今日の特集はディズニーランド。現在もロシアを含めても東欧諸国にはディズニーランドはありません。冷戦時代、ポーランドのバンドによるディズニーランドがテーマとなったテクノポップを2曲紹介します。

まず最初は、Klinczというポズナンで結成されたニューウェイヴ系バンドによる「Disneyland」(1984年)。曲の出だしから「Walt Disney presents Disneyland」とハッタリをかまします。歌詞を紐解いてみると、単純にディズニーランドへの憧れを歌ったわけでないようです。「ディズニー、ディズニー、ディズニーランド、アヘン、アヘン、アヘン、大衆のための、大衆のための」と皮肉を込めた内容となっています。

 Gorączka


Disneyland [MP3 ダウンロード]



もう一つは、Papa Danceの「Nasz Disneyland(僕たちのディズニーランド)」(1988年)。こちらは歌詞にはディズニーランドという言葉は出てこず、寓話的な歌詞の象徴として使われています。Papa Danceは、Franek Kimonoの影武者的存在だった二人のメンバーによるプロデューサーチーム(Adam Patoh)の働きかけで、ワルシャワで結成されたアイドル的ニューウェイヴ系バンド。ソ連やポーランド系米国人(ポロニア)のために米国へのツアーも行い、海外進出も果たしたポーランドの人気グループです。

Nazs Disneyland


Nasz Disneyland - Our Disneyland (Papa Dance) [MP3 ダウンロード]



単純に「ディズニーランドが大好き!」という心情ではありませんが、当時の東欧の人たちにとって、ディズニーランドは西側カルチャーの象徴的存在だったのでしょう。