四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

カテゴリ: フィンランド

フィンランドのPVをサーチしていて、偶然発見したのがMunamiesの「Pomppufiilis」。Munamiesとは、フィンランド語で「タマゴ男、タマゴ君」・・・そんな感じ。英語ではEggyとなるようです。本名はRiku Niemisen。このタマゴ君、身長は60cm。当たり前ですが、お母さんはチキンママ。

ヘルシンキで録ったと思われるこのPV、タマゴ君は街中で飛び跳ねています。周りの人たち、警察官も消防士も皆で飛び跳ねます。正直、このタマゴ君の歌い方は気色悪い。でも、憎めない。いつのまにか癖になる。


英語版「Bouncy Feeling」もリリースされ、吹き替えPVもありますが、やはりフィンランド語の方が気色悪くていいです。

「タマゴ君の世界」と題した『Munamiehen maailma』(2011年)も好評発売中なんですが、日本で買うのは難しそうです。
munamies

UKが出版元のグローバルな雑誌「MONOCLE」というのがあります。ビジネスからカルチャーまで世界中の都市の話題を集めた、読んでいるとコスモポリタンになった気分になる雑誌です。
Monocle [UK] August 2011 (単号)Monocle [UK] August 2011 (単号)
販売元:DIP
(2011-06-28)
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「MONOCLE」8月号では、生活の質という点から、世界の都市のランキングを発表しています。1位に輝いたのは、フィンランドのヘルシンキ。2位以下、チューリッヒ、コペンハーゲン、ミュンヘン、メルボルンと続きます。ちなみに日本では、東京(9位)、福岡(16位)、京都(21位)が入っています。かなり主観的な基準だとは思いますが、確かにヘルシンキは物価が高いのを除けば、治安もいいし住みやすそうです。

ヘルシンキに滞在している時に、ミュージックTVでよく流れていたPVが、Haloo Helsinki!というバンドの「Maailman toisella puolen」。Elli、Jere、Leo、Jukkaの紅一点の4人組。YouTubeのPV視聴が地域指定になっているで、PVが紹介出来ないのが大変残念ですが、音だけでも聴いてください。時折レコード会社等の意向でこのような小細工をしていることがありますが、地域指定する意味が分からない。


この曲は、彼らの3枚目のアルバムにあたる『III』から。
III


フィンランド語なので意味は不明ですが、PVはバンドの名前にも相応しく、ヘルシンキで撮影されて、旅の気分を盛り上げてくれました。アルバム全体はどちらかと言えばポップロックですが、この曲はアコースティックとエレクトロニックがうまくかみ合ったメロディアスで耳残りがよろしい。

イギリスに「X Factor」という歌手デビューを目指すオーディションTV番組があります。この番組はイギリスだけではなく、ヨーロッパを中心に同じフォーマットで展開しています。審査委員には、Kylieの妹、Dannii Minogueも居ます。そのフィンランド版X Factorを足場にデビューをした歌姫がLeena Ihmemaassa(本名:Leena Tirronen)。ちなみにIhmemaassaとはWonderlandという意味。

彼女は、優勝した訳ではなく、3位に甘んじたのですが、めでたくSonyと契約し、アルバム『Leena Ihmemaassa』(2010年)でデビュー。
leena


このアルバム、ヘルシンキのスーパー内のCDコーナーで物色している際、買ったのですが、何も予備知識は無し。でも、このカメラ女子的ジャケが気にいったので、所謂ジャケ買い。カメラ女子ジャケと言えば、他にもドイツのAnnett Louisanもお薦め(また紹介します)。

アルバム収録曲としては、北欧エレクトロポップ的「Routa (Frost)」が気にいって、紹介したかったのですが、残念ながらPVがありません。よって、PVが製作された「Piru (Devil)」を紹介。確かの悪魔っぽい顔の男性とデートしているように見えます。

北欧のアーティストは、その人口の少なさの割にはポップミュージック業界では活躍している印象があります。もちろん、スウェーデンのABBAの影響でそのような印象が根づいている部分もあるでしょうが、特にそのメロディーに惹かれ、北欧ポップが好きな日本人は多いです。スウェーデンが筆頭に来て、a-haやRoyksoppのノルウェーも頑張っている。デンマークはちょっとマイナーだけど、Gangwayとかいいバンドいます。そんな中、フィンランドはちょっと後れを取っている感があります。

紅一点のIisa Pajulaがヴォーカル、Mikko PykariとMikko Rissanen(何故か同じ名前)の男性からなるRegina(フィンランド語ではレギナと読む)という3人組がフィンランドにいます。Reginaというと、Madonnaがデビューした頃、Madonna路線だったアメリカのソロシンガーを思い出します。スウェーデンやノルウェーのアーティストのほとんどが、英語で歌唱し、世界のマーケットをターゲットにしているのに対し、前回紹介したPMMPと同じく、Reginaもフィンランド語で歌っています。

1年ほど前に中古で見つけた日本盤CDなのですが、Reginaの『Katso maisemaa(カツォ・マイセマア)』(2006年;フィンランドでは2005年にリリース)というデビュー・アルバムを購入しました。
カツォ・マイセマアカツォ・マイセマア
アーティスト:レジーナ
販売元:フィルターレコード
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タイトルの意味は「See The Landscape」。ジャケは如何にも北欧という佇まい。PVが無いのが残念ですが、「Tokio」という文字通り東京を歌った曲があります。


Reginaは現在も活動しており、それ以降も以下のアルバムをリリースしています。残念ながら、それ以降日本盤はリリースされず、フィンランド盤はAmazon.co.jpでもHMVでも売っていません。でも、1stと2ndはiTunesで買えます。

『Oi miten suuria voimia!』(2007年)
oimiten

『Puutarhatrilogia』(2009年)
『Soita mulle』(2011年)

2ndからPVが製作された「Paras aika vuodesta (The best time of year)」がお薦め。フィンランド語で歌っているせいもあるでしょうが、北欧の哀愁が漂いつつ、無国籍感溢れる不思議なエレクトロポップ(Elektropop)。

今回の北欧旅行、エストニアがどちらかというと僕にとっての主役だったのですが、トランジットだったフィンランドのヘルシンキにも滞在しました。旅行に行く前にその国に関する本を読むというのが僕の習慣です。堀内都喜子さん著『フィンランド豊かさのメソッド』を読んでいると、フィンランド人は酒飲みが多いという話がありました。
フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))
著者:堀内 都喜子
販売元:集英社
(2008-07-17)
販売元:Amazon.co.jp
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実際に実証するまでには至らなかったのですが(あっ、でも、エストニアであったロックフェスで話したフィンランド人はかなり酔っぱらっていた)、もしからしたら、そうなのかもと思わせるPVを発見。


このPVは、フィンランドのシングル・チャートで2003年に1位となったPMMPによる「Rusketusraidat (Tan Lines)」。ヨッパライの超迷惑なおねえちゃん二人は、Paula Vesala(金髪)とMira Luoti(黒髪)。3人のバックアップ・ミュージシャンもいますが、この二人がフロントとして目立ちまくっています。PMMPとはABBAをもじったようですが、Paula、Mira、Mira、Paula・・・二人の名前を二回使うと言う反則技に出ています。とにかく、このPV、二人のハチャメチャぶりが笑えますから、ぜひ最後のオチの部分まで見てください。まぁ、しらふでもハチャメチャなのかもしれませんけど・・・

ポップでちょっとパンクなPMMP、本国ではかなり人気があるみたいで、このPV曲が収録された1stアルバム『Kuulkaas enot!』(2003年)より5枚のアルバムをリリースしています。子供にも人気があるらしく、さしずめフィンランドのPuffyみたいな存在なのでしょうかね。
kulkaas


フィンランド人に酒飲みが多いかについてはさらなる調査が必要かと思われますが、普段どちらかというと温厚な感じのフィンランド人、お酒を飲むとより弾けて見えるのかもしれません。

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