四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

タグ:ビオ

本日は、『共産テクノ 東欧編』ではなく『共産テクノ ソ連編』のお話をします。




ロシア語のFacebookとも言える通称、VK(ヴェーカー)と言われるフ コンタクテ(ВКонтакте)を共産テクノの情報収集のために数年使っています。1ヶ月ほど前、オリガ・ヴァスカニヤーン(Ольга Восконьян)から友達申請がありました。最初は誰か分からなかったのですが、写真を見ると、見覚えがあります。ソ連版Depeche Modeとロシアン・ウィスパーの記事でも書いたアンニュイな女子(当時)です。


もう一度、彼女の名曲「Автомобили (自動車)」を貼っておきます。



すっかり忘れていたのですが、僕はVKで彼女に関するグループ(コミュニティみたいなファンの集まり)に加入していて、彼女は「私のファンなら歓迎よ」という感じで、そのグループに入っている人に申請をしていたのです。彼女に「君のことを書籍でも本ブログでも書いたよ!」と情報を送ってみると、とても喜んでくれました。

オリガは現在も活動中! 現在もお綺麗です。こちらは新しいバージョンの「自動車」のライヴです。



色々やり取りをしていると、ちょうど彼女はアルバム『Автомобили (Expanded Edition)』をリリースしたとのこと。VKでMaschina Recordsのマクシム・コンドラシオフという人にコンタクトし、PayPalで€24(送料・手数料込み)を払って、手に入れたのがこれです!

automobile


当時のオリジナル曲が5曲にリミックス曲、彼女が活動したБиоの曲を加えて、全部で18曲。オリガ・ヴァスカニヤーンのファンにとって待望かつマスト・アイテムです(笑)。

ちょっと曲が少ないですが、Bandcampでもデジタルアルバムが買えます。「ディスコ狂のソヴィエト女王(The soviet queen of disco-frenzy)」と紹介されています。

CD共にポストカードも送られてきました。『ソ連編』でも書いたオーガニック・レディこと、アルガニーチスカヤ・リェヂ(Органическая Леди)と90年代に活動したらしいディー・ブロンクスとナタリ(Ди БРОНКС и НАТАЛИ)の二組です。両者とも強力なルックスです。また、ブログでも書いてみます。

organiclady

後で説明しますが、オリガ・ヴァスカニヤーンです。
Автомобили



ソ連の共産テクノを考察していると、Kraftwerkからの影響が窺える人たちが多いですが、もう一つがDepeche Mode。ちなみにDepeche Modeのロシア語表記は、「Дереш Мод」。1986年にモスクワで結成されたビオコンストルクトル (Биоконструктор)もそんなバンドの一つ。バンド名は、「生物のデザイナー」を意味しますが、バンド名をタイトルにした曲を聞いてみれば、やっぱりDepeche Mode好きが伝わります。



ビオコンストルクトルは、ビオ(БИО)とテフノロギヤ(Технология)という二つのバンドに分裂しました。ビオだけだと、なんだかヨーグルトみたいです。テフノロギアの「Нажми на кнопку(ボタンを押す)」は、さらにDepeche Mode度がアップします。ジャケットもそうでしょ! ちなみにテフノロギアは90年代以降もロシアで人気を博しました。

Нажми на кнопку




意外なる発見は、ビオコンストルクトルの中心メンバーのたアレクサンドル・ヤコヴレフ
(Александр Яковлев)の奥さんになったオリガ・ヴァスカニヤーン(Ольга Восконьян)。彼女はビオのメンバーとしても活動しましたが、「Автомобили(自動車)」というフレンチ・ウィスパーいやロシアン・ウィスパーと呼びたいテクノポップを残しています。なんだか共産主義の終焉を感じるクリップです。

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