四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

カテゴリ: イタリア

SPANKERS繋がりでもう一つ行きましょう。先ずは、彼らの「Chupa Rico(今夜はチュパリコ)」(2011年)。おねえさんが盛りだくさんのラテン系のセクシー・パーティーソング。



実は、こっちを先に知っていたのですが、同年にたかはし智秋が「今夜はチュパ♡リコ」をリリース。

今夜はチュパ♡リコ今夜はチュパ♡リコ
アーティスト:たかはし智秋
販売元:avex trax
(2011-10-05)
販売元:Amazon.co.jp


現在35歳、声優かつグラビアモデルというなかなか希少価値の高い人です。 リリースしたのは、SPANKERSの日本盤も出しているavex。レコチョクの順位にどれほど意味があるのか分かりませんが、ビデオクリップ・ディリーで1位。オリコンでもデイリー26位なので、まあまあ健闘。このクリップが、日本人として大健闘のセクシーな内容で、YouTubeにアップして3時間でR指定の確信犯。

SPANKERSは、パオロ・オルテリとルーク・デグリーからなるイタリア出身のDJ。『恋のマイアヒ』を大ヒットさせたと自負するavexがちゃんと日本盤と日本公式サイトも作っていますが、どれほど日本で知名度があるでしょう?

スリーシックスファイヴスリーシックスファイヴ
アーティスト:スパンカーズ
販売元:avex trax
(2012-06-20)
販売元:Amazon.co.jp


avexは、2010年にヒットした「Sex On The Beach(恋のセックス・オン・ザ・ビーチ)」の方に押しているようです。しかし、昇天ソングって・・・Sak Noelの「Loca People」とかそういう系統ですかね。



everyoneisadj僕が注目したいのは、こっち。「Everyone’s A DJ(みんなDJのうた)」。基本的に延々と「○○はDJ」と唱えているんですが、クリップの出来がいい! ゴーストバスターならぬDJバスターが乱造されるDJを退治します。2 many dj’sな時代、あながちフィクションではないですね。いや、退治までされないでしょうが・・・

The Supremesと言えば、「You Can’t Hurry Love(恋はあせらず)」。現在、SoftBankのCMで使われているので、若い人にもわかる曲。そう言えば、「青い山脈」をトリンドル玲奈が鼻歌したり、SoftBankは懐メロ路線です。話はそれますが、capsuleのツアーで、DJ中田ヤスタカがこの「青い山脈」の鼻歌リミックスを披露していました。業師です。



「Stop In The Name Of Love」と同様のチームにより、全米1位となっていますが、僕の世代では、Phil Colinsのカヴァーでこの曲を知った人も多いでしょう。彼のソロとしての初の全英1位曲でその後の活躍のきっかけとなりました。



The Supremesは、イタリア語版「You Can’t Hurry Love」として「L'amore Verra (Love Will Come)」もリリースしています。



それをカヴァーしたのが、イタリアのフェロモンあまり過ぎ肉食系美人、Nina Zilli。いや、このカヴァー、超セクシー。



Sempre Lontano-SlidepackSempre Lontano-Slidepack
アーティスト:Nina Zilli
販売元:Unive
(2010-08-17)
販売元:Amazon.co.jp
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スペインのLa Casa Azul、ブラジルのPato Fuに続く、世界の渋谷系として、イタリアのVIP200およびVIP200のメンバーのソロ・プロジェクト、Doktor Zoilを紹介します。

日本盤もリリースされているDoktor Zoilの『RiviERA BOOGiE』(2003年)、なんとなくおしゃれなジャケ(ジャケ写はDoktor Zoilではなくモデルさんでしょう)に魅せられて買ってしまったのですが、まるでイタリアの野宮真貴がいないPizzicato Fiveというか、つまり小西康陽のようなラウンジ色が強いGroovyエレクトロポップ。同じ時期のcapsuleと併用してもいいと思います。「Besame Mucho」などのカヴァー曲もやっていますが、日本盤のみ収録の沢田研二のテクノ歌謡「TOKIO」カヴァーが意外でよし。「TOKIO」ってイタリア語だから、親近感あったのかなぁ?

リビエラ・ブギリビエラ・ブギ
アーティスト:ドクター・ゾイル
販売元:Rambling Records
(2003-12-03)
販売元:Amazon.co.jp
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「TOKIO」は、イタリアのTam Tam Recording Studioアーティストの日本企画アルバム『Re-design』(2005年)にも収録されています。おしゃれジャケですね〜。

Re-designRe-design
アーティスト:オムニバス
販売元:Rambling Records
(2005-08-03)
販売元:Amazon.co.jp
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Doktor Zoilが活動するVIP200は、『PSICOEROTICA』(2002年)でデビューしていますが、VIP200の方はラウンジミュージック(映画ムード音楽と言った方がいいかも)。Pizzicato Five好きが高じてか、VIP200としては、野宮真貴の『miss maki nomiya sings』(2000年)にアレンジで参加しています。

サイコエロティカサイコエロティカ
アーティスト:VIP 200
販売元:Rambling Records
(2002-01-23)
販売元:Amazon.co.jp
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こちらは、VIP200によるモトローラの携帯電話のCM。

Paola & Chialaに続き、僕のCDラックから発掘されたのが、In-Gridの『In-Tango』(2003年)。

In-Tango EpIn-Tango Ep
アーティスト:In-Grid
(2004-01-20)
販売元:Amazon.co.jp
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こちらはジャケ違い。

In-TangoIn-Tango
アーティスト:In-Grid
販売元:Golden Dance Class.
(2005-07-05)
販売元:Amazon.co.jp
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In-Gridちゃんは、イタリア北部出身。本名はIngridであのIngrid Bergmanから両親が命名しました。イタリア人ですが、ほとんどの曲はフランス語で歌っています。彼女のデビュー・シングル『Tu Es Foutu』(2002年)は、ヨーロッパ全土でヒットとなりました。

2ndシングル「In-Tango」もそこそこヒットしたようですが、タイトル通りタンゴ調のダンスナンバー。タンゴの発祥地と言えば、アルゼンチンですが、元々スペインやイタリアからの移民が由来の踊りとされていることからも、イタリアでも好きな人は多いのでしょう。日本でも有名な「黒猫のタンゴ」の原曲もイタリア発「Volevo un gatto nero(黒猫が欲しかった)」ですから。



『In-Tango』のCDを買った理由が、以前紹介したイタリアのエレクトロDJ、Benny Benassi がリミックスした「Sfaction Mix」がカッコよかったから。これは、Bennyの代表作でもあるブリブリ・エレクトロ「Satisfaction」とマッシュアップしたようなエレクトロタンゴとなっております。

中南米音楽旅行はひとまず切り上げて、イタリアにちょっと戻ります。イタリアなのに、どうしてカーマストラと不審に思われている方もいるでしょう。CDラックから発見して思い出したのが、Paola e Chiara(パオラ・エ・キアラ)のシングル『Kamasutra』(2003年)。ローマに行った際、買ったと思うのですが、なんで買ったのかいまいち思い出せない・・・たぶんジャケ買いですかね(笑)。

kamasutraKamasutra
アーティスト:Paola & Chiara
販売元:Columbia

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Paola & Chiaraとも英語表記されることもある、イタリアの美人姉妹。イタリアのPuffyと呼ぶ人もいるみたいですが、個人的には違うと思います。イタリアの叶姉妹でもない。僕はブルーネットのパオラ姉さんの方が好みですね。1997年のサンレモ音楽祭でデビューし、現在も活動を続けています。ソングライティングも演奏もこなせる、しかもセクシーな美人姉妹。イタリアの伝統的なポップスというよりも、ラテン風味が強く、スペイン語、英語でも歌唱します。

では、『Kamasutra』に話を戻しましょう。カーマストラ(Kama Sutra)とは、「愛(カーマ)の教え(ストラ)」という意味で、古代インドの性典の事です。インドの文化は神秘に満ち溢れています。インド風イントロから始まるこの曲にはPVがちゃんとあって、これが凄いんです。セクシーPV大賞というのがあれば、勝手にノミネートしてグランプリを差し上げます。PVのためなら、裸体も辞さない迫真の演技! 流石、イタリア美人姉妹。



「Kamasutra (Dance Rebel Mix)」も収録したベスト盤『Greatest Hits Paola & Chiara』(2005年)もございます。

Greatest Hits Paola & ChiaraGreatest Hits Paola & Chiara
アーティスト:Paola & Chiara
販売元:Sony/Bmg Italy
(2005-03-04)
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イタロディスコ、イタロハウス等とは呼ばれますが、イタロエレクトロとはあまり呼ばれていない。でも、そう呼びます。前回、ざくっとイタロディスコの話をしましたが、今回は時間を飛び越えて、21世紀の話をしたいと思います。フレンチエレクトロという言葉はかなり一般化した感がありますが、ゼロ年代は今までイギリスやドイツ中心だったシーンがヨーロッパ全土に広がった時代でした。Daft Punk以降のアーティストもフランスから続出し、基本英語で歌い、世界標準と言える活動をしてきたアーティストも増えました。

じゃ、最近のイタリアはどうなんでしょう? ゼロ年代初めには、ミラノのDJ、Benny Benassiの「Satisfaction」(2002年)といったイタロエレクトロ前夜的な動きはありましたが、ここ2-3年、フランスのJusticeやドイツのDigitalism等に続けとばかりに、エレクトロ新興勢力がイタリアからも出てきています。



Crookersは、日本では「狂ッカーズ」なんて表記もされますが、英語で「crook」とは詐欺師とか悪漢、(動詞として)曲げるという意味です。Kid Cudiとのコラボ「Day'N'Nite」がヒットしたり、Lady Gagaの「Telephone」のリミックスなども手掛けており、イタリア勢としては勢いがある二人組です。「Put Your Hands on Me」などは、ヒップホップと言った方がいいですが、個人的にはフランスの歌姫、Yelleのヴォーカルをフィーチャーした「Cooler Couleur」がお勧め!



TONS OF FRIENDSTONS OF FRIENDS
アーティスト:クルッカーズ
avex trax(2010-04-14)
販売元:Amazon.co.jp
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名前からもジャケからもなんだかおどろおどろしいThe Bloody Beetroots。Daft Punkを意識したのか、覆面を着用。Dim Mak Records に所属していますが、レーベルオーナーはSteve Aoki。BENIHANAでアメリカンドリームを実現した元オリンピック・レスラーのロッキー青木の息子さんです。妹のDevon Aokiも有名なモデル(映画にも出ていますね)。Steve Aoki自身も、The Bloody Beetrootsのアルバム『Romborama』(2009年)に参加しており、彼をフィーチャリングした「WARP」は、破壊的な快感があるエレクトロ。同時に曲によってはとてもポップで美メロです。Justiceに通じるものがあります。



ロンボラマロンボラマ
アーティスト:ザ・ブラッディ・ビートルーツ
ケイエスアール(2009-07-15)
おすすめ度:4.0
販売元:Amazon.co.jp
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イタリアと言えば、エロい。そのイメージを作ったのは、Cicciolina(チョチョリーナ)とSabrina(フルネームSabrina Salerno)です。「ユーロビートでセクシー!」というAll Aboutテクノポップの記事で歴代のSabrinaジャケを展示しましたが、僕が持っている唯一のSabrinaのCD『Music History』のジャケもエライ事になっています。隠したいのか隠したくないのか、どっちやねん? どこで買ったか忘れましたが・・・ 

sabrina-musichistory


Sabrinaの代表曲「Boys」(1987年)のPVもエライことになっています。一応、水着を着用されているのですが・・・水着がずり落ちようと、全く動じない、無邪気なSabrinaちゃん。



今や日本を代表するエロス、杉本彩が「Boys」(1988年)のカヴァーをしていました。Sabrinaの後に見ると、清純派に見えます。



今もSabrinaは活動しているのだろうかと調べてみたところ、現役バリバリ、ムンムンです。驚く事に、Sabrinaはイギリスのエロスの巨頭、Samantha Foxと二人で、Blondieの「Call Me」をデュエットしています。

イタリアと言えば、哀愁の国です。そのイメージにはGazeboも一端を担っているでしょう。Gazeboの場合、イタロディスコと言えるほど、ディスコしていませんが、彼の「I Like Chopin」(1983年)は全世界(アメリカ以外)で大ヒット。この曲で、ショパンはChopinと綴るんだと学習した人もいるでしょう。単語を羅列したような平易な英語の歌詞というのもかえってよかったのかも。



松任谷由実の日本語詞で、小林麻美が歌った「雨音はショパンの調べ」(1984年)は、見事オリコン1位に輝きました。実は、彼女のデビュー・シングル『初恋のメロディー』(1972年)のシングルは、僕が幼少の頃、買ったと思われるレコード。当時、子供心に歌唱力には疑問を持ちました。しかし、10年以上経って、こんな成長を遂げられたんです。1988年には武道館公演という偉業を達成しています。また、『an an』に登場する小林麻美はアンニュイの女王としても君臨しました。



CRYPTOGRAPH 愛の暗号
アーティスト:小林麻美
ソニーレコード(1990-10-15)
おすすめ度:5.0
販売元:Amazon.co.jp
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同じくシングルリリースされた「Lunatic(ルナティック 〜狂った優雅)」(1983年)は、曲の構造も「I Like Chopin」に似ています。あえて言えば、チョッパーベースがポイントになっています。



こちらも小林麻美が「月影のパラノイア」(1984年)というタイトルでカヴァーしていますが、一押しは、現在も女優として活躍する北原佐和子が「予感」(1985年)というタイトルでカヴァーした方。彼女の最後のシングルでもあります。これは、ムーンライダーズの岡田徹が編曲しただけあって、分厚いシンセ音が効いたルナティックなアレンジになっています。

北原佐和子 コンプリート・シングルズ&モア北原佐和子 コンプリート・シングルズ&モア
アーティスト:北原佐和子
テイチクエンタテインメント(2008-08-27)
おすすめ度:5.0
販売元:Amazon.co.jp
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前回に引き続き、イタロディスコ特集。でも、今回は地下系ではありません。日本でも80年代中盤からのユーロビート・ブームの中、イタリアものも多く紹介されました。同時にユーロビートの日本語カヴァーも含めたJ-EURO(ユーロ歌謡、和製ユーロ)も登場しました。ユーロビート=イタロディスコではありませんが、後期イタロディスコの多くはユーロビートに入れてしまっていいと思われる状況を作っていました。実際、ユーロビートはヨーロッパだけでなく、アメリカ産のユーロビートなどもあって、ややこしい。

では、ここでイタロディスコ系(イタリア産ユーロビートと言った方が適切かも)の日本語カヴァーを本家と共に紹介しましょう。

イタリアのユーロビートの代表選手と言えば、Michael Fortunati。彼の代表曲「Give Me Up」(1986年)は今聴いてもバブリーな気分になります。マハラジャ、お立ち台、ボディコンに代表されるバブル景気というのは、バブル崩壊後に一般に認知された用語ですが、概ね、1986年から1991年頃までを指します。Michaelには当時のバブルに沸く日本がどのように映っていたのでしょうね。ちなみにジュリアナはバブル崩壊後。意外な事に彼が売れ始めたのは、イタリアではなくベルギーなんです。そして、日本での人気が突出したBIG IN JAPANの一人とも言えましょう。PVでは、やはりトレードマークのショルキーが出てきます。



「Give Me Up」は複数のシンガーによってカヴァーされていますが、Michaelの翌年に近藤智子と二階堂ゆかりから成るBaBeのカヴァーが一番有名でしょう。彼女達は、この曲のカヴァーでデビューを果たし、「夜のヒットスタジオDX」でMichaelと共演も果たしました。



現在も現役で活動するMichaelですが、2010年1月18日には「SMAP×SMAP」に出演し、「Give Me Up」を共に熱唱。日本での全国ツアーもやっているようです。

GIVE ME UP-COMPLETE BEST OF MICHAEL FORTUNATI-GIVE ME UP-COMPLETE BEST OF MICHAEL FORTUNATI-
アーティスト:マイケル・フォーチュナティ
Independent Label Council Japan(IND/DAS)(M)(2008-04-02)
販売元:Amazon.co.jp
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イタリア特集第4弾です。イタロディスコは、近年エレクトロの文脈で再評価をされましたが、イタロディスコという名称がなかなか紛らわしい。時には、ユーロビート(日本ではこの呼称が一番判りやすいでしょう)的なものも含めて、イタリア産だったら、イタロディスコと呼ばれたりもします(という自分も、そう呼んだりします)。

今回取り扱うイタロディスコは、初期のアンダーグラウンドとしてのイタロディスコ。Wikipediaによれば、イタロディスコという呼称はZYX Musicのレーベルオーナー、Bernhard Mikulskiによって始められました。ドイツのレーベルですが、イタロディスコ老舗レーベルと言っていいでしょう。ZYXからのアーカイヴ的トラック集は、『Italo 2000 Rarities』(Vol. 3まであります)というシリーズで復刻されています。そう言えば、70年代のミュンヘンサウンドはドイツ発ですが、ディスコとシンセサイザーを結びつけ火をつけたGeorgio Moroder先生はイタリア人ですもんね。

Italo 2000 RaritiesItalo 2000 Rarities
アーティスト:Various Artists
Zyx(1998-06-15)
販売元:Amazon.co.jp
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初期のイタロディスコにはロボットや宇宙というテーマの曲が多く、それはテクノポップとの共通項でもあります。Irmaからリリースされた『I-ROBOTS』(2004年)はそんなあなたの期待に応えてくれるイタロディスコ・コンピレーションです。ジャケがガンダムっぽいのです。イタロディスコものとしては超おススメ!

I RobotsI Robots
アーティスト:Various Artists
Irma(2004-07-05)
おすすめ度:5.0
販売元:Amazon.co.jp
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そのコンピには、名前からしてロボット君のAlexander Robotnickの「Dance Boy Dance」というミニマルなイタロディスコ、いやテクノポップというべき作品が収録されています。27歳から音楽を始めた遅咲きボーイですが、時を経ても風化しない魅力があります。



『Rare Robotinick's』(2004年)というCDを持っていますが、長細いGary Numanみたいなルックスがそそります。「Problems D' Amour」(1983年)が彼の代表曲ですが、これはディスコパンク系コンピ『Disco Not Disco 2』や最近のエレクトロ系コンピ『Infinity』等に収録されているカルトな人気がある曲。確かにイタロディスコというよりもディスコパンクの方がしっくりします。2010年現在もまだリリースをしている模様。ロボットだから年を取らないのか?

rarerobotonicks

Rare Robotnicks
アーティスト:Alexander Robotnik
Hot Elephant
販売元:Amazon.co.jp
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次回は、もう一つのイタロディスコを紹介します。

僕がPOP ACADEMYというサイトをコツコツと作っていた頃、バカ買いが得意なレコードハンターの荒君と盛り上がった謎のイタリアの二人組です。

荒君の解説を先ずは紹介しましょう。
ジャケのテクノ臭にひかれて、中古アルバム『Righeira』(1983年)を200円で購入し、ハマッてます。サウンドは(YMO+Telex)÷2というところ。Michael Fortunatiの「Give Me Up」みたいな曲調のもありますが、シンセの音色で結構グッとくるものがあります。裏ジャケのクレジットではProphet5、Arp Odyssey、MC4、Linn、Simmonsなどのクレジットがあり、これも購入のキッカケのひとつです。録音はミュンヘン。イタリア系バンド。


righeira


GEMMのリストで『Bambini Forever』(1986年)を発見し、「同名別バンドでもいいや」と思いオーダーしたら、やはりあのRigheiraでした。ジャケを見て呆れてしまいました。二人が赤ん坊のカッコ(志村がコントでやってたような)をしており、笑顔で写っとります。 裏ジャケには、二人の横に叶姉妹(妹の方)のようなセクシーねぇちゃんが一緒に写っており、「なんなんだこの女の人」と思って、インナーの写真を見たら、そのねぇちゃんがRigheiraの二人にオッパイ飲ませてる写真が・・・。サウンドは1986年ということでだいぶ洗練されてきてますが、日本人好みというか、憶えやすいメロディーが多いのは相変わらずで、お気に入りです。


bambiforever


こんなこと書かれたら、見たいですよね。飲ませている写真・・・こちらにあります。

当時はほとんど情報がネット上にもなかったのですが、今はWikipediaにもあります。Wikipediaによると、RigheiraはStefano Rota とStefano Righiの二人によって1981年に結成。

彼らの代表曲は、『Righeira』にも収録され、シングルヒット(イギリスで53位)もした「Vamos A La Playa」。タイトルはイタリア語でなく、スペイン語で「Let's Go To The Beach」という意味。明るいテクノポップに聴こえますが、以外にも原爆の脅威とビーチの汚染というシリアスなメッセージが込められています。この曲はよくイタロディスコ系のコンピに入っていたりしますが、テクノポップと言った方がしっくりきます。。Chrisma(Krisma)のカヴァーをしたHong Kong Counterfeitも同曲をカヴァーしています。



同じく『Righeira』からの「No Tengo Dinero」のPVは、アニメ風で何気にカッコいいぞ。ジャケと同じ映像がアニメで出てきます。



Krismaと同じく、Righeiraも現在も活動している模様。「Vamos A La Playa」の2010年版PVも製作しています。大きいほうのオッサンのサングラスが、Aira Mitsukiちゃんの「チャイナディスコティカ」と良く似ている(笑)。しかし、未だにこのおっさん達、どう見てもコメディアン。荒君がイタリアの電気グルーヴみたいなものかと言っていたのも頷けます。



2007年に新作『Mondovisione』をリリースしていますが、今まで紹介した曲を含んだベスト・アルバム『The Best』もあります。

The BestThe Best
アーティスト:Righeira
Dvmor(2010-08-31)
販売元:Amazon.co.jp
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イタリア特集第2弾です。Chrismaは、1976年にMaurizio Arcieri とChristina Moser の夫婦によって結成されました。70年代はあのVangelisがプロデュースに関わっていました。デビュー・アルバム『Chinese Restaurant』(1977年)からシングル・カットされた「Lola」はヨーロッパでスマッシュヒット。キャバレー風ニューウェイヴとでも言いましょうか・・・とっても味があります。



Chinese RestaurantChinese Restaurant
アーティスト:Chrisma
Universal Italy(2007-10-26)
販売元:Amazon.co.jp
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1980年にChrismaからKrismaに表記変更。Chrisma時代の最後のアルバム『Hibernation』(1979年)にはシングルにもなっている「Aurora B.」というこれもまたキャバレー風の作品があります。PVからはイタリアンエロスがムンムンです。



HibernationHibernation
アーティスト:Chrisma
Universal Italy(2007-10-26)
販売元:Amazon.co.jp
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日本でChrismaを知っているとしたら、戸川純ちゃんのファンである可能性が高い。彼女のアルバム『好き好き大好き』(1985年)では、「オーロラB」というタイトルでChrismaのカヴァーをしています。きっと、純ちゃんは、キャバレー風の作風に共感したのでしょう。



好き好き大好き(紙ジャケット仕様)好き好き大好き(紙ジャケット仕様)
アーティスト:戸川純
Sony Music Direct(2006-02-22)
おすすめ度:5.0
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Krismaに変わってからの代表曲の一つは、同タイトルのアルバムもリリースされた「Cathode Mamma」(1980年)。この曲は、マニアックなカヴァーが得意なエレクトロクラッシュ二人組(竹の子族に影響を受けているらしい)、Hong Kong Counterfeitがカヴァーしています。



とっくに活動を停止したものだと思っていたら、現在もKrismaは現役バリバリ! こちらは2010年版の「Lola」です。さすがに30年以上の歳月を感じさせますが、仲睦まじく二人でステージに立つ姿は微笑ましい。



Krismaのベスト集『The Best』には、Chrisma時代の作品も収録しています。

The BestThe Best
アーティスト:Krisma
Dvmor(2010-08-31)
販売元:Amazon.co.jp
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新しいシリーズを始めます。名付けて、音楽世界旅行。同じような企画を以前、All Aboutテクノポップでもやっていましたが、時間も経って、いろいろな発見もあったので、テクノポップな視点で世界中の国や地域の音楽紹介をします。先ずはイタリア。イタリアでのメインストリームとなるポップス、カンツォーネ、オペラの正統派を期待されてしまうと、今回の特集はちょっと期待外れになるでしょう。先ずは、70年代末から80年代にかけてのイタリアン・ニューウェイヴ(イタロウェイヴ)特集です。

これから紹介するアーティストの中でメインストリームに入れてもいいのは、Matia Bazarくらいです。1975年に結成され、1978年のサンレモ音楽祭では総合優勝を果たしました。80年代に入ると彼らのサウンドはシンセサイザーを取り入れアヴァンギャルド化し、Antonella Ruggieroのオペラっぽいヴォーカルと相まって、かの香織さんが在籍したCioccolata(ショコラータ)と被ったりします(CioccolataはMatia Bazarを意識していたんでしょうかね?)。アルバムで言えば、『Berlino, Parigi, Londra』(1981年)、『Tango』(1983年)、『Aristocratica』(1984年)がアヴァンギャルド三部作と言えるでしょう。

Berlino, Parigi, LondraBerlino, Parigi, Londra
アーティスト:Matia Bazar
Virgin(2010-04-13)
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TangoTango
アーティスト:Matia Bazar
(2010-04-13)
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AristocraticaAristocratica
アーティスト:Matia Bazar
(2010-04-13)
販売元:Amazon.co.jp
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「Il Treno Blu(愛のブルートレイン)」(1983年)は、日本でもマキシム・コーヒーのCM曲になりましたが、これは日本だけでシングル発売されました。

ainobluetrain


『Tango』収録の「Il Video Sono Io(私はビデオ)」は、タイトルもテクノだし、イタリア未来派みたいでカッコいいです。



『Aristocratica』に収録された「Sulla Scia」は、まるでお経のようなフレーズとドンドコリズムが無国籍なアヴァンギャルド感を生みだす不思議な曲になっています。



Matia Bazarは1986年に来日していますが、その一年前にリリースされたアルバム『Melancholia』(1985年)には、「Ti sento(失われた島)」(ノエビア化粧品)、「Souvenir(スーヴニール)」(日本生命)、「Amami(郷愁の星)」(三菱ギャラン)と日本でCMタイアップされた三曲も収録されています。アヴァンギャルド性は弱まりましたが、日本での人気のピークとなったアルバムです。

MelancholiaMelancholia
アーティスト:Matia Bazar
(2010-04-13)
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最後に、比較のためと言うわけではないですが、僕の大好きなCiccolata(そしてかの香織さん)の「黒い月のニーナ」もぜひ聴いてみてください。



ショコラータ
アーティスト:ショコラータ
キングレコード(1994-06-22)
おすすめ度:4.0
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