四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

タグ:西野カナ

西野カナちゃんの5月18日にリリースのシングル曲『Esperanza』には、ガツーンとやられました。

EsperanzaEsperanza
アーティスト:西野カナ
販売元:SME
(2011-05-18)
販売元:Amazon.co.jp
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もちろん、僕がBON BON BLANCOとか女性ヴォーカルのラテン歌謡に対する熱い想いを叶えてくれている事にも起因するのですが、やっぱり西野カナだと納得させられるこの曲を素直に称賛したいです。



どのような発想でこのスパニッシュ路線になったのか興味があります・・・
Madonnaの「La Isla Bonita」(Alizeeちゃんもカヴァーしていました)がオリジナルだとしたら、



Lady Gagaの「Alejandro」はその2.0 version(スペインというよりメキシコって歌詞に出てきますけど)と呼ばれ、



西野カナの「Esperanza」は2.5 日本版と言ったところでしょうか?

前回、「会いたくて 会いたくて 会えばいいじゃないか 西野カナ!」というタイトルで西野カナちゃんの会いたい症候群について書きました。「Esperanza」・・・タイトルからも想起できるように、スペインの情熱が伝わるフラメンコポップ。でも、歌詞から伝わるのは、情熱を超えた“情念”。希望(Esperanza)というタイトルには、「私がこんなに好きだから、貴方は私を好きになるべき」という絶対的意志を感じます。一見爽やかなサマーソングにこの情念をカモフラージュする西野カナは、頭脳派なのか、天然なのか?

今日は、「ケータイ世代のカリスマガール」西野カナちゃんの会いたい症候群について書きたいと思います。僕が西野カナちゃんに興味を持ったのは、3枚目のシングル『I Style.』。カップリングされた「September」がイイ感じのエレクトロなガールポップ。元々R&B路線でしたが、その後、それほどその手の路線の曲がなくって、ちょっと淋しいなと思いつつ、僕の想いとは関係なく、どんどん西野カナちゃんは売れていくわけです。

Style.Style.
アーティスト:西野カナ
SE(SME)(M)(2008-08-13)
おすすめ度:3.0
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シングル曲だとWISEとのコラボの5枚目の「遠くても」あたりから、会いたい症候群に西野カナちゃんは陥り始めます。

遠くても feat.WISE遠くても feat.WISE
アーティスト:西野カナ
SE(SME)(M)(2009-03-18)
おすすめ度:3.5
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それに拍車とかけるのが、アンサーソングとなるWISEの「会えなくても feat.西野カナ」。



本人のシングルでも、タイトルから露骨になるのが6枚目のシングル「君に会いたくなるから」。

君に会いたくなるから君に会いたくなるから
アーティスト:西野カナ
SE(2009-06-03)
おすすめ度:3.5
販売元:Amazon.co.jp
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オリコンチャート自体は19位でしたが、この後のファースト・アルバム『LOVE one.』が4位までチャートを上がります。いよいよ、西野カナちゃん、ブレイクの兆しです。ちなみにこのアルバムに収録の「candy」は、エレクトロ。

LOVE one.LOVE one.
アーティスト:西野カナ
Aniplex (music)(2009-06-24)
おすすめ度:3.5
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7枚目のシングル「もっと・・・」、タイトルこそ控えめですが、いきなり「今すぐ会いたい、もっと声が聞きたい・・・」とかなりヤバい状態になってきます。男からのメールに絵文字がないくらいで、キレている・・・真面目に歌詞を聴いていると男としては怖いものがあります。怨念の成果なのか?オリコンも6位まで上がりました。

もっと・・・もっと・・・
アーティスト:西野カナ
SE(2009-10-21)
おすすめ度:3.0
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8枚目のシングル「Dear」では、まったく症状に改善は見られません。別れて5分もたってないのにすぐに会いたくなる・・・落ち着いてと言いたくなる。カップリングの「MAYBE」では、男の過去にこだわりまくる。

Dear・・・/MAYBEDear・・・/MAYBE
アーティスト:西野カナ
SE(2009-12-02)
おすすめ度:4.0
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9枚目の「Best Friend」で、ところどころ、まだ不安な要素はあるんですけど、少し回復の兆しが見れます。

少し安心していたら、西野カナちゃん、会いたい症候群がぶり返してしまったようです。10枚目シングル「会いたくて 会いたくて」は・・・もうエスプレッソ・ダブルでお願いしますみたいな! 歌詞からもPVからもは完全に負のオーラーが! PVでも髪切るシーンが、怖い。



会いたくて 会いたくて会いたくて 会いたくて
アーティスト:西野カナ
SME(2010-05-19)
おすすめ度:2.5
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「会いたい」曲がいっぱい詰まった6月23日発売のセカンド・アルバム『to LOVE』もオリコン1位と絶好調!

to LOVEto LOVE
アーティスト:西野カナ
SME(2010-06-23)
おすすめ度:3.0
販売元:Amazon.co.jp
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8月4日には新曲「if」も出ましたが、「会いたい」路線を期待していた僕としては残念です。いっそ、戸川純ちゃんの「好き好き大好き」の世界まで逝ってください、西野カナちゃん。

21世紀になって確実に増えたのが、携帯電話をモチーフにつかった楽曲。特にラヴソングにおいて、この傾向は顕著。多くの歌は、人と人とのコミュニケーションを題材にしており、コミュニケーションの方法の主体が携帯電話になったことの表れとも言えましょう。一度、携帯Songなるものを集めて、分析する必要があると考えます。

All Aboutテクノポップにて「Mizcaとpal@pop」という記事を最近書きました。pal@popこと高野健一さんが、Mizcaちゃんをきっかけとして、テクノポップへの回帰現象を起こしています。もともとはpal@popデビューした高野さんですが、久しぶりにpal@pop名義でのアルバム『feat.PLUS』が7月14日にリリースされました。
featplus

タイトルから想像できるように、女性ヴォーカルをfeaturingして作られたアルバムです。HALCALあたりはなるほどなんですが、何故か芸人も。よしもとのエヴァ芸人としても知られる桜・稲垣早希ちゃんや森三中も参加。森三中は、意外とこの手の仕事があって、以前Peachy’sの「My Baby Boy」の影のヴォーカリストであった事を発表し、夢が砕かれた人もいたでしょう。

稲垣早希ちゃんのヴォーカル曲「はつ恋」は、先行シングルとしても、3ヴァージョンの配信リリースされました(何故か、Amazonで表示されるのはそっちの方)。ギリギリまでオートチューン加工されたせつな系テクノポップですが、詞の内容は初恋の男性への淡い思いを歌ったもの。泣かせる詞を書くpal@popの得意領域です。

絵文字のメールがくる度に 胸が張り裂けそう」という一節があるのですが、これを聴いていいて、思い出したのが、西野カナちゃんのシングル曲「もっと・・・」です。具体的には、「絵文字1つもない そっけない返事しか届かなくて」という部分です。絵文字で胸が張り裂けそうになる稲垣早希ちゃん、絵文字がなくて落ち込む西野カナちゃん。凄く対照的な歌詞です。「会えない」旋風を起こしている西野カナちゃんについては、別途考察予定です。

どちらにしても、絵文字はメールにおいて、女の子が送信者の気持ちを測る一つの指針となっていることは間違いなさそうです。まあ、絵文字さえ入れればいいというものではないでしょうが、絵文字を入れる手間や文では伝わらない気持ちを評価しているのでしょうかね。

feat.PLUS(初回限定盤)(CD+DVD)feat.PLUS(初回限定盤)(CD+DVD)
アーティスト:pal@pop
販売元:ビクターエンタテインメント
発売日:2010-07-14
おすすめ度:5.0
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