四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

カテゴリ: イギリス

The Cureというイギリスのバンドをご存知でしょうか? ご存知でない人でも、彼らの「Close To Me」(1985年)を知っている人は多いでしょう。ゴスっぽい外見ですが、この曲なんかはとってもポップで一度聴いたら耳から離れません。



イギリスの曲ですが、ウクライナ人に「このクリップ知っている?」って教えてもらったのが、Lady Sovereignの「So Human」(2009年)。



聴いてもらえればわかりますが、これがもうほぼ「Close To Me」。Lady Sovereignは、所謂グライム(Grime)系。いや、解ったような事を書いていますが、実はあまり知りません。調べてみると、イーストロンドンで始まったUKガラージにヒップホップ、レゲエ、ドラムンベースの要素が加わったミクスチャーサウンドと言った感じの解説が普通なされています。

『DIVA』という雑誌で、「Her first gay interview」とか受けていますので、彼女はレズビアンみたい。確かにトムボーイっぽい。

ladysovereign


ジグソージグソー
アーティスト:レディー・ソヴァリン
販売元:BMG JAPAN Inc.
(2009-08-26)
販売元:Amazon.co.jp

次は、リェーナの方を紹介します。

リェーナ・カーチナ(Лена Катина)の方は、Clark Owenとのコラボ曲「Melody」をリリース。Clark Owenって知らなかったので、調べてみるとイギリスのトランス系アーティスト。もともとはエレクトロだったようですが、この曲からもトランス色が強いです。

melodyMelody
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美メロ・トランスになっており、このあたりで路線変更かと思わせる内容です。前回紹介したユーリャと今回のリェーナの作品を比べる限りにおいては、僕の趣向から言えば、ユーリャです。

同時に同じコラボ作品でも、こちらのメキシコのエレクトロポップ・バンド、Belanovaとの作品の方に、可能性を感じます。ぜひ、次回は彼らのバックの全面的にリェーナのヴォーカルでのヴァージョンが聞きたいです。

Sueno Electro IISueno Electro II
アーティスト:Belanova
販売元:Universal Latino
(2011-09-06)
販売元:Amazon.co.jp
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リェーナの動向はこちらで詳しくレポートされていますので、ぜひ読んでください。
Lena Katina Japan 公式ファンサイト 

『MUSIC MAGAZINE』を読んでいて、偶然見つけたライヴ・・・あのTrevor Horn先生が来日! 元10ccのLol CremeなどとProducersとして(これは後で誤解だと分かる)!

producers


The Bugglesに始まるTrevor Horn信者としてはいてもたってもいられません。会場はBillboard Live Tokyo!お、偶然、その日まで別件で東京いるぞ、俺と、喜び勇んで、Billboardに電話すると8月6日のチケットがまだある! The Bugglesの再結成ライヴ的なものは今までロンドンで確か2回ほどあって、マジで渡英を考えたこともありますが、こんなチャンスは二度ないかも。期待に胸は膨らみます。

僕が観たのは、8月6日の1stステージ(8月5日、6日で一日2公演)。電話予約の際、ステージに近い所で観たいと行ったら、自由席に。結果、テーブル席のステージのほぼ中央、前から2列目を確保。あまり、前で見ることに執着しない人なのですが、この日は別。

メンバーからしてProducersの曲を中心に一部TrevorやLolの曲をやるのかという予想を嬉しく裏切り、The Bugglesを核に出血大サーヴィスなセットリスト。最初、Trevorが出てきて、水色の当時のウェリントン型メガネ(実際、33年前のメガネだと言っていました・・・欲しい)をしているのを見て、予感はしたのですが、1曲目から「ラジオスターの悲劇」ですもん。もちろん、お姉ちゃん(KirstenとKate)がちゃんと「アーアーアッ」とバックコーラス(この二人は後にも大活躍)。

2曲目は、何故か「Two Tribes」のインスト。4曲目の10ccの「Rubber Bullets」の後にTrevorが「Russian girls」とか前振りを。そう、t.A.T.u.の「All The Things She Said」を二人のお姉ちゃんが歌います。そこまでやるか!

8曲目の「Living In The Plastic Age」はもう嬉しすぎて涙目。



ちなみにアンコール前のラストも、The Bugglesの「Johnny On The Monorail」。

TrevorがYesをやる時に、「Yes時代は僕の人生で一番無惨だった頃」と言ったのは感慨深い。僕は、Trevor時代(メンバー及びプロデューサー)のYesが一番好きですよという少数派。そして、Lolが歌った訳ではないけど、10ccの「I’m Not In Love」もとサーヴィス攻撃は続きました。

割とすぐに戻ってきたアンコールでやったのは、Will.i.am & Nicki Minajによる「ラジオスターの悲劇」の歌詞を変えた「Check It Out」というサーヴィスぶり。Trevor先生、このカヴァーは好きみたい。



そして、最後の最後はTears For Fearsの「Everybody Wants To Rule The World」。これはギターのPhil Palmerが関わっていたことからという薄いつながり。結果、Producersの曲は最後までなし。まぁ、いいか。サーヴィスし過ぎの内容とも言えますが、素直に嬉しい。これは人生における記憶に残り続けるライヴです。

唯一、悔しかったのは、ステージ後サイン・写真大会になった 2ndステージは見れなかったこと!

Made in Basing StreetMade in Basing Street
アーティスト:Producers
販売元:Pid
(2012-07-03)
販売元:Amazon.co.jp
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Jet Age(ジェット機時代)は、ジェットエンジンによってもたらされた空のトラベルの革命で始まりました。今では、飛行機はジェット機なので、あまりジェット機とは言いませんが、Jet Set、Jet Age、どれも夢のある良い響きです。その時代は1958年頃から始まりました。

イギリスのエレクトロポップ・バンド、Ladytronが、その名も「Jet Age」という曲を歌っています。Ladytronという名前は、わかる人にはわかる、Roxy Musicの曲名から。結成は1999年で、エレクトロクラッシュ〜エレクトロが流行る前から、活動していた男女混成の4人組。彼らがまださほど注目されていなった2001年、デビュー・アルバム『604』に収録されていたのが、「Jet Age」。その後も現在まで活動しリリースを続けていますが、一番ポップで好きなアルバムです。このPVはNeumuという制作チームによる作られた公式にはカウントされていなPVですが、A Fine Piece of Workです。



604604
アーティスト:Ladytron
販売元:Cobraside
(2009-09-15)
販売元:Amazon.co.jp
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今回は60年代ではなく、50年代がゼロ年代にリヴァイヴァルするパータンです。先ずはオリジナルから。映画ファンでなくても、George Clooney(ジョージ・クルーニー)はご存知でしょう。アメリカ人的な目線では男前の典型。彼のおばさんがRosemary Clooney。1928年に生まれ、2002年に亡くなっています。

彼女が1954年(さすがに僕も生まれていない!)にリリースし、全米10位、翌年英国では1位になったのが、「Mambo Italiano」。よくこんな時代の動画が残っているなと感心しますが、若き日のRosemary、美人。Georgeも彼女にどことなく似ていますね。そして、今のアメリカにはないおしゃれさを感じます。



Playlist: the Very Best of Rosemary ClooneyPlaylist: the Very Best of Rosemary Clooney
アーティスト:Rosemary Clooney
販売元:Playlist
(2011-10-18)
販売元:Amazon.co.jp
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この曲は、ラテンハウス系のミュージシャンに好まれています。ここでは紹介できませんが、Basement Jaxxもカヴァーし、Shaft(共に英国)のカヴァーは、イギリスのチャートで12位まで行きました。



Mambo ItalianoMambo Italiano
アーティスト:Shaft
販売元:Wonderboy
(2000-03-13)
販売元:Amazon.co.jp
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1981年、Dave Stewart & Barbara Gaskinによる「It’s My Party」は、全英1位に輝きます。これまでも同傾向の曲を紹介しましたが、これは典型的なエレクトロポップ化した60年代ガールポップ! この二人、芸歴は長く、DaveはEurythmicsのDaveとは同名別人で、Eggなどのプログレ系バンドで活動してきたキーボーディスト。BarbaraもSpirogyraやDaveと同じHatfield And The Northで活動してきたヴォーカリスト。PVも見応えがあり、蝶ネクタイをしたThomas Dolbyが登場します。



Broken Records - The Singles [Special Edition] (ザ・シングルズ・スペシャル・エディション)Broken Records - The Singles [Special Edition] (ザ・シングルズ・スペシャル・エディション)
アーティスト:Dave Stewart & Barbara Gaskin(デイヴ・スチュワート & バーバラ・ガスキン)
販売元:Arcangelo
(2010-12-15)
販売元:Amazon.co.jp
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60年代、この曲は複数の人に歌われました。60年代のオールディーズものを聴いてみれば、色々な歌手が歌っています。アメリカ人、Lesley Goreによる1963年のヴァージョンが、全米1位となり一番有名です。最近まで知らなかったのですが、これをプロデュースしたのは、Quincy Jones。日本では、邦題「涙のバースディパーティー」で園まりなども当時カヴァーしていました。



涙のバースデイ・パーティ~レスリー・ゴーア・ベスト・セレクション涙のバースデイ・パーティ~レスリー・ゴーア・ベスト・セレクション
アーティスト:レスリー・ゴーア
販売元:USMジャパン
(2009-06-03)
販売元:Amazon.co.jp
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ゴールデン☆ベストゴールデン☆ベスト
アーティスト:園まり
販売元:ユニバーサル インターナショナル
(2004-02-25)
販売元:Amazon.co.jp
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Naked Eyes・・・覚えておられるでしょうか? Pete Byrne(ヴォーカル)とRob Fisher(キーボード)からなるイギリスのエレクトロポップ・ユニット。 シンセドラムが印象的なこの曲「Always Something There to Remind Me」(邦題は「僕はこんなに」)は、1982年にリリースされました。プロデュースは、New MusikのリーダーでもあったTony Mansfield。意外なことに、この曲は本国英国(59位)よりもアメリカ(8位)で受けいられました。残念なことに、後にClimie Fisherとしても活躍したRob Fisherは、42歳の若さで1999年に死去。



The Best of Naked EyesThe Best of Naked Eyes
アーティスト:Naked Eyes
販売元:Capitol
(1991-04-30)
販売元:Amazon.co.jp
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レアトラック満載のこちらもお勧め。
Everything and More - Naked Eyes

これは、Burt BacharachとHal Davidによる所謂バカラック・ナンバーのひとつ。Bacharach自身もこのNaked Eyesのヴァージョンを彼の一番のお気に入りとしています。60年代にこの曲は、最初にDionne Warwickが歌うデモ曲が作られ、Lou Johnsonがアメリカで最初にリリースしますが、それほどヒットしませんでした(全米49位)。しかしながら、同年、英国のSandie Shawがカヴァーし、全英1位となっています。

The Knocksの回に、彼らのマッシュアップとして紹介したエリー・ゴールディング(Ellie Goulding)について書きましょう。エリーは、Skrillex君の「Summit」のゲストボーカルにも起用されている、25歳のイギリス人。また、Frankmusikのサポートで「Wish I Stayed」も歌っています。

彼女のデビューアルバム『Lights』(2010年)は、本国イギリスで見事に1位に輝きます。エレクトロ系のStarsmithが主たるプロデュースをやっている割には、外見的には、エレクトロディーヴァ的ではなく、楽曲もエレクトロ(ちょっとエレクトニカより)とアコースティックが折衷しています。美形だと思いますが、都会のクラブよりもイギリスの田園風景の方が似合う感じ。

こちらは『Lights』に曲を追加した強化盤『Bright Lights』。

Bright LightsBright Lights
アーティスト:Ellie Goulding
販売元:Polydor UK
(2010-11-30)
販売元:Amazon.co.jp
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この手が好きな僕の趣味もあるでしょうが、おしなべてアルバムの曲は粒ぞろい。「Lights」や「Starry Eyed」もいいのですが、「Under The Sheets」を紹介しておきます。



エレクトロではないですが、とにかく英国的で良いのが、エルトン・ジョンの「Your Song」のカヴァー。この曲、僕がまだ10代だった頃シングルを買った覚えがあります(涙)。

デビュー時は、モヒカンでアートパンクスのようなルックスのFrankmusik君でしたが、セカンド・アルバム『Do It in the AM』(2011年)では、まるで『グリース』のジョン・トラヴォルタのようにイメチェン。
Do It in the AmDo It in the Am
アーティスト:Frankmusik
販売元:Interscope Records
(2011-09-27)
販売元:Amazon.co.jp
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イギリス受けしない内容か、アルバムのセールス自体はふるわなかったのですが、僕は好きです。特にコレット・カー(Colette Carr)とコラボした「No I.D.」。デヴィッド・ゲッタ(David Guetta)のブレイク以降、エレクトロ系とちょっとジャンル違いの人とのコラボというのが流行っているのでしょうが、これはなかなかよろしい。


タイトルでビッチとか失礼な事を言っていますが、「Bitch Like Me」という曲でコレットちゃんは自称ビッチをアピールしています。
bitchlikeme


ヒップホップ系ですが、西海岸のアフィー(Uffie)って感じ。

Frankmusik君の続きです。
彼のデビュー・アルバムは『Complete Me』(2009年)。
Complete Me-Deluxe EditionComplete Me-Deluxe Edition
アーティスト:Frankmusik
販売元:Island UK
(2009-08-04)
販売元:Amazon.co.jp
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イギリスではチャート13位まで行き、新人としてはそこそこの成果。シングルカットもされた「Confusion Girl」のPVには、オーストラリア出身のセクシー・アイコン、ホリー・ヴァランス(Holly Valance)が登場。そして、役得というか確信犯というか、Frankmusik君はHollyと熱いキスをかわしています。


ホリーを知らない人は、 彼女がタルカンのカヴァーで一世を風靡した(僕の中では)「Kiss Kiss」のPVを見て勉強してください。


最近はシンガーとしての活動はなく、女優に専念しているホリーですが、こんなセクシーでユーモアたっぷりのクリップもあります。これは必見!


Frankmusikと言いながら、ホリー特集になってしまいました。

Daft Punkの曲の多くは元ネタがあって、それらの多くは古いソウルものですが、カヴァーではなく、Daft Punkをネタにした曲もありますね。

有名なところでは、LCD Soundsystemの「Daft Punk Is Playing At My House」。


オリジナルよりもSoulwaxのリミックスの方が僕は好きですけど。

イギリスのエレクトロポップ系アーティスト、Frankmusik君(Vincent James Turner)が、なかなか手の込んだトリビュート・ソング「Our Discovery」を作っています。歌詞もサウンドも「One More Time」「Aerodynamic」「Technologic」などのDaft Punk曲がちりばめられています。偶然、発見したのですが、WhoSampledというどの曲がどの曲をサンプリングしたかをデータベース化したサイトで、この曲のことも書いてあります。


longlivefrankmusik尚、これは通常リリースではなく『Long Live Frankmusik』という無料配信EPに収録されています。Lady Gagaの「"Eh Eh (Nothing Else I Can Say)」やCSSの「Move」などのリミックス仕事、最近ではErasureのアルバム『Tomorrow's World』のプロデューサーとしても活躍しています。

80'sリヴァイヴァル集団のVALERIEについて以前、All Aboutで2回特集しました。
VALERIE〜フレンチエレクトロ集団
VALERIE〜THE NEW 80'S

『VALERIE AND FRIENDS』(2009年)というValerieのコンピレーションに「Eyes Like The Ocean」という曲で参加していたのが、今回紹介するFuturecop!。彼らはValerieに所属している訳ではなく、80’sリヴァイヴァルを志す同志(Friends)という扱いだったのでしょう。出身もフランスではなく、イギリスのマンチェスター。

VALERIE AND FRIENDSVALERIE AND FRIENDS
アーティスト:オムニバス
販売元:NURBS/THISTIME
(2009-08-19)
販売元:Amazon.co.jp
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ジャパニーズエレクトロ、80kidzのリミックス集『THIS IS MY WORKS』(2009年)においてもFuturecop!の「Class Of 1984 (80kidz)」が収録されています。

THIS IS MY WORKSTHIS IS MY WORKS
アーティスト:エイティーキッズ
販売元:ケイエスアール
(2009-12-16)
販売元:Amazon.co.jp
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Futurepop!のデビュー・フルアルバム『It's Forever, Kids』(2010年)は、表ジャケだけでなく、裏ジャケ、中ジャケでアニメ的なモチーフを使用しています。ニート(Manzur Iqbal)とクラブDJ(Peter Carrol)から成る凸凹ユニットなどと呼ばれています。

It's Forever,KidsIt's Forever,Kids
アーティスト:フューチャーコップ!
販売元:CLUSTER SOUNDS
(2010-11-03)
販売元:Amazon.co.jp
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オープニングを飾るのが、80年代ティーンエイジャー映画的PVが製作された近未来型インスト曲「Transformers」。日本人リミキサーのKiyoshi Sugoによるリミックスも収録されています。



「1988 Girls」などはValerieのテイストにも通じる80年代映画のクリップを集めて作った動画が、YouTubeで公開されています。これは、TNUCというカリフォルニアの職人が作ったものです。80年代、音楽はイギリスのニューウェイヴとアメリカの映画がシンクロしていたんだなぁと・・・感慨深いですね。

80年代OMDの話の後は、14年ぶりの新作『The History Of Modern』(2010年)について書きます。OMDは1996年にほぼ活動停止。その後、Andy McCluskeyはAtomic Kittenなどに曲を提供し、裏方に専念していました。

しかし、2006年にはOMDとしての活動を再開し、2007年よりツアーを開始し、『OMD Live: Architecture & Morality & More』(2008年)というライヴ・アルバムもリリースしました。

LiveLive
アーティスト:Orchestral Manoeuvres In The Dark
販売元:Eagle
(2008-12-24)
販売元:Amazon.co.jp
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僕にとって最近の一大ニュースだったBugglesの再結成ライヴ(2010年9月28日)のスペシャル・ゲストにOMDが出演。他にも、Alison Moyet(Yazoo)、Claudia Brucken(Propaganda)が登場しました。あ〜、行きたかった!!!

さて、OMDの新作の出来は? 正直なところ、80年代が全盛だったアーティストが復活して、当時を知るリスナーが納得できる作品をリリースする事は少ないです。そんな中、彼らの新作は変に時代に媚びることなく、OMD節を貫いている良作だと思います。メランコリーなテクノポップを作らせたら、俺達にはかなわないとの意気込みが伝わるのが、「Sister Marie Says」。どことなくメロディーは「エノラ・ゲイの悲劇」。PVでは、イギリス人然とした少女の不遇な日常が歌われています。なお、このアルバムは全英チャートで28位まで行きました。



ジャケは、過去のOMDやNew Orderの作品を手掛けてきたPeter Savilleによる幾何学模様!

History of ModernHistory of Modern
アーティスト:Omd
販売元:Bright Antenna
(2010-09-28)
販売元:Amazon.co.jp
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OMDの14年ぶりの新作『The History Of Modern』がリリースされました。80年代の代表的な英国のエレポップ・バンドですが、当時、Orchestral Manoeuvres in the Darkって長ったらしい名前だなと思いつつ、3文字アクロニムにELOやYMOを投影していました。先ずは、80年代のOMDについて語ります。メンバー移動がありましたが、濃い眉毛が特徴のAndy McCluskeyとPaul Humphreysが中心メンバー。

彼らの代表曲と言えば、“悲劇”の名曲「エノラ・ゲイの悲劇(Enora Gay)」(1980年)。この曲で、広島に原爆を投下したのは爆撃機の名前(同時に機長のお母さんの名前)は「エノラ・ゲイ」だと知りました。「エノラ・ゲイ、昨日は家に居るべきだったんだよ」「エノラ・ゲイ、こんな風に終わらせるべきじゃなかっただよ」と・・・心痛な歌詞です。人類史上の悲しい出来事をテーマにしながら、メランコリーだけど、こんなにポップな曲を作ってしまうところにイギリス人らしさと感じます。



1998年には、『The OMD Singles』様にSasha Remixも制作されました。こちらのPVはよりメッセージ性が強まっています。



他にもヒット曲や好きな曲がいっぱいあるOMDですが、個人的に好きなのが「Telsa Girls」(1984年)。過剰な音作りが80年代を極めています。



OMDのベストアルバムは複数出ていますが、お勧めなのはDVDもついた『Messages』(2008年)。

Messages: Greatest Hits (Bonus Dvd)Messages: Greatest Hits (Bonus Dvd)
アーティスト:OMD
販売元:Emd Int'l
(2008-08-21)
販売元:Amazon.co.jp
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The Maisonettesというグループをご存知でしょうか? エレクトロポップと言っていいでしょうが、The Buggles、New Musik等にも通じる、The Beatlesを継承するモダンポップと60年代キッチュを兼ね備えています。Rah Bandが好きな人にもお勧めです。と言っても、女性が主役ではなく、女性はバックボーカルだけなので、ガールポップの系譜からは外れてしまいますけど。そんなことはどうでもいいほど、The Maisonettesはノスタルジックに素晴らしい。

彼らの代表曲は、モータウンmeetsテクノポップな「The Heartache Avenue」(1983年)。英国では7位というスマッシュヒットとなりましたが、同時に一発屋的な認識もされています。でも、他の曲の出来が悪い訳では決してなく、ただヒットしなかっただけです。でも、この時代、英国のシングルチャートというのは、素晴らしい曲がいっぱいだったと・・・ バックコーラスとしてPVにも登場する二人のおねえちゃん(ジャケにもちゃんと写っています)もメンバーなのですが、彼女達は歌に問題があったため、実際のスタジオレコーディングでは別の女性が歌いました。ここはやはり、ルックス重視ですかね。



リードヴォーカルのLol Masonは元City Boyという英国モダンポップ系のバンド出身。「10ccを凌ぐとさえいわれる都会派ロック」が日本での売り出し文句でした。City Boyもコーラス重視だったので、その部分はThe Maisonettesにも引き継がれたようです。

「The Heartache Avenue」は後にUKのヒップホップ系のグループ、Roll Deepによって「The Avenue」というタイトルで2005年にサンプリングされています。サンプリングと言っても、The Maisonettesの「The Heartache Avenue」の上にラップを被せただけに聴こえます。名曲再発掘としては評価しますが、これで、英国11位っていうのは、如何なものかと・・・



彼らの集大成とも言える『Heartache Avenue: The Very Best of the Maisonettes』(2004年)には、他にもBeatlesっぽい「Lessons In Love」、60’sな「Where I Stand」、泣かせるバラード「Roni Come Home」など一発屋なんて呼ばせたくない名曲を残しています。

The Heartache Avenue: The Very Best of the MaisonettesThe Heartache Avenue: The Very Best of the Maisonettes
アーティスト:Maisonettes
販売元:Cherry Red UK
(2004-05-11)
販売元:Amazon.co.jp
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Tracy Ullmanと負けず劣らず、60'sリヴァイヴァル系歌姫の中で好きなのがMari Wilson。トレードマークは、ビーハイヴ(ハチの巣)。ビーハイヴは、アメリカのニューウェイヴ・バンド、The B-52'sのトレードマークでもありますが、このヘアスタイルがB-52ストラトフォートレス爆撃機のノーズの部分に似ているため、B-52という呼び方もされていました。ビーハイヴは、「ティファニーで朝食を」のAudrey Hepburn、60年代の歌姫Dusty Springfieldなど、60'sキッチュの象徴でした。Mari Wilsonのビーハイヴは本物で、The B-52'sのはかつららしいです。

Mari Wilsonは奇才Tot Taylor(正確には彼のお兄さん)が設立した60'sキッチュなCompact Organizationからデビュー。Pizzicato Fiveの小西康陽氏もCompactの会員でした。Compactからは、『A Young Person's Guide To Compact』(1982年)というレーベル・コンピレーションがリリースされています。元々のLPは2枚組ですが、後に1枚にまとめたCDも英国盤と日本盤(WAVE)がリリースされました。この2枚のCDは微妙に収録曲や曲順が違います。

青少年のためのコンパクト・オーガニゼーション入門 (輸入盤 帯・ライナー付)青少年のためのコンパクト・オーガニゼーション入門 (輸入盤 帯・ライナー付)
アーティスト:VARIOUS ARTISTS
販売元:LTM
発売日:2007-08-25
おすすめ度:5.0
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彼女が1982年にリリースした「Just What I Always Wanted(マリのピンクのラヴ・ソング)」は、英国で8位というスマッシュヒットとなりました。邦題は意味不明なほどにクリエイティヴ! この曲は、Teddy Johnsonが書いたものですが、プロデューサーはNew MusikのTony Mansfield。5分を超える12インチ・ヴァージョンもありますが、この時代のものは、インスト部分が長いエクステンド・ヴァージョンに過ぎません。まぁ、それはさておき、この曲は、Mariのソウルフルなヴォーカル、ベースとなったモータウンサウンド、Tonyの絶妙なテクノポップなアレンジが、三位一体となった名曲です。



Tony Mansfieldがメインのプロデューサーとなって製作された『Showpeople』(1983年)では、他にも「Wonderful To Be With You」「Are You There With Another Girl?」「Beware Boyfriend」など他にも泣きそうにいい60’sキッチュなテクノポップが揃っています。

ショウ・ピープルショウ・ピープル
アーティスト:マリ・ウィルソン
販売元:バウンディ
発売日:2010-09-08
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90年代に入ってアルバム『Rhythm Romance』(1991年)をリリースしましたが、残念なことにエレクトロから離れジャズ寄りのスタンダードなサウンドとなりました。その後長らく活動を休止していましたが、『Dolled Up』(2005年) 、『Emotional Glamour』(2008年)とゼロ年代に復活を遂げています。

新しいシリーズを始めます。80年代、ニューウェイヴの時代に一つの傾向としてあったのが、60年代サウンド、特にガール・グループやキューティズ的なモノへの回帰現象がありました。60年代というのは、ボク自身、生息はしていましたが、小さすぎたので、あまり原体験としての記憶ありません。60年代はポップス黄金時代・・・なんとなく60年代的なモノへの憧れは潜在的にあったのでしょう。ということで、ここで扱うのは60年代のポップではなく、60年代への憧れを込めた80年代以降のポップだと解釈してください。80年代以降、現在においてもその流れを汲んだ音楽は脈々と続いています。

シリーズの初めを飾るのは、Tracy Ullmanです。MTV(いや、当時日本で見ていたのは、Sony Music TV)の時代にニューウェイヴ系に混じって、彼女の曲は流れていました。この手のリヴァイヴァルものは、それほどテクノでもニューウェイヴでもないのですが、同じ部類のものとして受け止められていた感があります。YMOを聴きつつも大瀧詠一を聴く気分。初めて、彼女の「They Don't Know(夢みるトレイシー)」(1983年)を聴いた時、なんて素敵な曲なんだろうと素直に感じました。PVがさらに素敵さに拍車をかけます。60’sキューティな装いのTracy。Bay City Rollersネタなども出てきます。青春時代とその後のやさぐれた感じも、流石喜劇女優のTracyはばっちり演じてくれます。終盤のドライヴのシーンでは、な、な、なんと、Paul McCartneyが彼氏役として登場します。まだ、若いですね〜Paul。



当時は知らなかったのですが、これはKirsty McCollが1979年にリリースしたカヴァー曲。こちらも本国、英国ではそこそこヒットしました(7位)が、Tracyのカヴァーは英国(2位)だけでなく、ビルボードチャートでも8位と大健闘。Tracyの方が、ドリーミーでPhil Spectorサウンド化しています。でも、ちょっとやるせないKirstyのヴァージョンも大好きですけどね。

意外なのですが、この「They Don't Know」をカヴァーした日本人は、BaBe。彼女達のデビュー・シングルとしてMichael Fortunatiのカヴァー曲『Give Me Up』(1987年)にカップリングされています。邦題は、「夢みるトレイシー」ではおかしいので、「哀しみは朝の雫のように」となっています。

話はTracyに戻します。英国で「They Don't Know」の前にリリースされたデビュー・シングル『Breakaway(涙のブレイク・アウェイ)』も全英4位とヒット。オリジナルはIrma Thomasの『Wish Someone Would Care』(1964年)のカップリングという渋いセンス。その後、Beryl Marsden、Jackie DeShannonなどもカヴァーしており、60年代への憧憬が如実に表れた曲です。



歌手Tracyのキャリアは2枚のアルバム『You Broke My Heart in 17 Places(夢みるトレイシー)』『You Caught Me Out(ハ〜イ! トレイシー)』(1983年)のみで、その後、複数のベスト・アルバムがリリースされています。

夢みるトレイシー(K2HD/紙ジャケット仕様)夢みるトレイシー(K2HD/紙ジャケット仕様)
アーティスト:トレイシー・ウルマン
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2006-03-15
おすすめ度:4.5
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ハ~イ!トレイシー(K2HD/紙ジャケット仕様)ハ~イ!トレイシー(K2HD/紙ジャケット仕様)
アーティスト:トレイシー・ウルマン
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2006-03-15
おすすめ度:4.0
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現在も英国人独特のちょっと毒のあるキャラクターで女優として活躍し、最近はなりきりSusan Boyleとかやっています(似てる〜)。日本のTracy Ullmanって誰だろう? 清水ミチコや友近あたりですかね。

Bugglesが9月28日にロンドン(West London のどこからしい)にて再結成ライヴするとの発表がありました。再結成ライヴ自体は、DVDも発売された2004年の「A Concert For Prince Trust」で既に行われています。Trevor HornとGeoff Downes に加え、「Prince Trust」にも参加したBruce WoolleyもオリジナルBugglesラインナップとして登場予定です。また、僕の記憶が正しければ、90年代末の12月に一度、ロンドンでシークレットライヴをやったはずです。

producedbytrevorhorn
プロデュースド・バイ・トレヴァー・ホーン~ア・コンサート・フォー・プリンス・トラスト [DVD]
アーティスト:フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド
出演:オムニバス
デジタルサイト(2007-02-07)
おすすめ度:4.5
販売元:Amazon.co.jp
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今回、注目すべきは、Bugglesのファースト・アルバム『The Age Of Plastic』(1980年)から全曲を演奏するという点です。2004年のライヴでは、「Video Killed The Radio Star」と「Living In The Plastic Age」の2曲だけでした。

ラジオ・スターの悲劇+3ラジオ・スターの悲劇+3
アーティスト:バグルズ
USMジャパン(2006-12-20)
おすすめ度:5.0
販売元:Amazon.co.jp
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ファンとしては、売れなかった珠玉のセカンド『Adventures In Modern Recording』(1982年)からもやって欲しいという要望もあるでしょうが、ファースト全曲が生で聴けるだけでも貴重な経験でしょう。

たぶん、全曲とは現在の再発CDには収録されているボーナストラックを除いた当時のトラックでしょう。
つまり・・・

01. Living In The Plastic Age
02. Video Killed The Radio Star「ラジオスターの悲劇」
03. Kid Dynamo
04. I Love You (Miss Robot)
05. Clean, Clean
06. Elstree「思い出のエルストリー」
07. Astroboy (And The Proles On Parade)
08. Johnny On The Monorail

Bugglesと言えば、「ラジオスターの悲劇」が代名詞となっています。MTV時代幕開けの象徴でもあり、カヴァー曲も国内・海外問わず、世界規模でなされています。比較的最近では、加藤紀子ちゃんや桃井はるこちゃんもカヴァーしています。2003年までのカヴァーについては、以前僕が書いた記事をご覧ください。



ラジオスターの悲劇〜日本大会
ラジオスターの悲劇〜世界大会1
ラジオスターの悲劇〜世界大会2

このアルバム『The Age Of Plastic(当時の邦題は「プラスティックの中の未来」)』は、1979年の「ラジオスターの悲劇」の想定以上のヒットを受けて急遽製作されたものです。アルバム発売のタイミングの悪さなどもあってか、アルバムは同じくらいのヒットはしませんでした。しかし、この作品は、近未来、科学技術の進歩、ロボットなどをモチーフとしたテクノポップのコンセプト・アルバムとして、まさに金字塔的存在です。

全て思い入れがある曲なのですが、
ロンドン郊外の地名が由来となった「Elstree」・・・シングルカットもされましたが、ヒットせず!スウェーデンのNASAというBuggles&New Musikフォロワー的バンドがカヴァー。



鉄腕アトムの曲「Astroboy」・・・林夕紀子さんがジャジーなカヴァー

TimbreTimbre
アーティスト:林夕紀子
ewe records(2007-05-24)
おすすめ度:5.0
販売元:Amazon.co.jp
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・・・など、隠れた秀作がこのアルバムにはあります。

残念ながら、Trevor Horn公式サイトによると、他のツアー、DVD、ライヴCDの予定はないとの事・・・あー、見に行きたい、LONDON CALLINGな気分です。

Marina & The Diamondsとは、これまたベタというか70年代〜80年代的なネーミングです。古くはPaul McCartney & Wings・・・80年代ならKatrina & The Waves、Martha & The Muffins(カナダのバンドですが、知らないですよね)・・・日本なら、Sheena & The Rokkets、Sandii & The Sansetz、シルビアとロスインディオス、内山田宏とクールファイヴとか。

でも、MarinaがThe Diamondsというバンドとやっている訳ではないのです。彼女の本名は、Marina Diamandis。Diamandisとはギリシア語でダイアモンド。一人だけれど、Marina & The Diamonds。The Diamondsは彼女のファンという設定との事。amUも同じようなロジックを使っていましたね(笑)・・・acoとmeruとYou(あなた)。

thefamilyjewelsエレクトロポップと言っていいと思いますが、イギリス臭がぷんぷんします。イギリスの血が入っている私として(気持ちだけですよ)、血が騒ぎます。予備知識も無く、彼女のデビュー・アルバム『The Family Jewels』を聴いていると、ちょっとKate Bushがエレクトポップ化したようだなぁと思っていると、やはり彼女は巷ではKate Bushの再来と呼ばれている。曲によっては、ちょっと捻じれたEnyaみたいでもあったりする。Marinaはウェールズとギリシアの血を引く、黒髪が美しいエキゾチックな顔立ち。海外のエレクトロガールはどちらかというと、特にアメリカの場合、セレブ系が多いのですが、彼女はそちらの世界ではなさそう。

BBCがネクスト・ブレイク・アーティストを選ぶ「BBC Sound Of 2010」でも、Ellie Gouldingに続いて、堂々の2位に選ばれました。ちなみに2009年の1位は、同じくエレクトロポップ系のLittle Bootsちゃん。2004年には、先日、「以心電信」のカヴァーで紹介したKeaneが選ばれています。

お勧めの曲はPVにもなっている「I Am Not A Robot」。ボディーペインティングに挑戦。



意外とセレブ趣味! チアガールコスの「Hollywood」。Britney Spearsが好きらしい。



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KeaneというUKのスリーピース・バンドをご存知でしょうか? 『Hopes And Fears』 (2004年)、『Under the Iron Sea』(2006年)、『Perfect Symmetry』(2008年)という3枚のアルバムをリリースし、全てのアルバムが全英1位を成し遂げています。彼らのデビュー・シングル「Somewhere Only We Know」は、ピアノを基調にしたUKバンドらしい泣きも入ったメロディアスな曲。音楽雑誌なら、『CROSSBEAT』や『snoozer』とかに出てくるバンドです。



thenighttrainそんな彼らが、4枚目としてリリースしたのが、8曲入りミニアルバム『The Night Train』。またもや、全米1位。何故僕がそんな事を書いているか? YMOの「以心電信」をカヴァーしたからです。しかも、日本のバイレクトロの先駆者的存在、TIGARAHをフィーチャリングして! カヴァーはメインのソングライターのTom Champlinのアイデアですが、リードヴォーカルのTim Rice-Oxleyが「以心電信」に関してインタヴューに答えています。




日本人がKeaneのような大物バンドのヴォーカルとして起用されるのは、素直に嬉しいですね。慶応出身の才女、TIGARAH(虎という意味らしい)は、バイレファンキの本場、ブラジルに2003年単身で乗り込み、その後、L.A.でも活動を経てデビュー。MySpaceのインタヴューでは、「和製M.I.A.と呼ばれていたけど、最近は和製Lady Gagaと呼ばれるの・・・」と流暢な英語でインタヴューに応えていました。おおお、和製Lady Gagaをマジで目指してほしいものです。

tigarah2009年の4月にミニアルバム『TIGARAH!』をリリース。1曲目の「Space Travel」は、New Orderの「Blue Monday」ネタでニタリとします。同曲のリミックス曲「Space Travel RMX」はDoes It Offend You, Yeah? というバンドの Morgan Quaintance のDaft Punk風リミックス。ミニアルバムの曲は、「Supa Gurl RMX」を除いてヴァージョン違いもありますが、フルアルバムに収録されています。これだけでミニアルバムに価値が出ています。




thefunkeira続いて8月にフルアルバム『The Funkeira goes BANG!』というなかなか早いペース。やはり一押しは、闘う女に相応しい「Girl Fight」でしょう。女子プロレスのリング入場曲に誰か使ってください。『ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン』が映画化されたりしたら、主題歌にも使えそう。


話をKeaneに戻しましょう。『The Night Train』 というアルバムは、「以心電信」が入っているから買ったというのが本音ですが、僕が持っているKeaneのイメージを遥かに凌駕するものでした。「以心電信」の英語ヴォーカル部分はTim、日本語部分はTIGARAH。TIGARHAの歌唱は彼女のソロと比べると意図的にフラットです。テクノポップ的な部分も残しつつ、Keaneサウンドに上手く仕上げています。他の曲も、彼らの今の気分なのか、エレクトロやヒップホップ的な要素も取り混ぜて、いい意味で折衷的な哀愁のUKロックが楽しめます。7曲目「My Shadow」のイントロがどうしても「ロッキーのテーマ」に聴こえます(笑)。

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