版元ドットコムでも本の内容のアナウンスを昨日よりしていますが、本日より『共産テクノ 東欧編』がAmazonで予約できるようになりました。ちなみにカバーは東ドイツのホーネッカー書記長、ポーランドのmuselというシンセ、スロバキアのスロバキア放送ビルで構成されています。ハンガリーも入れたかったのですが、これだと思えるのが無く、断念しました。ハンガリーの皆さん、ごめんなさい。

共産テクノ 東欧編


今日のテーマはエル・ムージカ(El-Muzyka)。ポーランド語で「Electronic Music」つまり「電子音楽」を指します。このような名称が存在していたこと自体、知りませんでしたが、ポーランドでは一つのジャンルとなっていたことが窺えます。幸運にもポーランドに滞在中、二人のエル・ムージカの先駆者、Marek BilińskiとWładysław Komendarekに取材することができました。先ずは、Bilińskiを紹介します。ワルシャワ郊外にある彼のスタジオ兼自宅に伺いましたが、僕よりも少し年上の彼は、ハンサムで温厚な紳士!

BilińskiはBankというアートロック系のバンドのキーボード奏者として活動後、1982年エル・ムージカに専念すべく、ソロとして現在まで活躍をしています。彼は、70年代に冨田勲、Jean-Michel Jarre、Tangerine Dream... に出会い、電子音楽に魅了されていきます。電子音楽家として冷戦時代の共通の悩みは、いかにしてシンセサイザーなどの電子楽器を西側から手に入れるかです。東ドイツやポーランドには国産のシンセサイザーが80年代中盤あたりから出始めるのですが、まだ完成度が低かったようです。そこで活躍したのが、ポロニアと呼ばれる米国に移民したポーランド人です。Bilińskiもポロニアのコネクションにより西側製シンセサイザーを入手したのです。

こちらは、彼の作品の中ではニューウェイヴ色が強い「Ucieczka Z Tropiku (Escape from the Tropics)」 です。



こちらは、2012年に作られたドラムンベース仕様リミックス。



Amazonでもアナログ盤『Best Of The Best』が購入できます。

Best Of The Best

Best Of The Best [Analog] [LP Record]