四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

タグ:エレクトロ

タイトルは、最近発売された書籍『ELECTRO BOOK 2010』から頂きました。最初、タワレコで積んであった表紙を見た時に、「あれっ?『TRON: LEGACY』のガイドブックでも出たのか?」と思ったのですが、手に取ってみると、所謂ディスクガイド本でした。

CROSSBEAT Presents エレクトロ・ブック2010 (シンコー・ミュージックMOOK)CROSSBEAT Presents エレクトロ・ブック2010 (シンコー・ミュージックMOOK)
販売元:シンコーミュージック・エンタテイメント
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どちらでも興味はあったのですが、ディスガイド本に弱い僕は早速購入。確かに、テクノポップ、テクノ、ニューウェイヴ、他クラブ系のディスクガイドはあったけど、エレクトロに特化したものは僕も他に知りません。

何がエレクトロでどこからどこまでをエレクトロとするかというのはなかなか悩ましい課題ですが、この本では、80年代のどちらかと言うと黒いエレクトロではなく、ゼロ年代のエレクトロを指しています。1997年からディスクガイドは始まります。これは、Daft Punkのデビュー・アルバム『Home Work』がリリースされた年ですね。この本でも書いていますが、確かのこのアルバムはエレクトロとは言い難い、当時どちらというとハウス(フィルターハウス)とされていた作品です。しかしながら、このアルバムをエレクトロの流れの中で扱うと事には僕も賛同します。



ゼロ年代初期に於いては、かなりのエレクトロクラッシュ系が紹介されています。あだ花的な扱いもされるこのジャンルですが、適正な評価をしていると思います。また、Soulwaxに関する見解にも激しく同意したいと思います。Soulwaxは『Night Versions』です!

紹介されているディスクですが、めちゃくちゃ所有率高いです(笑)!

イタロディスコ、イタロハウス等とは呼ばれますが、イタロエレクトロとはあまり呼ばれていない。でも、そう呼びます。前回、ざくっとイタロディスコの話をしましたが、今回は時間を飛び越えて、21世紀の話をしたいと思います。フレンチエレクトロという言葉はかなり一般化した感がありますが、ゼロ年代は今までイギリスやドイツ中心だったシーンがヨーロッパ全土に広がった時代でした。Daft Punk以降のアーティストもフランスから続出し、基本英語で歌い、世界標準と言える活動をしてきたアーティストも増えました。

じゃ、最近のイタリアはどうなんでしょう? ゼロ年代初めには、ミラノのDJ、Benny Benassiの「Satisfaction」(2002年)といったイタロエレクトロ前夜的な動きはありましたが、ここ2-3年、フランスのJusticeやドイツのDigitalism等に続けとばかりに、エレクトロ新興勢力がイタリアからも出てきています。



Crookersは、日本では「狂ッカーズ」なんて表記もされますが、英語で「crook」とは詐欺師とか悪漢、(動詞として)曲げるという意味です。Kid Cudiとのコラボ「Day'N'Nite」がヒットしたり、Lady Gagaの「Telephone」のリミックスなども手掛けており、イタリア勢としては勢いがある二人組です。「Put Your Hands on Me」などは、ヒップホップと言った方がいいですが、個人的にはフランスの歌姫、Yelleのヴォーカルをフィーチャーした「Cooler Couleur」がお勧め!



TONS OF FRIENDSTONS OF FRIENDS
アーティスト:クルッカーズ
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名前からもジャケからもなんだかおどろおどろしいThe Bloody Beetroots。Daft Punkを意識したのか、覆面を着用。Dim Mak Records に所属していますが、レーベルオーナーはSteve Aoki。BENIHANAでアメリカンドリームを実現した元オリンピック・レスラーのロッキー青木の息子さんです。妹のDevon Aokiも有名なモデル(映画にも出ていますね)。Steve Aoki自身も、The Bloody Beetrootsのアルバム『Romborama』(2009年)に参加しており、彼をフィーチャリングした「WARP」は、破壊的な快感があるエレクトロ。同時に曲によってはとてもポップで美メロです。Justiceに通じるものがあります。



ロンボラマロンボラマ
アーティスト:ザ・ブラッディ・ビートルーツ
ケイエスアール(2009-07-15)
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