ロボットというのは、テクノポップにおける定番とも言えるコンセプトです。Daft Punkからテクノポップ的ルーツを感じてしまう理由の一つにも、ロボットがあります。ロボットという言葉はチェコスロバキアで生まれました。最初に使われたのは、1920 年の小説家Karel Čapekが発表した戯曲『R.U.R. (ロッサム万能ロボット商会)』です。

プラハ出身のAlexander Goldscheiderはロボットにこだわる男です。彼がOdessey名義で出したシングル『Jupiter』(1979年)は、東欧では比較的早いスペースディスコの影響も窺えるテクノポップとなっています。

Jupiter


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本名で1981年にリリースされたシングル『Mluvi K Vam Robot (ロボットはあなたに話す)』は、チェコスロバキアで最初に大半がボコーダーで歌われた曲とされます。インストルメンタル中心の彼の楽曲の中、この曲には風刺が効いた歌詞があります。作詞は1989年のビロード革命後、ハヴェル大統領のスポークスマ ン兼アドバイザーとなったMichael Žantovskyによるもので、「ロボットは支配と独占のためだけに地球上に天国を約束する」という歌詞はソ連をロボットに例えたとされています。

Mluvi K Vam Robot


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同年、彼はロンドンに移住をし、『Themes For A One Man Band Vol 1』(1983 年)、 『Themes For A One Man Band Vol 2 』(1984 年)を発表します。英国で成功したとは言い難いですが、「Love Theme for a Robot I」など、彼のロボットに対するこだわりは続いていました。

Themes For A One Man Band Vol.1




その後、彼はRomantic Robotという音楽ゲームソフト会社を設立し、やはりロボットにこだわり続けました。