四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

タグ:Buggles

『MUSIC MAGAZINE』を読んでいて、偶然見つけたライヴ・・・あのTrevor Horn先生が来日! 元10ccのLol CremeなどとProducersとして(これは後で誤解だと分かる)!

producers


The Bugglesに始まるTrevor Horn信者としてはいてもたってもいられません。会場はBillboard Live Tokyo!お、偶然、その日まで別件で東京いるぞ、俺と、喜び勇んで、Billboardに電話すると8月6日のチケットがまだある! The Bugglesの再結成ライヴ的なものは今までロンドンで確か2回ほどあって、マジで渡英を考えたこともありますが、こんなチャンスは二度ないかも。期待に胸は膨らみます。

僕が観たのは、8月6日の1stステージ(8月5日、6日で一日2公演)。電話予約の際、ステージに近い所で観たいと行ったら、自由席に。結果、テーブル席のステージのほぼ中央、前から2列目を確保。あまり、前で見ることに執着しない人なのですが、この日は別。

メンバーからしてProducersの曲を中心に一部TrevorやLolの曲をやるのかという予想を嬉しく裏切り、The Bugglesを核に出血大サーヴィスなセットリスト。最初、Trevorが出てきて、水色の当時のウェリントン型メガネ(実際、33年前のメガネだと言っていました・・・欲しい)をしているのを見て、予感はしたのですが、1曲目から「ラジオスターの悲劇」ですもん。もちろん、お姉ちゃん(KirstenとKate)がちゃんと「アーアーアッ」とバックコーラス(この二人は後にも大活躍)。

2曲目は、何故か「Two Tribes」のインスト。4曲目の10ccの「Rubber Bullets」の後にTrevorが「Russian girls」とか前振りを。そう、t.A.T.u.の「All The Things She Said」を二人のお姉ちゃんが歌います。そこまでやるか!

8曲目の「Living In The Plastic Age」はもう嬉しすぎて涙目。



ちなみにアンコール前のラストも、The Bugglesの「Johnny On The Monorail」。

TrevorがYesをやる時に、「Yes時代は僕の人生で一番無惨だった頃」と言ったのは感慨深い。僕は、Trevor時代(メンバー及びプロデューサー)のYesが一番好きですよという少数派。そして、Lolが歌った訳ではないけど、10ccの「I’m Not In Love」もとサーヴィス攻撃は続きました。

割とすぐに戻ってきたアンコールでやったのは、Will.i.am & Nicki Minajによる「ラジオスターの悲劇」の歌詞を変えた「Check It Out」というサーヴィスぶり。Trevor先生、このカヴァーは好きみたい。



そして、最後の最後はTears For Fearsの「Everybody Wants To Rule The World」。これはギターのPhil Palmerが関わっていたことからという薄いつながり。結果、Producersの曲は最後までなし。まぁ、いいか。サーヴィスし過ぎの内容とも言えますが、素直に嬉しい。これは人生における記憶に残り続けるライヴです。

唯一、悔しかったのは、ステージ後サイン・写真大会になった 2ndステージは見れなかったこと!

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アジア圏2カ国目はインド。韓国も継続していきますが、インドも並列で始めます。インドをモチーフにした日本のテクノポップなどはありますが、インドとテクノポップってなんだか結びつきそうで、結びつかない。でも、意外な事にインドはテクノポップの影響下に80年代初期からあったのです。独自の解釈で独自の進化(退化?)を遂げたものですが・・・

先ず紹介したいのは、あのBugglesの「ラジオスターの悲劇」のカヴァー。



いや、大っぴらにカヴァーと言っていないので、インスパイアというべきかもしれませんが。曲名は「Koi Yahan Nache Nache」(「Auva Auva Koi Yahan Nache」という表記もあります)。ヒンディー語かなと思って、Google翻訳してみましたが、翻訳不可能でしたが、動画のテロップからすると、「Somebody dance there」という意味なのでしょうか? メロディーはほぼ「ラジオスターの悲劇」で、バックの女性コーラスも「オーオーオーオゥ」と原曲に忠実ですが、アレンジは70年代ディスコ。そこにインド特有の風味が加わって、奇天烈なオリエンタルディスコとなっています。本家「ラジオスターの悲劇」を聴いたインド人は、「Nache Nache」のカヴァーだと思っているのでしょうか?



この曲は、1982年のボリウッド映画「Disco Dancer」から。この映画は突っ込みどころ満載なので、続編もお楽しみに。

Bugglesが9月28日にロンドン(West London のどこからしい)にて再結成ライヴするとの発表がありました。再結成ライヴ自体は、DVDも発売された2004年の「A Concert For Prince Trust」で既に行われています。Trevor HornとGeoff Downes に加え、「Prince Trust」にも参加したBruce WoolleyもオリジナルBugglesラインナップとして登場予定です。また、僕の記憶が正しければ、90年代末の12月に一度、ロンドンでシークレットライヴをやったはずです。

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今回、注目すべきは、Bugglesのファースト・アルバム『The Age Of Plastic』(1980年)から全曲を演奏するという点です。2004年のライヴでは、「Video Killed The Radio Star」と「Living In The Plastic Age」の2曲だけでした。

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ファンとしては、売れなかった珠玉のセカンド『Adventures In Modern Recording』(1982年)からもやって欲しいという要望もあるでしょうが、ファースト全曲が生で聴けるだけでも貴重な経験でしょう。

たぶん、全曲とは現在の再発CDには収録されているボーナストラックを除いた当時のトラックでしょう。
つまり・・・

01. Living In The Plastic Age
02. Video Killed The Radio Star「ラジオスターの悲劇」
03. Kid Dynamo
04. I Love You (Miss Robot)
05. Clean, Clean
06. Elstree「思い出のエルストリー」
07. Astroboy (And The Proles On Parade)
08. Johnny On The Monorail

Bugglesと言えば、「ラジオスターの悲劇」が代名詞となっています。MTV時代幕開けの象徴でもあり、カヴァー曲も国内・海外問わず、世界規模でなされています。比較的最近では、加藤紀子ちゃんや桃井はるこちゃんもカヴァーしています。2003年までのカヴァーについては、以前僕が書いた記事をご覧ください。



ラジオスターの悲劇〜日本大会
ラジオスターの悲劇〜世界大会1
ラジオスターの悲劇〜世界大会2

このアルバム『The Age Of Plastic(当時の邦題は「プラスティックの中の未来」)』は、1979年の「ラジオスターの悲劇」の想定以上のヒットを受けて急遽製作されたものです。アルバム発売のタイミングの悪さなどもあってか、アルバムは同じくらいのヒットはしませんでした。しかし、この作品は、近未来、科学技術の進歩、ロボットなどをモチーフとしたテクノポップのコンセプト・アルバムとして、まさに金字塔的存在です。

全て思い入れがある曲なのですが、
ロンドン郊外の地名が由来となった「Elstree」・・・シングルカットもされましたが、ヒットせず!スウェーデンのNASAというBuggles&New Musikフォロワー的バンドがカヴァー。



鉄腕アトムの曲「Astroboy」・・・林夕紀子さんがジャジーなカヴァー

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アーティスト:林夕紀子
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・・・など、隠れた秀作がこのアルバムにはあります。

残念ながら、Trevor Horn公式サイトによると、他のツアー、DVD、ライヴCDの予定はないとの事・・・あー、見に行きたい、LONDON CALLINGな気分です。

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