「共産テクノ」という語感に魅かれるというコメントを頂いており、嬉しいです。同時に「それは何なんだ?」というのも当然の疑問だと思います。詳しくは拙書で解説していますが、「共産テクノ」とは、「冷戦時代にソ連を中心とした共産主義陣営で作られていたテクノポップ〜ニューウェイヴ系の音楽」と定義しています。同時にその周辺にある音楽も紹介したので、実質的にはもうちょっと広いですが……

ツェントル(Центр)は、少なくとも初期においては、テクノポップと言うよりも荒削りなガレージパンクっぽいバンドでした。

ツェントルのリーダー、ヴァシリー・シュモフ(Василий Шумов)のソロ作『My District』(1986年)は、かなりテクノ化しています。

mydistrict




アルバムのラストを「Kasparyan - Stingray Wedding Song(USA-USSR)」は米ソ友好ソングであり、Kraftwerk の「The Model」(関係のないドイツだけれど……)へのオマージュも試みました。

ツェントルは現在も活動をしており、こちらは最新リリースとなる「Доллар побил абсолютный исторический максимум(ドルは記録的最高値を更新)」と、弱いロシア・ルーブルについての曲を発表しています。