「テクノポップの起源はなんなのか?」という問いに答えるべく、All Aboutテクノポップで「テクノポップの起源」という記事を以前書きました。詳しくは記事にありますが、やはりKraftwerkの『Autobahn』(1974年)、Hot Butterによる「Popcorn」(1972年)または、68年ごろから72年ごろまでのPerry & KinglseyやMartin Dennyなどによるモーグ・サウンドあたりが妥当な所でしょう。もちろん、何がテクノで何がポップという解釈で意見が分かれる部分もあるでしょう。
その後、『YMO GLOBAL』という本の仕事でテクノ歌謡のルーツを探ってみたのですが、そこで僕が行きついた結論は、France Gallの「Der Computer Nr. 3」(1968年)がテクノ歌謡の起源である。しかも、そのテクノ歌謡はテクノポップの起源とされる楽曲群よりも早かった! これについても当然異論があるでしょう。第一、France Gallは歌謡じゃないし・・・でも、40年以上前にこんな曲があったという事実は多くの人に知って欲しい。
France Gallと言えば、Serge Gainsbourgが育てた元祖フレンチロリータ。「夢みるシャンソン人形(Poupee de cire, poupee de son)」(1965年;ユーロビジョンのグランプリを獲得し、日本でもヒット)や「アニーとボンボン(Les sucettes)」(1966年;意味深なダブルミーニング)が代表曲となりますが、このドイツ語でリリースされた「Der Computer Nr. 3」も忘れてはいけません。この曲は、Sergeが絡んでおらず、フランスでの人気が下降気味だったGallがドイツでの活動に力を入れた時期に発売されたものです。ドイツ語の歌詞をWeb翻訳してみると、「コンピュータNo.3に自分に相応しい彼氏を見つけさせる」といった内容です。歌詞からも電子音のSEからもテクノポップの精神を感じます。意図的ではないのかもしれませんが、ぎこちない踊りや無反応な観客にも(笑)。
この曲はドイツ語と言う事もあってか、普通のベスト盤には収録されていませんが、彼女のドイツ語音源を集めた『En Allemand』(1998年)やiTunes Storeにて購入できます。
En Allemand
アーティスト:France Gall
Telefunken(1998-05-12)
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また、ドイツ語音源には、「Ich liebe dich - so wie du bist」「Mein Herz Kann man nicht kaufen」といった Georgio Moroderの作品も収録されています。
調べてみると、「Der Computer Nr. 3」には結構な数のカヴァーが存在します。 De Bietというオランダのバンドもカヴァーしています。こちらもモンドなテクノポップ!
B.I.O.S.というドイツのユニットのシングル『Der Computer Nr.3』(1996年)
日本のHi-Posiのシングル『そなえよつねに』(2000年)のカップリング「コンピュータNo.3」・・・Hi-Posiは現在活動していませんが、なかなかイイ目の付けどころしています!
そなえよつねに
アーティスト:Hi-Posi
ヒートウェーヴ(2000-06-21)
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