四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

カテゴリ: スウェーデン

先日、Phoenix好きにお勧めのスウェーデンのRoyal Conceptを紹介しましたが、同じくスウェーデンのThe Amplifetesをご紹介します。

2008年に結成され、2010年にデビュー・アルバム『The Amplifetes』をリリース。このタイミングでは僕はすっかり見逃していました。「Somebody New」は、タイトなロッキントラックですが、大学の変人先生みたいな風貌の髭もじゃ君のボーカル、いけてます。サウンドもどことなくひねくれている。

AmplifetesAmplifetes
アーティスト:Amplifetes
販売元:EMI
(2010-09-14)
販売元:Amazon.co.jp




こちらでは、Queenになりきり。

amplifetes


2013年にセカンド・アルバムがリリースされる予定ですが、新曲「You/Me/Evolution」を偶然発見し、打ちのめされました。出だしから、Pheonixっぽく、43秒あたりで・・・わぁ、これELOみたいな超キャッチーな曲。壮絶なエンディングで閉じる毒のたっぷり詰まったクリップは、議論を招くものです。人によっては、ただの悪趣味と見えるかもしれません。その判断は各自にゆだねます。



You/Me/Evolution - Single (Single) - The Amplifetes

僕が好きなバンドのひとつにPhoenixというフレンチグループがいます。今まで、彼らのライヴを見たのは、Dior Hommeの限定ライヴも含めて2度だけですが、彼らの作る曲は実に巧妙で、ロックバンドでありながらも、ひねくれたブリティッシュポップ、そしてフレンチエレクトロな味わい(曲による)もあります。

Phoenixファンの友だちから、二日前にメールが来ました。
「スウェーデンのThe Royal Conceptってバンド知ってる? Phoenixにここまで似ているとはわざと?」

その2時間後、僕はタワーレコードにいました。店内では凄く好みの曲が流れています。Phoenixの新曲かと思い、チェックしてみると、これが噂のThe Royal Concept!という奇妙な偶然。

5曲入りミニアルバム『The Royal Concept EP』をさっそく聴いてみると、サウンドもそうなんですが、声質と歌い方がもろPhoenix。これは偶然なのか、いや、きっと確信犯と僕は確信しています。ちまたでは、Phoenix+The Strokesとも言われていますが、僕の中では、Phoenix 95%。これは褒め言葉。

theroyalconceptep

Royal Concept Ep
アーティスト:Royal Concept
販売元:Republic
(2012-07-24)
販売元:Amazon.co.jp
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「Gimme Twice」のクリップも、女子たちが意味も無く演奏のじゃまをしたり、得体の知れなさもよし。

ブラニフ航空(Braniff International Airways)は、1928年にブラニフ兄弟によって操業されたアメリカの航空会社。

1965年に「The End of the Plain Plane, Explained」というシャレたスローガンのもと、エミリオ・プッチとアレキサンダー・ジラルドを起用し、航空業界にデザイン革命を起こします。しかしながら、PAN AMと同じく、1982年に破産してしまいます。90年前後に一時復活しましたが、長続きしませんでした。日本に乗り入れていなかったので、いや、僕が飛行機を乗り始める以前に倒産してしまったので、乗る機会はありませんでした。スペースヘルメットとか見たかった。残念!



こちらは、The Air Stripというスチュワーデス(エアホステスとも言う)がストリップをしながら衣装を着替えるという1965年のキャンペーン。フェミニズムが台頭する前のアメリカを感じます。



The Braniff Pages

こちらも、Air Strip。これでテロの心配なく飛行機に乗れます。バカですね〜。



音楽の話が無かったので、スウェーデン出身のRasmus Faberのアルバム『B.I. Braniff International selected and produced by Rasmus Faber』(2006年)でも紹介しておきます。特に、ジャケ以外ブラニフって訳じゃないんですけどね。

B.I.ブラニフ・インターナショナル selected by ラスマス・フェイバー(初回限定盤)B.I.ブラニフ・インターナショナル selected by ラスマス・フェイバー(初回限定盤)
アーティスト:オムニバス
販売元:Rambling Records
(2006-11-11)
販売元:Amazon.co.jp
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今までもエストニア版Lady Gagaとか同様のタイトルをつけた覚えがありますが、まぁ解りやすい比喩なので許してください。前回、紹介した サリー・シャピロ(Sally Shapiro)のプロデューサーの Johan Agebjornは、ソロとしても活動。

今まで4枚のアルバムをリリースしていますが、最新のアルバム『Casablanca Nights』(2011年)は、サリーちゃん等のゲストヴォーカルを迎えたエレクトロポップな作品。ここで「The Last Day Of Summer」を歌っているのが、Queen Of Hearts。Queen Of Heartsと言えば、「不思議の国のアリス」にいた意地悪な「ハートの女王」です。うん、出で立ちもハートの女王然としています。ほんとに意地悪かどうかは知りませんけど・・・



Casablanca NightsCasablanca Nights
アーティスト:Johan Agebjorn (Sally Shapiro)
販売元:Paper Bag
(2011-05-10)
販売元:Amazon.co.jp
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Casablanca Nights - Johan Agebjorn

Queen Of Heartsはソロとしてミニアルバム『The Arrival』(2011年)をJohanのプロデュースでリリースしています。先日紹介したThe Sound Of Arrowsも参加しています。「Black Star」は、サウンド的にはShrillexがミックスしたLady Gagaみたいな。PVは、Katy Perryの「E.T.」に似ているという意見もあります。



thearrivalThe Arrival - EP - Queen of Hearts

サリー・シャピロ(Sally Shapiro)を知った時、スウェーデン人だとは思いませんでした。響きがスウェーデンっぽくない。調べてみると、ユダヤ人系の名前だそうです。でも、この名前は芸名で、本名は未公開。

Johan Agebjorn(ヨハン・アゲビヨルンって読むの??)のプロデュースでアルバム『Disco Romance』(2006年)にデビュー。

Disco RomanceDisco Romance
販売元:Orchard
(2007-10)
販売元:Amazon.co.jp
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PVにもなった「Hold Me So Tight」は、脱力系イタロディスコ。サリーちゃん、決して歌唱力がある人ではないのですが、フレンチウィスパーに近い味があります(笑)。



クリスマスソング「Anorak Christmas」という曲もありますが、フレンチエレクトロ系ValerieのAnoraakの「Don’t Be Afraid」という曲でゲストヴォーカルとして参加したのは、偶然だと思いますけど。

セカンド・アルバム『My Guilty Pleasure』(2009年)では、イタロディスコ路線からより本来のスウェーデッシュな趣に移行しています。

My Guilty PleasureMy Guilty Pleasure
アーティスト:Sally Shapiro
販売元:Permanent Vacation
(2009-08-25)
販売元:Amazon.co.jp
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こちらは、「Miracle」のPV。何故かサリーちゃんは登場せず、ヘッドフォンをつけた中国人らしきカップルを起用。

rememberingthefutureスウェーデン特集ということで外せないのが、NASA。NASAは、1983年にデビューしたPatrik HenzelとMartin Thorsの二人からなるユニット。N.A.S.A.という紛らわしいバンドもいますが、こちらは違うので間違えないように。1998年にベスト・アルバム『Echoes Down The Hall』をリリースして以来、ほぼ休止状態だったのが、1999年にアルバム『Remembering The Future』を引っさげて、突如復活。タイトルからの想起できますが、近未来が詰まったテクノポップの金字塔的アルバム。ロシアンアバンギャルド風のジャケも最高!

テクノポップが好きな人には、おススメの捨て曲なしのアルバム。New MusikすなわちTony Mansfieldが好きなら、絶対的に一家に一枚のアルバム。音の質感がビリビリ来ます。知る人が少ないNASAですが、好きになった人は絶賛し、ほぼ信者になります。そのひとり、玉社長は複数のCDを購入して、布教活動をしていました。僕もNASAにメールを書いて、スウェーデンに行く計画をしていたのですが、未だに実現に至っていません(メールはしたんだけど・・・)。

こちらは、「Back To Square One」のPV。



オリジナルのリリースでは、11曲入りだったのが、なんとiTunesでシングルのみに収録だったミックス(「They Call Her Love」はNew Mix)も収録し17曲入りDeluxe Editionとして登場! あなたも信者になりませんか?

Remembering the Future (Deluxe Edition) - NASA

こちらでも紹介!
スウェーデンのNASA (All Aboutテクノポップ)

Lady Gagaは、なかなか渋いリミキサー起用していますね。Space Cowboy、Pet Shop Boys、Stuart Priceなどの大御所はもとより、既に記事を書いたFrank Musik、最近来日したFoster The People、いずれ紹介するつもりのShrillexや、今回紹介するThe Sound Of Arrows。



Alejandro (The Sound of Arrows Remix) - The Remix

スウェーデン特集ということで、今回はThe Sound Of Arrows。スウェーデンは、イェーヴレ(Gavle)という町からやってきたStefan StormとOskarとGullstrandからなる2人組。最近、よく聞くチルウェイヴ的な部分もありますが、基本、エレクトロポップ。また、チルウェイヴについては書くつもりですが、微妙なジャンルです。Pet Shop Boysあたりをたとえに紹介されたりしていますが、メランコリックな部分はOMDの方が近いかな。

デビュー・アルバム『Voyage』に収録の「M.A.G.I.C.」は、Justiceの「D.A.N.C.E」に触発されて作ったら、OMDみたいになったという感じ。ロケはスペインで、大人たちが消えてしまった、(大人には)ちょっと怖いおとぎ話です。やっぱり子供が主役というのは、ずるいけど素敵。



VoyageVoyage
アーティスト:Sound of Arrows
販売元:Skies Above
(2011-10-31)
販売元:Amazon.co.jp
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Voyage (Bonus Track Version) - The Sound of Arrows

luminaryonesRebecca & Fionaの続きです。最近、森ガールって、どうなんでしょう? 森ガールが好きなのは、北欧系のファションらしいですが、森ガールをたぶん知らないであろうスウェーデン人が作ったPVが、かなり森ガール。

彼女たちの「Luminary Ones」のPV、森らしき所で撮られています。森ガールは、大胆にも池の名から出てきます。これでは沼ガール。音的にも、エレクトロは抑えめのドリーミーなチルウェイヴで森ガール向け。



彼女たちは曲によってかなり表情が変わります。アメリカ西海岸のハウス系の大御所、Kaskadeとコラボしたのが、「Turn It Down」。こちらはアゲアゲのエレクトロ。



Kaskadeの最新アルバム『Fire & Ice』にも収録。
Fire & IceFire & Ice
アーティスト:Kaskade
販売元:Ultra Records
(2011-11-08)
販売元:Amazon.co.jp
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iTunesでシングルもあります。
Turn It Down (Remixes) [with Rebecca & Fiona] - EP - Kaskade & Rebecca & Fiona

久しぶりに北欧の旅に出ます。以前、フィンランドとエストニア(ここも文化的には北欧!)については、実際に行く機会があったので、特集をしましたが、今回はスウェーデン。スウェーデンについては、RoyksoppともコラボしたテクノカットのRobynちゃんについて書きましたが、先ずご紹介するのは、Rebecca & Fiona。

この二人は元々DJチームで、テレビのリアリティーショーにも登場し、本国で人気を博しました。こちらは初回のエピソード。



iloveyouman二人とも芸能一家で、ピアニストの父と女優の母を持つRebecca Scheja(デビューアルバム『I Love You Man』のジャケの右)は女優としても活躍。父がミュージシャンのFiona Fitzpatrick(左)は、クライミングのジュニア・チャンピオンでもあります。僕の知っているスウェーデン人は大きいのですが、二人とも小柄に見えます。

おすすめの曲は、「Jane Doe」。Jane Doeとは、裁判文書などで用いる身元不明の女性の仮名。 山田花子みたいなものでしょう。 男性の場合は、John Doe。Robynの前座をしていただけあって、エレクトロなダンスナンバーに仕上がっています。映像もガーリーで、バニラビーンズが目指していた北欧の風を感じます。

北欧の風シリーズです。でも、バニラビーンズは登場しません。今回は本当の北欧モノです。北欧と言えば、ノルウェーのRoyksopp。彼らのメルマガを購読していますが、メールからリンクをすると、The Track Of The Monthで「Hus Nr. 9」がmp3WAVでダウンロードできます。

 

Royksopp9月にアルバム『Senior』をリリース予定ですが、昨年、『Junior』をリリースしています。どうやら、『Junior』はヴォーカル入りのポップな作風であったのに対し、『Senior』は内向的なインスト中心となるようです。前作に収録の「The Girl & The Robot」でスウェーデン出身のRobynちゃんをフューチャーしました。


Robyn
ちゃん、最初は美形の男性かと思ったのですが、1996年にデビューした結構芸歴が長い31歳の女性。現在は刈り上げも入ったテクノカット。ちょっとチェッカーズっぽかったりする。昔からとショートカットだったようです。元々はどちらかと言うとメインストリーム系のポップシンガーでしたが、2005年のセルフ・タイトルのアルバム『Robyn』でエレクトロへと大変身し、スウェーデンでは初の1位となりました。リリースは自身が設立したレーベル、Konichiwa Records・・・なんてレーベル名なんでしょう!同時期、Basement Jaxxのアルバム『Crazy Itch Radio』(2006年)で「Hey U」のヴォーカルとして参加しています。Konichiwaですが、アルバム『Robyn』では「Konichiwa Bitches」という曲もあり、PVでは“間違った日本”が炸裂しています。



2010
年には8曲入りアルバム『Body Talk Pt. 1』をリリース。これは、年内にPt. 2Pt. 3までリリースされる予定です。Royksoppがプロデュースした「None Of Dem」が収録されているという理由で買ったのですが、Royksoppが絡んでいない作品も含めて、ポップと実験がいい具合に融合した素敵な作品となっています。
bodytalkpt1


Royksopp
とエレクトロガールの相性の良さは、Annieちゃんで既に証明済みですが、大沢伸一のプロデュースでデビューした信近エリのリミックス・アルバム『nobuchikaeri.rx』(2006年)に収録の「SING A SONG (Royksopp i kramsno remix)」もお勧め! これどこかで書いておきたかった。

ジュニアジュニア
アーティスト:ロイクソップ
販売元:EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
発売日:2009-03-18
おすすめ度:3.0
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Robyn
Robyn
アーティスト:Robyn
販売元:Island
発売日:2007-08-13
おすすめ度:5.0
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Body Talk Pt 1Body Talk Pt 1
アーティスト:Robyn
販売元:Cherry Tree
発売日:2010-06-15
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nobuchikaeri.rxnobuchikaeri.rx
アーティスト:信近エリ
販売元:ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
発売日:2006-05-10
おすすめ度:3.5
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