四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

タグ:Tron

Daft Punkのサントラ『Tron: Legacy』は以前も紹介しましたが、このリミックス盤となる『Tron: Legacy Reconfigured』が発売されました。オリジナルの方は、サントラとしては上出来だと思うのですが、Daft Punkの作品としてはやはり映像が無い状態では物足りなさを感じました。まぁ、これはサントラの性格上しょうがないことですが。

Tron: Legacy ReconfiguredTron: Legacy Reconfigured
アーティスト:Various Artists
販売元:Walt Disney Records
(2011-04-05)
販売元:Amazon.co.jp
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さて、このリミックスなのですが、文字通り、“再構築 (Reconfigured)”されたと言える出来で、僕はこちらの方が楽しめます。オリジナルでは一番好きだったエレクトロ度の高い「Derezzed」は1:44という短い曲ですが、The Glitch Mobによるリミックスでは、4:22となり、エレクトロ度も更にパワーアップしています。



The Glitch Mobは意外な事にヨーロッパではなく、アメリカ、カリフォルニアのDJ集団ですが、この「Beyond Monday」の動画を見ていると、ぜひ一度ライヴを見たくなります。



他、Boys Noizeによる「End Of Line」やThe Crystal Methodによる「The Grid」のリミックスも相性よし。なお、「Tron: Legacy Soundtrack」の公式サイトでは、限定アイテムも買えるようです。

オリジナルの『TRON』に続き、12月17日公開の『TRON: LEGACY』に話を移しましょう。昨年からいろいろな情報が流れていましたが、遂にDaft Punkの新曲「Derezzed」をバックにしたトレイラーも公開されました。



この映画におけるDaft Punkの起用は、ドンピシャすぎて、期待しすぎてしまいます。Daft Punk自ら監督を務めた『Electrorama』(2006年)というロードムーヴィーを公開していますが、このサントラはTodd RungdrenやBrian Enoなどの音源が使用されており、Daft Punkを聴きたかった人達には正直、不完全燃焼となるものでした。それだけに、さらに期待は高まってしまうのですが、公開音源を聴く限り、Daft Punk節が炸裂しそうな予感です。

サントラ『Tron: Legacy』の発売は、US盤が12月7日、日本盤が12月15日。それ以上に気になるのが、US盤が1,134円、日本盤が2,600円(本日のAmazon.co.jpでの価格)。円高の影響でさらに内外格差は広がり、日本盤は2倍以上の値段になっています。日本盤は初回限定仕様とありますが、よっぽど特典にでも価値がないと、US盤に流れてしまいそうです。

Tron LegacyTron Legacy
アーティスト:Various Artists
販売元:Walt Disney Records
(2010-12-07)
販売元:Amazon.co.jp
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トロン:レガシー オリジナル・サウンドトラックトロン:レガシー オリジナル・サウンドトラック
アーティスト:サントラ
販売元:WALT DISNEY RECORDS
(2010-12-15)
販売元:Amazon.co.jp
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もう一つの選択肢を紹介します。サントラ用の公式サイトで買えるCD+Digital Album+Tron Posterのセットが$34.98(海外送料別)。ポスターはもちろん、Daft Punkの二人がヘルメット姿で決めてくれています。

2010年12月17日にディズニー配給の映画『TRON: LEGACY』が世界同時公開されます。テクノ好きの皆さんは、既にDaft Punkが音楽を担当している事からも注目されているでしょう。この映画は、1982年の『TRON』の続編。先ずは『TRON』の話から。現在、廉価版のDVDもあるので、先ずはこちらから見るのもいいでしょう。

トロン [DVD]トロン [DVD]
出演:ジェフ・ブリッジズ
販売元:ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
(2005-12-21)
販売元:Amazon.co.jp
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『TRON』は当時鳴り物入りで注目されていた記憶がありますが、興行的には成功ではありませんでした。CGを本格的に導入した世界初の映画(当時の技術の限界としてアニメの部分もあります)として位置づけされ、意欲作であった事は間違いありません。なお、他にも説はありますが、「TRON」は「ERECTRON」の「TRON」が由来のようです。



「トロン」オリジナル・サウンドトラック/ウェンディ・カルロス (CCCD)「トロン」オリジナル・サウンドトラック/ウェンディ・カルロス (CCCD)
アーティスト:サントラ
販売元:ウォルト・ディズニー・レコード
(2002-06-26)
販売元:Amazon.co.jp
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『TRON』の音楽を担当したのは、奇才Wendy Carlos。MoogでBachのバロック音楽を演奏したアルバム『Switched-On Bach』(1968年)で知られる人です。このアルバムはシンセサイザーを駆使したアルバムとしては初めて商業的にも成功し、1969年グラミー賞を3部門(最優秀クラシック・アルバム、最優秀クラシック器楽独奏、最優秀録音)で受賞。後の電子音楽の歴史に先鞭をつけた記念碑的作品です。両者とも現在廃盤ですが、1999年にはBox Setもリリースされています。

Switched on BachSwitched on Bach
アーティスト:Wendy Carlos
販売元:East Side Digital
(2001-10-02)
販売元:Amazon.co.jp
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また、2000年にはデジタルシンセの続編『Switched on Bach 2000』もリリースされています。

Switched on Bach 2000Switched on Bach 2000
アーティスト:Wendy Carlos
販売元:East Side Digital
(2004-11-09)
販売元:Amazon.co.jp
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この時代そして、1975年まで、性転換する前の彼女(彼)の名前はWalter Carlos。電子音楽の父はいつのまにか電子音楽の母となっていました。その後も、Carlosはカルト映画として名高い『時計じかけのオレンジ』(1971年)の音楽担当もしています。『TRON』に話を戻しますが、サントラにJourneyの「Only Solutions」が入っているのには、違和感があります。

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