四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

2012年10月

日本でエリカ(Erika)と言えば、沢尻エリカ様です。実際に、歌手としてのエリカ様が僕は結構好きなんです。

erikaウクライナでエリカ(Erika)と言えば、Эрика様。キエフに行った際のお世話になったMoon Recordsに所属。

紹介したいクリップは、「Папарацци」。「Paparazzi」をロシア語表記した言葉です。はい、クリップを見なくても・・・想像がつく方もいるでしょう。少女時代ではなく、Gaga様の方です。クリップには明らかなGagaモチーフが出てくる確信犯。



「Смайлик (Smiley)」は、モータウン風のガールポップ。



erika-playboy現在はショートですが、お決まりのPLAYBOYの表紙では、ちょっとカイリーっぽい。

oksi-playboyロシア語の女性の名前は、例外無く“A”で終わると習ったのですが、例外もあるようです。調べてみると、最近は外国(ロシア語圏にとって)の影響で自由な名前をつける親もいるとか。芸名となるとさらに自由度があがるようです。以前もリー (Ри)を紹介しましたが、肉食系セクシー路線のOksiもそんな一人。

こちらは、中華エレクトロディスコ風「Made In China」(2011年)。本当に中国ロケにいったというより、映像をバックに作り上げたように僕には見えます。



「ЛЮБИТЬ ЗА ДВОИХ (Love for two)」では、大胆なOskiちゃん。近未来セクシーとでも言いましょうか・・・地球上の生物とは思えません。



このヘアスタイル、ちょっと見覚えがあると思ったら、「День без тебя」の登場したバイアグラ(Виа Гра)の三人と同系統ですね(笑)。


クロアチアはこのブログでは初出場。クロアチアは、旧ユーゴスラビアに属していた6共和国のひとつ。現在、EU加盟を目指しています。ちなみにネクタイは、クロアチアの兵士が首に巻いていたスカーフが起源と言われています。

hentaiそんな解説がぶっ飛びそうななのが、 Eli E ft. Marinna Soulの「HENTAI」。Ella Dvornikという名義でも活動してきたEliちゃんは、カタカナで「エリ」とわざわざ書いていることもあり、かなりの日本通。お友達のMarinna Soul(Marina Zunic)と一緒に歌っています。ちなみに相方のMarinnaちゃんは、「クロアチアン・アイドル2005」で3位になっています。



Eliちゃんに訊いたところ・・・この曲は偶然に出来上がりました。Marinnaちゃんが初めてのミュージックビデオのための歌を必要としいた時に、Eliちゃんが一役買いました。歌詞(英語と日本語)、ビデオ・プロデュース、コスチューム、ヘア、メイク全て日本大好きのEliちゃんが担当。

外国人が歌う日本語ソングは数多くありますが、ここまでフリーキーなものを僕は知りません。デンマーク及び旧ユーゴスラビア圏ではそれなりの成功を収めており、ヘンタイ・エピデミック(変態伝染病)と呼ばれています。この件については、Eliちゃんにさらにインタヴューする予定です。

アジアの中で日本の除けば、タイの記事が最近増えて記事数では現在2位。自分でクリップを観たり、タイ在住(または元在住)の人たちから話を聞いて、T-POPからひとつのパターンが見えてきます。たぶん、それはタイ人の好みやタイの文化を反映しています。

○スーローなバラード系:このタイプで押しまくる人もいますが、一見そうでない人たちでもこの系統がリリースの中に定番として入ってきます。
○ドラマ仕立ての展開:泣かせるドラマが好き。悲劇、時には そこまでするかと言いたくなる絶望感が漂うものも多い。台詞が入るものもある。もちろん、女の涙は欠かせません。
○エンドロール:これは二つ目のポイントに関わる演出となっています。クリップの終盤では、まるで映画のようにエンドロールで終わるものが多々観られる。

こんなパターンにピッタリ当てはまるクリップを二つ紹介します。

theverylastminute一つ目は、Four-Modの新曲「คนดีนาทีสุดท้าย (The very last minute)」。始めから終わりまで、FourちゃんとModちゃんは泣きながら歌っています。女子が集団化して花束をもって不機嫌な顔をしており、かなり怖い・・・ 何かの儀式なのでしょうか?三角関係なのかどうかは分かりませんが、とにかくイケメンの男性は責められているようです。もちろん、エンドロールで終わります。



g20二つ目は、G-Twentyの「เรื่องเข้าใจผิด (Misunderstanding)」。11分を超える大作ですが、歌い始めるのは8分ちょっと前。彼氏の死を悼んでいるようです。これは、ミュージッククリップというより短編ドラマと言うべきでしょう。

最新クリップ「Featuring」では、セクシー度全開ターボチャージで、青臭いアイドルたちに「私たちの域に来るのには10年早い」と宣言している・・・と僕は勝手に感じています。皆さん、時を経て年をとったというより、いい女になっています。サウンド的には、FFKの「Loveholic」、KAT PATの「Kidnap」と並ぶエレクトロT-POPとなっています。こういう頑張るお姉さんたちを、「世界音楽旅行」は応援します。

featuring




こちらは、Girly Berryの二人、 Gybzy-GiftzaとWay Thaitaniumのコラボ作「 I Like That Boy」(2011年)です。クリップ中、二人は女ポリスの扮しています。しかしながら、実生活では皮肉なことに、Giftzaちゃんは、今年9月に飲酒運転で逮捕されてしまい、現在謹慎中・・・・



ちなみに残りの二人のメンバーも、Nannie-Belleとして、同じコラボ相手で「Need you right now)」をリリースしています。

タイのアイドルグループ数多く紹介してきましたが、今回紹介するGirly Berryは、デビューは2002年という10年以上のキャリアとなる老舗です。ウクライナのバイアグラに近いキャリアです(笑)。よってみなさん、アラサーに領域に入りつつありますが、セクシーアイドルとして君臨しているようです。なので、同じRS傘下でも、KamiKazeではなく、RS Promotionです。

gossip4人のメンバーは・・・
Giftza (Piya Pongkullapa)
Gybzy (Vanida Termthanaphorn)
Belle (Mananya Limsathian)
Nannie (Phattaranan Deeratsamee)
となります。初期のGirly Berryを見ると、ルックス的には日本のMAXのような感じもします。

こちらは、不思議なトライバル感が素敵な初期のヒット曲「Tum Tom (ตุ๊มต่อม)」(2004年)。



こちらは、「Gossip」(2005年)。Gaga様よりはやくパパラッチネタですが、これもヘンテコな曲。



次回は、最近のGirly Berryについて・・・

久しぶりに、タイのアイドルレーベル、KamiKazeに戻りましょう。KAT PAT(แคทแพท)は、かわいいなぁと思いつつも、印象に残る曲が今まで無かったので、放置していましたが、「kidnap (รักพาตัว) 」で一皮むけた感があります。でも、物騒なタイトル(誘拐)ですね。Dub-Step的なアレンジもあり、エレクトロT-POPに仕上がっています。ちなみに曲はChamp、リミックスはPionとのクレジットがあります。



KamiKazeのアイドルにありがちな、チューレン(ニックネーム)をそのまま並べたグループ名です。同じKamiKazeのFaye Fang Kaewも Four-Modも同様。背が低い方がKATで、高い方(172cm)がPAT。

kidnap

インドシナ半島、タイを中心に(ミャンマーもちょっとね)紹介してきましたが、タイの周辺国はどうなっているのだろうと調べてみた所、発見したのが、アレクサンドラ・ブンスアイ(Alexandra Bounxouei)。お父さんはラオス人ですが、お母さんはブルガリア人でエキゾチックなお顔立ち。どこで、どう、繋がったのでしょうかね。

日本でもそこそこ知名度があるようで(でも、知らなかった)、2008年から慶応大学に留学もしていました。 タイポップの次は、ラオポップ。

こちらは2007年くらいの曲「Bor hoo pen yung (บ่ฮู้เป็นหยัง)」。Weir (Sukollawat Kanarot)というタイの男性歌手と古典的に聴こえるラオ(もしくはタイ)演歌を歌っています。



ところが、2012年にリリースされた「My Radio」で、180度路線変更。まるで、アレクサンドラ・スタン。アレスタに対抗して、アレブンと呼ぶことにします。セクシーにワイルドに生まれ変わったアレブンもいい。

myradio
Alexandra Bounxouei
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これまで世界中の渋谷系を紹介してきましたが、タイにもあります。もちろん、ここで言う渋谷系は必ずしも渋谷に結びつくとは限りませんし、渋谷系と呼ばれた人たちがルーツとした音楽の同様に影響を受けただけの場合もあります。でも、たぶん、渋谷系が好きな人は多分好きだろうと思われる音楽です。サウンドも重要ですが、デザイン、ファッションも重要な要素となります。

タイの渋谷系と呼ばれるのが、La Ong Fong。タイ人に訊いてみると、皆が知っているレベルではなく、音楽好きの人は知っているという感じでした。活動歴は長く、1996年にアルバム『Volume 1』でデビューし、2011年に『Wind-Up City』で6年ぶりに4枚目をリリースし、ファンを喜ばせました。

Wind Up City [CD]Wind Up City [CD]
アーティスト:La Ong Fong
販売元:Spicydisc / GMM
(2011-05-13)
販売元:Amazon.co.jp
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PVを二つ紹介します。
「Arai (What?)」は、サウンド的にもヴィジュアル的にもピチカート系まっしぐら。



「Ruk Perd Puey (Openly Love)」は、ちょっとキリンジっぽくて素敵。PVはコミカルですが、おしゃれさも兼ね備え、日産のPAOがPVに登場するのが個人的に嬉しかったりする。

anechka既に何回か紹介している何気にセクシーなヴィンテージ(Винтаж)に登場してもらいます。

タイトルからは想像できないのですが、「Деревья (Trees)」(2011年)は、ロシアのセンサーシップに引っかかりました。ちょっと中東っぽいメロディーに神憑ったアンナ・プレトゥニフ(Анна Плетнев)ちゃんは、千手観音になります。全体的に、カイリー・ミノーグの「All The Lovers」っぽい(笑)。でも、妊婦になっているのは・・・えっ、知らない間にそんなことになっていたのでしょうか?



「На-На-На」(2012年)は、現時点では最新作となるロシアのDJ、Bobinaとのコラボ。コサックらしき男性ダンサー、ウクライナの民族衣装を着た女性ダンサー、なんでロシア人なのにウクライナなのと不思議に感じ、ロシア語の先生(ウクライナ人)に質問してみました。すると、確かにロシアのグループであるにも関わらず、モチーフはウクライナ。でも、先生も理由が分からない・・・そして、何故にアンナちゃんは、牛の乳をセクシーにしぼるのか?

proetomamamusic CEOのユリィ・ニキティン氏にインタヴューした時、アルミヤー(А.Р.М.И.Я)とHollywood FMは活動をやめた訳ではないけど、mamamusicから離れたと聞きました。

アルミヤー(“軍”と意味ですね)は、現在NikitAで活動するユーリャ・カヴタラヂャエ(Юлия Кавтарадзе)がいたグループ。ファーストアルバムのジャケの一番右にいるのが、ユーリャです。

チリ出身(スウェーデンに住んでいるらしいけど)のDJ Mendezとのコラボで作った「Люби меня (Love me)」(2011年)が、mamamusicとしては最後の曲のようです。スポーツがコンセプトの要素であるグループですから、馬も乗りこなせるようです。



mamamusicを離れたアルミヤー、どうなることかと心配したのですが、クリップを公開したばかりの「Я Клянусь (I swear)」(2012年)を見て、ちょっと安心(笑)。近未来的イルミネーションもかっこいい。尼さんのような全身タイツに、金粉ヌードと相変わらず趣向を凝らしています。

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