四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

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ボリウッド映画「Disco Dancer」はまだ続きます。突っ込みどころ多いですから。「Jimmy Jimmy Aaja Aaja」という曲では、しょんぼりしている男性を励ますように女性がにこやかに踊っています。



実は、この曲の元ネタは、Ottawanというフランスのディスコ・ユニットの「T'es OK!(You're OK)」(1980年)。ディスコフリークの方ならご存知かもしれませんが、Ottawanの「D.I.S.C.O.」(1980年)はヨーロッパで大ヒットしました。彼らの曲は、Daniel VangardeとJean Klugerのチームが製作していますが、VangardeはDaft PunkのThomas Bangaltarの実父です。



D.I.S.C.O.D.I.S.C.O.
アーティスト:Ottawan
販売元:Delta
(2008-04-08)
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「Jimmy Jimmy Aaja Aaja」は、20年以上たって、スリランカ出身の女戦士、M.I.A.が2ndアルバム『KALA』(2007年)で「Jimmy」というタイトルでカヴァー。インドではなくスリランカですが、M.I.A.の少女時代の思い出の曲。やはり、「Disco Dancer」はニューウェイヴだったんですね。



カラカラ
アーティスト:M.I.A.
販売元:ホステス
(2010-02-24)
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discodancerボリウッド映画「Disco Dancer」に続きです。この映画、インドでもカルト映画として人気を博し、インド以外にもロシア、トルコ、エチオピア等の国でも有名だったようです。全然、ニューウェイヴ感は伝わりませんが、インドのニューウェイヴ・ムーヴメントのような位置づけだったのでしょう。

映画の主題歌とも言えるのが「I Am A Disco Dancer」。観客に家族連れも多いみたいで、家族で楽しむニューウェイヴ映画にボノボノ感とまちがった感が伝わります。



現在のエレクトロへの先駆けとなったChristopher Justの「I'm A Disco Dancer」がこの曲に関係するのかは不明ですが、アルバム『Total Devo』(1988年)に収録のDevoの「Disco Dancer」はマジでボリウッド映画「Disco Dancer」に触発されて製作された曲です。

Total DevoTotal Devo
アーティスト:Devo
販売元:Restless Records UK
(1994-04-26)
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コメンタリー・フィルムでは、Mark Mothersbaugh and Jerry Casaleは「彼ら(「Disco Dancer」の製作者)は、Devoがやろうとしている事のインド版だ」とまで言っています。80年代後半のこの時期、Devoを含むテクノポップ勢は時代の潮流の変化の中で憂き目にあっていました。そんな中、Devoはこの「Disco Dancer」に希望の光を見出したのかもしれません。

アジア圏2カ国目はインド。韓国も継続していきますが、インドも並列で始めます。インドをモチーフにした日本のテクノポップなどはありますが、インドとテクノポップってなんだか結びつきそうで、結びつかない。でも、意外な事にインドはテクノポップの影響下に80年代初期からあったのです。独自の解釈で独自の進化(退化?)を遂げたものですが・・・

先ず紹介したいのは、あのBugglesの「ラジオスターの悲劇」のカヴァー。



いや、大っぴらにカヴァーと言っていないので、インスパイアというべきかもしれませんが。曲名は「Koi Yahan Nache Nache」(「Auva Auva Koi Yahan Nache」という表記もあります)。ヒンディー語かなと思って、Google翻訳してみましたが、翻訳不可能でしたが、動画のテロップからすると、「Somebody dance there」という意味なのでしょうか? メロディーはほぼ「ラジオスターの悲劇」で、バックの女性コーラスも「オーオーオーオゥ」と原曲に忠実ですが、アレンジは70年代ディスコ。そこにインド特有の風味が加わって、奇天烈なオリエンタルディスコとなっています。本家「ラジオスターの悲劇」を聴いたインド人は、「Nache Nache」のカヴァーだと思っているのでしょうか?



この曲は、1982年のボリウッド映画「Disco Dancer」から。この映画は突っ込みどころ満載なので、続編もお楽しみに。

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