今まで、スペイン、イタリア、ブラジルの渋谷系に通じる音楽性を持った人達について書いてきましたが、今回は割と近い香港です。香港には90年代はよく出張で訪れたのですが、最近はご無沙汰しています。

今回紹介するのは、Ah P (Lam Pang) とNicole (Nicole Au Kin-ying)の男女デュオ、My Little Airport。My Little Loverと名前は似ているけど、音楽性は全然違います。香港のベルセバ(Belle & Sebastian)とも呼ばれている彼らですが、確かにグラスゴー的な風情。脱力系ギターポップに、ローファイなエレポップが多いです。でも、どこか英語の発音とかは香港って感じで、タイトルも中国語が多く、不思議な世界を生み出しています。

最新アルバムは、日本盤もリリースされた『Poetics - Something Between Montparnasse and Mongkok』。フレンチ渋谷系みたいなジャケがかわいい。

Poetics - Something Between Montparnasse and Mongkok / ポエティックス-サムシング・ビトウィーン・モンパルナス・アンド・モンコックPoetics - Something Between Montparnasse and Mongkok / ポエティックス-サムシング・ビトウィーン・モンパルナス・アンド・モンコック
アーティスト:マイ・リトル・エアポート
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(2010-06-16)
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アルバムタイトルが長いのも今回が初めてではなく、Harbour Recordsから3枚。
『The OK Thing To Do On Sunday Afternoon Is To Toddle In The Zoo』(2004年)
『Because I Was Too Nervous At That Time』(2005年)
『We Can't Stop Smoking In The Vicious And Blue Summer』(2007年)

ファースト・アルバムはElefant Recordsより『Zoo Is Sad, People Are Cruel』(2007年)改題され、リリースされています。Elefantは、スペインの渋谷系として紹介したLa Casa Azulのリリースをしているレーベル。

「浪漫九龍塘」はドリーミィなエレポップ。九龍塘(Kowloon Tong)は、香港の高級住宅地ですね。



Hong Kong Shue Yan Collegeでジャーナリストの勉強をしていただけあって、「北歐是我們的死亡終站(北欧は私たちが死ぬ終着駅)」「社會主義青年」「when the party is over, i miss my dear porn star(パーティーが終わり、僕は親愛なるポルノスターのことを想う)」など、ちょっとひねった題材の曲も多いです。