では、本題の電子クンビア(デジタルクンビア)について話を進めましょう。2008年頃から注目され始めたこのジャンル、オランダ人のディック・エル・デマシアド(Dick El Demasiado)が電子クンビアの父とされており、2000年頃からコツコツと取り組んでこられたようです。彼の『Sus Cumbias Lunaticas y Experimentales』(2009年)はその集大成。

クンビア・ルナティカ/エクペリメンターレクンビア・ルナティカ/エクペリメンターレ
アーティスト:ディック・エル・デマシアド
販売元:utakata records
(2009-07-01)
販売元:Amazon.co.jp
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最近は、電子クンビアのコンピレーションも増えてきており、『Cumbia! Bestial』(2010年)では、コロンビアだけでなく、メキシコ、アルゼンチン、アメリカ、オーストラリアなどの世界の電子クンビアを選曲しています。

クンビア・ベスティアルクンビア・ベスティアル
アーティスト:オムニバス
販売元:BARRIO GOLD RECORDS/MUSIC CAMP, Inc.
(2010-09-12)
販売元:Amazon.co.jp
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このコンピにも収録されている、クンビアの故郷とも言えるコロンビア発の電子クンビア・バンドが、Bomba Estereo! コロンビアのクンビアとエレクトロを融合させた様式は、自らエレクトロトロピカルと呼んでいます。アルバム『Vol. 1 』(2006年)でデビューし、セカンド『Estalla』はアメリカではタイトルが『Blow Up』(2009年)と改名されリリース。

ブロウ・アップブロウ・アップ
アーティスト:ボンバ・エステーレオ
販売元:NACIONAL RECORDS/MUSIC CAMP, Inc.
(2009-06-21)
販売元:Amazon.co.jp
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お勧めのトラックは、ずばり「Fuego」。単に電子化したクンビアではなく、エレクトロやレゲエ・ダブを昇華し、ディスコパンクなどにも通じる衝動があります。4人組ですが、いい意味で荒削りなリリアーナ(Liliana Saumet)という女性ヴォーカルも大事なポイント。どこにでもいそうなおねえちゃんという感じも良し。



2009年には来日していたようで、知っていたら見に行きたかった・・・