ハロウィンソング特集は、ほとんどコス特集となってしまいましたが、気分を変えてクリスマスソング特集をしましょう。

誰もが知る古くからのクリスマスソング「きよしこの夜」や「もろびとこぞりて」は、共に18世紀に作られた曲です。クリスマスソングは国内外問わず流行歌にも多いですが、上手くいけば、毎年のように流れる定番曲となります。商業的にという意味だけでなく、アーティスト自ら作った曲が、単に消費されず、毎年のように流れるというのは作った本人にとっても誇れる事でしょう。同時にクリスマスソングの定番になるだけの曲を作るのは至難の業です。90年代以降もクリスマスソングは発表され続けていますが、定番と呼ばれる曲の多くは80年代以前です。Mariah Careyの「恋人たちのクリスマス」(1994年)は例外的で、90年代以降の多くの曲はファン投票的に人気があるかもしれないけど、定番とまではなかなかいかないです。

クリスマスソングの定番としてまず挙げたいのが、洋楽ならWham!の「Last Christmas」(1984年)。当然、僕自身の世代感からなので、そうでない人もいるとは思いますが。当時は、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれた英国のアーティストに勢いがあった時期。そんな中、Wham!はニューウェイヴというよりも、ルックスも手伝ってホワイトソウル的アイドルでした。「Wham Rap (Enjoy what you do?)」(1982年)ではラップもしていました。

僕はこの「Last Christmas」のPVが大好きです。ドラマ仕立てになっており、ソバージュの彼女を巡る三角関係を描いています。Andrew Ridgeleyが今年の彼氏で、元彼のGeorge Michaelが去年のクリスマスに無邪気に雪合戦をしていた事を回想するという・・・哀しいラブソング。クリスマスソングに失恋や叶わぬ恋の歌が多いイメージにも一役買っています。



George Michael自身もセルフ・カヴァーしていますが、「Last Christmas」は定番と言えるだけあって、多くのカヴァー曲が存在します。アメリカン・アイドルならHillary Duff、Ashley Tisdale、Backstreet Boys、'N SYNCなど、ダンス系ならWhigfield、Yoo-Yoo、Cascada、Alcazar、The Cheetah Girlsなど、日本なら織田裕二、松田聖子、BoAやEXILEなどもカヴァーしています。

いくつか紹介しましょう。
日本で「Last Christmas」(1993年)でデビューした日米ハーフの女の子、Nadia Gifford。当時5歳ですが、これはずるい。



ドイツの着信メロのキャラ、Crazy Frogの「Last Christmas」(2006年)。



これはデビュー前だと思いますが、イギリスのエレクトロ歌姫、Little Bootsちゃんは他にもカヴァーを披露していました。



他、Darren Hayes(Savage Gardenヴァージョンもあり)、Billie Piper(スウェーデンの歌姫)、Erland Oye(Kings Of Convenience)、Volta Masters(ブレイク〜ハウス系)などがお勧めです。