Perfumeがぱふゅ〜む(なんだか、今見ると女芸人ユニットみたい)からPerfumeに表記変更をし、中田ヤスタカ・プロデュースで全国デビューを飾ったシングル『スウィートドーナッツ』。そのカップリングの「ジェニーはご機嫌ななめ」はライヴの定番曲となり、リード曲以上にファンの印象に残る作品となっています。このジューシィ・フルーツが80年代テクノポップとしてヒットさせた曲をカヴァーしたことは、「Perfumeって、テクノポップなんだ」と思わせるには重要な役割を果たしました。まぁ、当時、数少ないリスナーに対するメッセージではありましたが。

その後カヴァー曲としては、DVD『ファン・サーヴィス[bitter]』にライヴ音源として収録された、Peachyの「スーパージェットシューズ」をカヴァー。オリジナルのPeachyは、元プリンセス・プリンセスの奥居香がプロデュースした石井里香ちゃんですが、たぶんPerfumeのカヴァーの方が有名なのでは?

 

Perfumeとカヴァー曲という連想が出来なくなっていた時期を見計らってというよりも、PEPSI NEXの洋楽カヴァー企画に合わせたというのが、正しいのだとは思うのですが、PEPSI NEXCMで6月12日よりオンエアが始まった「Lovefool」は、The Cardigansのカヴァー。



90年代後半、渋谷系と連動する形で日本では特殊なスウェーディッシュポップ・ブームが起こり、日ス同盟でも結びそうな勢いでした。The Cardigansやプロデュースを手掛けたTore Johanssonはその代表格となり、Bonnie Pinkや原田知世などの日本人アーティストもToreのプロデュースでアルバムをリリースしていました。The Cardigansの中で日本で一番売れたのは、たぶん2作目の『LIFE』(1995年)でしょう。今回、Perfumeがカヴァーした「Lovefool」は3作目『First Band On The Moon』(1996年)に収録されています。この曲は、映画「ロミオ+ジュリエット」にも起用されました。



 

この曲、サビの部分は「Love Me Love Me」となるわけですが、最近、正確にはPerfumeより前の20091117日にアルバム『My World』にて、カナダ出身の16歳の少年、Justin Bieber君が「Love Me」というタイトルでカヴァーしています。R&Bっぽいポップスな仕上がりですね。このJustin君、ハイチ地震による被災者支援曲「We Are The World 25 Years for Haiti」でトップバッターを飾っている新鋭です。



 

Justin君のカヴァーを意識して、Perfumeにカヴァーさせたのかどうかは分からないですが、たった15秒、もしくは30秒のこのCM曲「Lovefool」は、Perfumeいう先入観を取り除いたとしても、凄くいい出来、たぶんフルで聴いたら、もっと凄いんじゃないかなと期待させる内容です。オリジナルのポップさは保ちつつもまるでPerfumeのオリジナルのように仕上げ、特にCMの終盤部にちょっとフィジェット気味になるあたりで・・・ワクワクしてしまいます。

普通、洋楽のカヴァーとなると、日本人アーティストで世界標準的なレベルの作品は数少ないのですが(例えば、YMOが「Soul Train」でやった「Tighten Up」などはその部類)、このPerfumeのカヴァーもその部類じゃないかと・・・その検証のためにもフルをぜひ811日発売のシングルに収録して欲しいものです。その際は、スウェーデン人に聴かせたい。