちゃったようで、人生いろいろあるんだなぁとか考えてしまいます。

先生:美脚戦隊スレンダーの「パンティーストッキング〜!」はなかなか中毒性がありますね。アレンジがレトロなのでちょっともったいない(笑)。

パンティーストッキング~!(DVD付)パンティーストッキング~!(DVD付)
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tetsu:もったいないですか? DJやってると、一番反応がいいのが「パンティストッキング〜!」です。あのアレンジの安い感じがとっても好きなんですが(笑)。

先生:なるほど・・・古きを懐かしみという事ですね。彼女達の多くの曲はシングルで発売されていますが、アルバム『セクシー☆甲子園』を買ってしまうと、ほぼ全部そろってしまうのですか? これではシングル買ったファンはちょっと悔しいですね。あ、でもこれは一般人の感覚で・・・

セクシー☆甲子園セクシー☆甲子園
アーティスト:セクシー☆オールシスターズ
ポニーキャニオン(2010-07-21)
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tetsu:パイレンジャーは別にして、ここ1年ぐらいでほぼ2ヶ月おきに1組ずつシングルリリースしてまして、最後にアルバムリリースな感じです。何ヶ月連続シングルリリースとか言って最後にアルバム出すアーティストさんと変わりないと思います。はっきり言って、ろくに売れてないのにここまでやるのは驚異ですよ。
逆に毎月のようにリリースのイベントやライヴをやってくれて嬉しいです。セクシーオールシスターズいつ終わってもおかしくないと思ってましたし、今も思ってます。アルバムの発表が出て、解散の合図か?と思ったのですが、ライヴもまだあるようですし、次のシングルも決まってるようなので今は一安心って感じですが・・・この先どうなるかわかんないです。

先生:危機感がさらに高揚感を煽るのでしょうか?

tetsu:先生も爆乳のライヴ一度行ってください。あの楽しさがわかります。東京でしかやらないのが痛いですが、ライヴは、面白くて、楽しくて、踊れる。8月29日原宿アストロホールでのライヴがあります。

先生:じゃ、いつか夜露死苦お願いします(笑)。では、次に紹介するアイドルを予告してください!

tetsu:では、もうすぐ2ndシングルを発売するTomato n' Pineさんでいきましょう。

先生:トマパイですね。彼女たちなら僕も知っています。

先生:小桃音まいちゃん、今回は全く予備知識ありません。音源を予習のために聴いたくらいです。実は読み方も判らない。「こももね」って読んでしまいます。 

tetsu:
ことねです。 

先生:
ことね??難読漢字に指定です。 
調べてみると、デビューはシングル『Dreamscape☆』(2009年10月7日)でまだ1年も経っていませんね。Amazon.co.jpで検索すると、このシングルは1000枚限定で既に廃盤のようで、15,000円という法外な値段が付いていますね。もちろん、tetsuさんは持っているんですね。 

dreamscapeDreamscape☆
アーティスト:小桃音まい
販売元:am music
発売日:2009-10-07
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tetsu:
私もデビュー・シングルは、もう3枚しか家にないです。って言う時点で「お前何枚買ったんだよ!」ってツッコミ入りそうですが・・・ 
ファーストはあんまり買ってないです。 

先生:
あんまり買ってないって・・・(苦笑)。

tetsu:
複数枚買いって普通の人からすると頭おかしい領域かもしれないんですけど、アイドルは買い支えてこそなんぼの世界!って部分はあります。

先生:
菊地成孔さんが『CDは株券ではない』という本を出していましたが、小桃音まいちゃんのCDは株券ですね。複数のCDなどを購入する事は、アイドルに投資する事なんですね。 

tetsu:
CDの値段が上がるってことは滅多にないですけどね。

先生:
確かに。投資の金銭的回収が目的ではないという点では株券ではない。

tetsu:
AKB商法をどうとか言う人いますが、地下アイドルの世界では、ライヴの物販やリリースイベント等で買って、会って、しゃべってなんぼの世界だったりします。 
まぁ、15000円とかで買う人はいるんですかねぇ。 
たぶん現場に通って、持ってないことをヲタの方に漏らすとたぶんどっかから出てきますよ。 

先生:
なるほど、現物を手に入れる以上に、購入のプロセスが大事なのですね。 
カップリングの「なのです☆ 〜ひぐらしのなく頃に より〜」は、テクノポップというかピコ度が高いですね。歌い方も往年の宍戸留美ちゃん的というか・・・

tetsu:
基本アニメ声ですからねぇ。 

先生:
セカンド・シングルの『Masterpiece』(2009年11月24日)では、3曲目の「3.オレンジ 〜とらドラ!より〜」が個人的には押しです。3曲目に力を入れているのか(笑)? 
いや、僕の偏った趣向のせいで、意図とは関係なくそうなっているのだと思いますけど。 

masterpieceMasterpiece
アーティスト:小桃音まい
販売元:am music
発売日:2009-11-24
おすすめ度:5.0
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tetsu:ファーストもセカンドも3曲目は、アニメのカヴァー曲です。先生アニソン属性あったんですか? 

先生:
それは今まで気づきませんでした。アニメ属性とテクノ属性が被ったのでしょう。最新にしてサード『さくら、咲くころに。』(2010年1月27日)でも、やっぱり3曲目がひっかりました(笑)。 
国生さゆり with おニャン子クラブの「3.バレンタイン・キッス」のピコ度を上げたカヴァーですね。いまや、どちらかと言えば、ビッチな役柄がハマる国生さゆりさんですが・・・ 



sakurasakukoroniさくら、咲くころに。
アーティスト:小桃音まい
販売元:AM MUSIC
発売日:2010-01-27
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tetsu:
国生さんがビッチなのは最近じゃないですか(笑)。 

先生:
素敵なビッチになられたと思います。 

tetsu:
まいにゃのバレンタイン・キッスは、振り付けを含め超絶カワイイっすよ。

先生:
ファンはまいにゃって言うのですね。前回のコスロボを調べる時、YouTubeで小桃音まいちゃんも一緒に「アニソンぷらす」というのに出ていたみたいですが、「アニソンぷらす」って何ですか? 

tetsu:
テレビ東京で深夜にやってるアニソン番組です。今は「アニソーンぷらす」って名前です。 

先生:
『もえ☆ダンス』や『アニソンぷらす x アニメ☆ダンス コレクション』といったコンピにも参加していますね。 
これらはアニメ系カヴァーみたいですが、『アニメ★ダンス BEST GIG』では小桃音まい、桃地みなみ、橋本亜美(コスメティックロボット)の三人で「ぱんだねこ体操」というのもやっているようですね。

もえ☆ダンスもえ☆ダンス
アーティスト:オムニバス
販売元:Independent Label Council Japan(IND/DAS)(M)
発売日:2009-05-27
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アニメ☆ダンス BEST GIG
アーティスト:オムニバス
販売元:FARM RECORDS
発売日:2010-05-26
おすすめ度:3.0
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tetsu:
まいにゃのCDデビューは、アニメのカヴァーの『もえ☆ダンス』の「なのです☆」。ですし、次に出たのが『アニソンぷらす x アニメ☆ダンス コレクション』の「オレンジ」です。 
初オリジナルは「ちょっとLOVEしてるんだってば」なんですが、ライヴでは、「なのです☆」と「オレンジ」の3曲で、デビュー・シングルが出るまでの数カ月頑張ってた気がします。 
「ぱんだねこ体操」は、あの緩さが好きなんですけど・・・良くないですか? 

先生:
園児向けの脱力系ソングですね。 

tetsu:
この前解散したかと思ったら、TOKYO IDOL FESTIVAL 2010で一夜限りの復活とかで、またやってたのは笑いました。いろいろ事情はあるんでしょうけどね(笑)。 

先生:
彼女のライヴはどのような感じなのでしょうか? 

tetsu:
まいにゃの振付は右へ左へ移動する曲が多いんです。で、ヲタもみんなそれに合わせて移動するんです。「民族大移動」とか言ってます。 

先生:
ほぅ〜民族大移動とはスケールがでかいですね。 

tetsu:
ここ1年ぐらいで一番感動したライヴは、まいにゃのリリイべなんです。ライヴで涙を流して泣いたのはPerfumeの2007年のLiquidroom以来です。今年1月末の「さくら、咲く頃に。」のリリイべWeek のラストの日なんですが、ライヴも感動的だったんですが、ほんとに感動したのは出待ちの時。 
僕はゆるヲタなんですが、ガチヲタの方々がいろいろまいにゃに賞状や花束、プレゼントを渡し、まいにゃが泣きながら感謝の気持ちを話したんですが、「今回無理して頑張ってくれた人達がたくさんいると思うんですけど、その人たちが無理しなくてもいいようにこれからも頑張るので応援これからもよろしくお願いします」みたいなこと言ったんです。明らかに(数十枚単位で)複数枚買いした人に向かって言ってる言葉ですよね。 
それまで、涙目状態ではあったんですが、この言葉を聞いたとき涙腺が緩くなって・・・泣いてしまいましたね。 
その後、手で持てないくらいのいっぱいのプレゼントや花束をマネージャーさんが持とうかって言ったら、「全部自分で持つ」みたいなこと言ったりとか、ほんと、まいにゃは良い娘すぎます。 

先生:
離れていても熱さが伝わります。猛暑の中ただでさえも暑いですが・・・要は思いやりのあって頑張るタイプ・・・しかも、性格がいい子なんですね。プロフィールにハロプロをこよなく愛するって書いてますね。 

tetsu:
まいにゃ自身が、ハロ系ヲタなんですよ。AKB48のさっしーこと指原さんもそうなんですけどファン心理をほんとよくわかってる。女ヲタあがりのアイドルは、ファンに何をやったら喜ぶとか、本能的に判ってますよね。 

先生:
tetsuさん、では次の課題をお願いします。 

tetsu:
ちょっと趣向を変えて、私がここ最近激推しの「セクシーオールシスターズ」さんとかどうですか? 俗に言う爆乳さんです。 

先生:
趣向が変わりすぎな気がしますが、了解です。爆乳さんについて勉強いたしましょう。

(四方)先生:地下アイドル・シリーズ第一弾として先ずは、僕も知っているコスメティックロボット(コスロボ)について話し合いましょう。
僕もAll Aboutテクノポップの方で2回ほど書いています。
’08年Post Perfume〜アイドル編
エレクトロガール☆trio

(Hyper_)tetsu:実は、先日あったライヴで解散が発表されました。

先生:えっ、そうなんですか! tetsuさんとしてどんな気持ちですか?

tetsu:切ないですよね。
アイドルって、本人の意思に反してこういうの決められちゃうんですよねぇ。いろいろ理由は噂で流れてますが、ほんとのところはわかんないですし・・・私の中では、なによりあの素晴らしい曲達を歌う人がいなくなるのか・・・ってショックがでかいです。解散までに何回かは行きたいと思っています。

先生:心中お察し申し上げます。では、今日は想いを込めて語ってください。コスロボとの出会いは?

tetsu:私は、石丸電気の8Fであった『コスゼロ』DVDのリリースイベントだったと思います。今は名古屋に住んでいますが、当時秋葉原のリアル住人でして、暇だったら石丸電気のリリイべに行っていた時期があるんです。今も、暇だったら行っている気がしますが(笑)。出会った頃は全然ファンじゃなかったんです。はじめて握手をしたとき、あむちゃんに愛想なく対応されて心が折れたのもあります。

先生:きっとツンデレなんでしょう。デビュー・シングルの『シリアルナンバー99』は僕も買ってしまったのです。「モンキー・マジック」っぽいフレーズがあったりして、あっ「Butterfly」とか「Sazae Funkadelic」のネタとも被るなぁ〜と(笑)。

tetsu:僕もそういうのもあって、最初は、いまいち好きじゃなかったんですよね。あっ「メルシー・メロディー」は昔から好きでした。

先生:いや、僕はそれを面白がっていました。あと、カップリングの「ラブロボボ」は、ロボットの悲哀を歌っているので、コンセプト的にもなかなかいいなぁ〜と。ロボットソング大好きですから。

tetsu:ちょっと前のアイドルイベントで、渋谷WOMBで「シリアルナンバー99」聴いたんですけど、もの凄くカッコ良かったです。その時、最初3列目ぐらいで見ていたんですが、ご本人たちそっちのけで、音に浸りたくてフロアのど真ん中に下がったぐらい良かった。
流石WOMB!!!世界に誇る日本のクラブです。低音の抜けが良くって気持良すぎました。ほんと素晴らしかったです。そして、「シリアル」って曲に謝りたい気分でした。

先生:『コスゼロ』のDVDを知人に半強制的に見せてもらったのですが、手作り感に溢れていました(笑)。

tetsu:あれは、ちょっと・・・って言いたくなります(笑)。しかも、短くてお値段がいい(笑)。確か4000円ぐらいしなかったですっけ。ガチヲタじゃないと複数枚買いできねぇよ(笑)みたいな。「ラブロボボ」PVも、PVというか・・・残念感は否めない感じで・・・

先生:複数枚買いできるかで、値段を判断するんですね(苦笑)。その後の2枚のシングルは、ちょっとテクノ度が落ちた感じで、個人的には惜しいなと思ったのですが、tetsuさん的にはどうだったのでしょうか? 僕はライヴを見たことがなく、テクノ度だけの偏った評価してしまっているので、違った意見もあると思います。

tetsu:テクノポップにロックテイストを盛り込んだ曲をやるって言っているのに、2枚目ぐらいの時にテクノ度が落ちて何がやりたいんだろうとか思ったものですけど、セールスを考えるとしょうがない気はします。

地下アイドルヲタとして気になるのは2ndシングル『キラメキ★ワンピース』です。コスロボの曲の中でも、一番と言っていいぐらいに盛り上がれる曲で、ライヴのラストによくやる曲です。2008年に解散したリトルレンズの「one piece」を歌詞とアレンジを変えてリメイクしたものなんですが、もともとの歌詞が、この時のリトルレンズの稲村美穂にしか書けない、ものすごいリアルな歌詞なんです。

先生:えー、コスロボ曲にリメイクがあるとは知りませんでした。しかも、リトルレンズって知らないし。

tetsu:リトルレンズのファンではなかったけれども、たまにしかやらないこの曲は結構好きでした(たぶん2回か3回しか聞いたことないです)。それだけに、はじめてコスロボの「キラメキ★ワンピース」聴いた時、僕の中での拒否感は強かったです。確か振付まで似ていましたしね。今は、「いい歌は歌い継がれるのだ」とか思って普通に盛り上がっていますけど。

先生:ライヴの動員力とかはどうなんですか?

tetsu:ワンマンだと表参道Fabとか渋谷O-WESTをそこそこ埋めちゃう位には人が来ます。300人位ですかね? 解散ライヴの原宿ASTROも埋まるんじゃないでしょうか。

先生:3人のメンバーを見ていると、誰が誰か認識できていないのですが、ルックスからキリリとしたのっち系、コケティッシュなかしゆか系、人懐っこいあ〜ちゃん系といったPerfumeの3人のようなキャラ割なのかなぁ〜と勝手に思っているのですが・・・ 

tetsu:キャラ割としては、
きれいで元気でまとめ役「なっちゃん」
若くて歌が上手い「あむちゃん」
天然系「もっさん」
みたいな感じだと思います。私は、もっさんファンです。
先生!!!地下現場にも来て下さいよ(笑)!!
コスロボはもうすぐいなくなっちゃいますけど・・・

先生:2010年3月には4枚目のシングル『デジタル・LOVE』をリリースし、オリコンディリーで14位というのはかなりの健闘ですね。Daft Punkのカヴァーなのかと一瞬、期待しましたが、オリジナル。でも、テクノ度が戻って、タイトルもいいから久しぶりに買っちゃいました。
digitallove 

tetsu:
音的にも、結構良かったですよね。ランキング的にも、良かったにもかかわらず解散するんですよねぇ・・・

オリコンランキングについてですが、実際の売れ数とは違ってたくさんのバイアスがかかっています。あんまり信用しない方がいいです。地下アイドルのリリイべのメッカである石丸電機では、実売数より明らかにオリコン上の売れ数が少なくなるということが起きています。起こらないこともあるんですよねぇ。そこら辺の基準がわからない(笑)。

先生:では、次のテクノ系地下アイドルは誰にしましょう?

tetsu:小桃音まいさんはどうですか?

先生:では、勉強させて頂きます。

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(四方)先生:今回からシリーズとして、僕もイベントでよく遭遇するアイドルDJとしてE3!!!などで活躍されているHyper_tetsuさんに登場して頂きたいと思います。一部テクノアイドルには詳しいですが、僕はこの分野全般についてはそれほど詳しくないので、いろいろ教えてください。

(Hyper_)tetsu:こちらこそ、よろしくお願いします。そこそこ知ってるのは歌うアイドルだけです。

先生:確かに・・・グラビアアイドルとかも居ますからね。

tetsu:私は推しはいますが広く浅く派で、音推しDDです。音がよければ誰でも大好きです(笑)。歌うアイドルでも、メイド系や声優系は弱いです。分かる範囲で答えますのでよろしくお願いします。

先生:先ずは自己紹介からお願いしましょう。音楽に目覚めたのは?

testu:中学校の頃、当時クラスの男子みんな聞いてたBOØWYに走らず、洋楽に走ったんですよね。GenesisというかPhil Collinsがめっちゃ好きでしたね。 それと同時に、ガールポップが大好きでした。今でも好きですが鈴木祥子ほんと好きでしたよ。結婚したときショックで泣きました。テクノに目覚めたのは、大学の頃、難波のRocketsで田中フミヤに出会ってからです。アイドルに目覚めたのは、モー娘。かな? Perfumeから地下世界に落ちてしまいました。

先生:やはり、Perfumeですか(笑)。アイドルというと、昔は大きな事務所に所属するアイドルしかいなかったのですが、今はメジャー系アイドルから地下アイドルまでいろいろいるみたいですね?

tetsu:2000年代、モーニング娘。さんが下火になって、一時期歌うアイドルが極端に減って、歌う人は地下に潜ることが多かったんですが、最近AKB48さんのブレイクをきっかけに、会えるアイドルをコンセプトにももいろクローバー、スマイレージ、東京女子流、アイドリング等、たくさんのアイドルが大手事務所からデビューしています。AKBさんがトップランナーであることは間違いないですが、やっといい流れができてきたと思います。

先生:なるほど。AKB48とかは一般常識程度しかしらないですが、確かに最近周期がまた回ってきた感じですね。

tetsu:やっぱ大きな事務所はすごいですよ。お金ありますよね。いろんな面で一流のプロがつく。作詞・作曲からダンスや舞台監督的な方までね。ただ、自分からの表現ではないのでメッセージ性とかは希薄になっちゃいますが、並のミュージシャンよりずっとライブでのトータルパフォーマンスが素晴らしいことをみんな気づくべきです。

地下アイドルもそれに近づこうとお金のない中頑張ってる。応援していきたいです。

先生:ライブアイドル、インディーズアイドルとかいう呼称もありますが、これらと地下アイドルはほぼ同義として使われているのでしょうか? ライブアイドルだと、メジャーの息がかかっている人達も含まれてしまうような気もしますが・・・

tetsu:厳密に言うと違うんでしょうけど、ほとんどボーダレスだと思いますよ。大手事務所でもいきなりメジャーレーベルからCDが出ることもありますが、インディーズで鍛え上げてからって事も多いです。地下アイドルでも大手事務所以上にレベル高いと思う人もいますしね。

先生:例えば?

testu:Feam、Chu☆Lips、d-trance、コスメティックロボット、小桃音まい・・・ 
音的なジャンルは違うけど、地下のトップどころはみんなほんと素晴らしいです。

8/7・8 とTOKYO IDOL FESTIVAL 2010が品川でありますが、純粋な地下アイドルの方々がどんなパフォーマンスを見せてくれるか凄く期待しています。

先生:その日程だと、サマソニやWORLD HAPPINESSと被りますね。昨今、音楽業界はCDの売り上げなどからも長期右肩下がり傾向にありますが、地下アイドルというのは、経済的に成り立つのでしょうか?

tetsu:生活は間違いなく売れないと成り立たないです。ただ、CDは出し易くなりましたよね。テクノロジーの進化といいますか、DTMソフトの進化によって、ほとんど机上で住むようになった。昔みたいにスタジオを何日も借り切ってとか、しなくてよくなった。テクノ系の地下アイドルが増えたのは、DTMの進化の影響が大きいです。今は、100万あれば1枚のまともなシングルが出来ちゃう。一枚1000円で1000枚売ればペイできる。作詞・作曲・アレンジ・マスタリングまで自分とこで賄えると自分たちの月給ぐらいでもいける。ほんとイイ時代になりました。

先生:地下アイドルの場合、どのくらいの集客力があるのでしょうね?

tetsu:ほんと、ピンキリです。トップクラスの地下アイドルのワンマンライブなら300人くらいは来ると思います。最地下のイベントとかに行くと、逆に10人もいないイベントもあったりします。場末感がたまんなくて、たまーに行きたくなります。

先生:なるほど。じゃ、次回よりテクノポップの影響が強い地下アイドルについて、具体的に聞いて行きたいと思います。

(四方)先生:ニュー・シングルの話をする予定でしたが、CMが公開されたので、CMの話をしましょう。ところで、参院選も終わりましたね。

 

(けろっぐ)博士:「議員でも金」とかだれか言ってますが、かしゆかの次の目標は「ドームでも金」でしょうね。

 

先生:「議員でも金」の金が何を指すか不明ですが、Perfumeの新曲「VOICE」はまたもやCMタイアップですね。



博士:しかしあの「三人あわせて・・」のきめ文句が・・・世界的企業のコピーに使用されるとは!考えるとすごいですね。

 

先生:CMの方は「三匹あわせて」なので、レツゴー三匹です。「かしゆかです!あ〜ちゃんです!のっちです!三人合わせて…」というのは、やはりレツゴー三匹の「じゅんで〜〜す!長作で〜〜す!三波春夫でございます」がネタ元なんでしょうかね〜。そのあたり、本人に聞いてみたいです。
(訂正とお詫び)ご指摘を受け、「レッツゴー三匹」を正しい表記「レツゴー三匹」に訂正いたしました。 

 

博士:Perfumeカンガルーはカクカクシカジカと同じファミリーのキャラクターかと一瞬思いましたが、日産とダイハツだから違いますね。

 

先生:カクカクシカジカに似ていると言われた僕としては、ファミリーになれなくて残念です。Perfumeはトヨタのこども店長との一騎打ち。Perfume3人は運転免許もっているんでしょうか?

 

博士:カンガルーですから、どちらにしても運転できないし。

 

先生:CMからはいまいち曲のイメージがつかめない。

 

博士:そうですね、まだ全然曲が見えませんね。しかし、あの断片から既に耳コピをUPしてるツワモノもいますよ。

 

先生:CMからだけだと、PEPSI NEXの方がフルヴァージョンとしての期待が高いのですが、「Lovefool」の方はシングルに収録されないのが残念です。


博士:まだ1月近く余裕が・・・と油断してたら、ニュー・シングルは、Amazon.co.jpは既に追加入荷未定表示が!

 

先生:Amazonでの予約って、2度ほど二重注文しているんですよね。先日も、Sweet Vacationの『Re;未来派宣言』がAmazonから2枚来ました(汗)。

 

博士:相次ぐメジャー企業とのタイアップ効果と見ても、もしかしたら今の人気はまだ前奏曲で、ピークはドームの先にあるのかもしれませんね。

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VOICE(初回限定盤)(DVD付)VOICE(初回限定盤)(DVD付)
アーティスト:Perfume
販売元:徳間ジャパンコミュニケーションズ
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(四方)先生:

僕の髪を切ってくれている美容師さんが前回の対談のタイトル「【Perfume対談】東京ドームへの道」を見て(中身は明らかに読んでいない)、「Perfumeにインタヴューしたんですか?」って聞かれてしまいました。いや、あくまでも「Perfume対談」とは「Perfumeとの対談」を指すのではなく、「Perfumeについての対談」を指すのですと言い訳しました。紛らわしくて、ごめんなさい。

 

(けろっぐ)博士:

いやいや、振り返ってみると対談もまんざら不可能でもなかった時期もありましたよね。 初めて行ったインストアで、みんなメッセージやプレゼントを渡したりしてるのに、先生は確か名刺を渡してましたよね! アイドルに名刺を渡した人も少ないでしょうね・・・

 

先生:

どうでもいい古い話を覚えていますね。いや、ボクは礼儀正しいので。そして、仕事ですから。

アクセス解析を見ていると、やはり、Perfumeについて書くと、読者が増えます。同時に、アンチ的なコメントも増えるのです。まぁ、これはPerfumeが世の中に認知された証拠として好意的に受け止めましょう。

 

博士:

国民的アイドルという観念は、既に過去のものです。

 

先生:

博士もファンクラブ限定DVD『外では言えないファンクラブ会員だからこその秘密トークまさかの75分くらいDVD!! 〜ファンクラブトゥワー本編映像付き(笑)〜』を買っちゃったんですね。やたら長いので、ジャケにある謎の記号のような「1053」を略称としましょう。「1053」の意味を知ったかぶりして、語りたいのですが、知らないので、Yahoo!の知恵袋に頼ります。

1053
 

博士:

1053』は、内容的にはライヴDVDというより会員向けのオマケDVD+αといった感じでした。

 

先生:

確かに、今年の春の「P.T.A. presents Perfume 結成10周年!!!! 『パッと楽しく遊ぼうの会』ライブハウストゥワ―」からは4曲だけで、他はライヴからのMCと過去の振り返った3人の対談ですからね。

 

博士:

しかし、こちらのタイトルも長い。

 

先生:

GAME TOUR」以降はシンプルになりましたが、それ以前に・・・

Perfume まさかのカウントダウン!? 〜リ○ッドルーム あの夜をもう一度 in Zepp Tokyo〜」

「感謝!感激!ポリ荒らし! 〜あらためまして、Perfumeです〜」

「「Perfume presents 〜Perfumeがいっぱいサンタ呼んじゃいました♪〜」

等がありました。

 

博士:

Perfumeの変遷は今更語らなくてもライヴ・パートの冒頭のプロジェクター用PVと過去を振り返った対談のかしゆかの部分で言い尽くされましたね。

 

先生:

「外では言えないファンクラブ会員だからこその秘密トーク」というタイトルなので、気を使ってしまうのですが、博士の印象に強く残った部分は?

 

博士:

パッツンじゃないかしゆかを見ると世界遺産を見るような厳かな気持ちになってしまいます。

 

先生:

そう、来ましたか! 世界遺産の定義とは、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」をもつ不動産を指します(Wikipediaで調べました)。かしゆかは普遍的でかつ不動産なのですね。

 

博士:

彼女たちのプロジェクターで紹介された変遷は我々の対談とほぼ併走しているので、なんだかリアルによみがえりますね。

 

先生:

確かに。しかし、あ〜ちゃんはグッズ販売トークが上手いです。度付きじゃないから、かけもしないのに、「きみはイケメン眼鏡」(略称きみイケ)買ってしまいましたもん。でも、他のグッズは買っていません(キリリ)。

 

博士:

グッズは自分で作りますから、いりません。

 

先生:

では、次の対談のお題は8月に発売のニュー・シングルといたしましょう。

(四方)先生:

All About上では今までかなりの対談をけろっぐ博士とはしましたが、しばらく封印していたので、久しぶりに場所を変えてやりましょう。

 

振り返ってみると、博士との対談は、お互いに共感している部分もあるのですが、それぞれの視点というか“気づき”が違って、相互補完して対談が成り立っているんだなぁと読み返して思いました。最近、どうっすか、Perfumeは?

 

(けろっぐ)博士:

まずは我々が以前に予測した路線を振り返ってみると、多くの点で合致し、また多くの点で修正を余儀なくされたとも言えますね。

 

先生:

修正とは?

 

博士:

念願の紅白出場、出世魚の様なライヴキャパの増床。そしてレギュラー番組確保・・・と順調にアイドル街道を上り詰めてきた彼女たちですが、今年に入ってからは、「MUSIC JAPAN」に専念し、一応はアイドルとしてのファーストシーズンは終わったと見るのが妥当でしょう。

 

先生:

NHKは意外にテクノポップを無意識かのように贔屓するTV局ですが、PerfumeNHKも相性がいいですね。

 

博士:

しかし、彼女たちのアイドルとして絶頂期だった2009年は、我々の対談が封印されていた期間に過ぎてしまったと言っても良いでしょう。

 

今はアイドルとしての彼女たちがどうとかではなく、来るべきセカンドシーズンについていかにあるべきか・・を予測する事に終始したいですね。

 

先生:

セカンドシーズン・・・どっかで聞いた台詞ですね。あっ、セカンドステージでした。

79日からファンクラブチケットの申し込みが始まりますが、113日には東京ドームで公演を行うことが決まりました。国内女性グループとしてはSPEED以来、2組目というのも、SPEEDに憧れてきたPerfumeにとっては象徴的です。女性ソロならもっといますけどね。

 

ちなみにWikipediaに東京ドーム公演をしたリストがあります。

 

 

博士:

アイドルとしてはピークとも思える大バコへの進展の後のいきなりのライヴハウスツアー。これは私には体のいい「言い訳」にも取れましたが、ここに来ていきなりドーム宣言。

これはPerfumeがすでにピークを過ぎた・・・という懸念どころか確実に来るべきセカンドシーズンへの自信ですよね。これはいったいどういう現象が起きているのでしょうか?

 

先生:

Perfume初のワンマンは、200413日のSHIBUYA-BOXX300名前後のキャパでしょう。その後、LIQUID ROOMZEPP TOKYOなどのライヴハウスでレベルアップしていき、目標だった日本武道館へと。その後も代々木競技場第一体育館、大阪城ホール、横浜アリーナと・・・確かに残る大バコは東京ドームですもんね。

 

東京ドームは会場設定にもよりますが、5万人クラス。これがちゃんと埋まるかというのは一つの話題にもなっています。2003121日・2日に行われたt.A.T.u.公演(写真はその時撮影したもの)はボクも行きましたが、空席多かったです。

tokyodome
 

博士:

今までチケット争奪戦が悩みの種でした。やはり先生もそこが気になりますよね。

 

先生:

満員になるけれど、チケは買いやすい程度がいいんですよね。

先日、P.T.A.のファンクラブの番号からファンクラブ会員数は5万人程度ではないかと推測したのですが、東京に来れないファンがいるとしても、そこからすると確かに会場を埋めるのは無理な数字でもない。

 

博士:

しかしそれではまるでメッカ巡礼・・・というか、総動員を前提とした数値と言えますよね。

 

先生:

複数買う会員やファンクラブに入っていないファンもいるでしょうから、もう少し行きますけどね。

 

博士:

問題は今回の東京ドームはいったい誰を前提としたターゲット設定がされているかという事だと思います。滞在束縛時間に限りある人気絶頂の外タレという訳でもなく、今のPerfumeにしてみれば小さめのハコをこなしていく余裕も時間もあるはずです。全国のファン総動員というモチベーションは武道館〜代々木で捻出してしまった様にも思います。はたして東京近辺でPerfumeをあえて今見たいと願う層だけを純粋に狙っているのか?

 

先生:

僕は、純粋に一つの頂点を狙った記念公演的意味合いの方が強いのだと思います。

 

博士:

心配性の私の悪い癖ですが、往年のキャンディーズの後楽園公演のようなサプライズがあったらと一抹の不安さえよぎりますね。おそらくその演出は今からでは時期的に無理だとしても、逆に何か次のシーズンを予期させるサプライズが必ずあるはずです。

 

先生:

うーん・・・その可能性は薄いでしょう。今でも「普通の女の子」なんですから。

 

博士:

今より直前までに行われると想定される販売促進、プロモーションの動向が気になります。

今後さらに分析が必要ですね。ところでP.T.A.より『1053』が投函されましたね。

 

先生:

これについては続編で。

 

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