四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

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以前、「Saori@destinyで学ぶバイレファンキ」でバイレファンキの話をした時にちょっとだけ紹介した、Cansei de Ser Sexyについて。タイトルの「セクシーにうんざり(Got Tired of Being Sexy)」というビヨンセ(Beyonce)発言を由来とするブラジルはサンパウロ出身のバンド。みんなCSSって呼びます。

2003年に結成されたCSSは、メンバー交代もありますが、基本ガール・バンドって印象です。正確には、バンドの音楽的要であるアドリアーノ・シントラ (Adriano Cintra)君は男性。女子の中で一人男性で嬉しいのか、大変なのかと思ったりもするのですが、アドリアーノ君はゲイですから、みんなお友達って感じなのですかね。

リード・シンガーの通称Lovefoxxxちゃんの本名は、ルイザ・ハナエ・マツシタ。祖父母は日本人の日系3世。ハナエちゃんって、親近感が沸きますね。

現在まで、1st『Cansei de Ser Sexy』(2006年)と2nd『Donkey』(2008年)の2枚のアルバムがリリースされ、KSRからの日本盤もあります。サマソニ2007、フジロック2008、サマソニ2009とコンスタントに来日もしており、サマソニ2009の来日記念盤的なリミックス+未発売音源集『Donkey Party: Bate Cabelo』(2009年)もお勧めです。

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アーティスト:CSS
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ドンキーパーティー:バッチ・カベーロドンキーパーティー:バッチ・カベーロ
アーティスト:CSS
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初期の面白い曲は、1stアルバムにボーナスとして収録されている「Meeting Paris Hilton」。ビヨンセ、パリス・ヒルトン・・・セレブが好きなのでしょうか? LCD Soundsystemの「Daft Punk Is Playing At My House」的なモチーフも感じます。

彼らの代表曲と言えば、1st収録の「Let's Make Love and Listen to Death from Above」ですが、Death from Above 1979というディスコパンク系バンドをネタにしています。ポルトガル語で歌っている曲もあるらしいですが、CSSは基本英語で歌唱、ブラジル的なルーツよりもディスコパンク的かつヘタウマ的魅力に溢れたバンドだと思います。Lovefoxxxちゃんのインタヴューでも、ブラジル音楽あまり聞かないって言っています。2nd収録の「Left Behind」も「Move」あたりでは、エレクトロ度が増し、洗練された感もありますが、やっぱりカッコいいCSS。

worldwild2010アイドルの楽曲に果敢に民族音楽を取り入れるという意味で、All AboutでもインタヴューしたSaori@destinyの『WORLD WILD 2010』は、ちゃんと評価されるべきだと声を大にして言いたいです。アルバム曲の中でもバイレファンキ度が高いタイトル曲「WORLD WILD 2010」は、その象徴と言えましょう。Talking Heads に代表される80年代ニューウェイヴも積極的に民族音楽を取り入れてきました。それは現在のエレクトロにも言える事です。アイドルの場合、民族音楽と言っても、中華系、中近東系、ジャマイカ系(スカ、レゲエ、ダブ)くらいなら結構ありますが、バイレファンキのような都会の民族音楽というのはなかなかありません。Saoriちゃんを聴いて、バイレファンキを知る・・・本来の目的はさておき、素晴らしいじゃないですか!


バイレファンキって何?と疑問の方もおられると思いますので、調べてみました。ブラジルではファンキカリオカと呼ばれるブラジル産ゲットーベース。ヒップホップを通過してマイアミベースがブラジルに南下して花開いたダンスミュージック。ブラジルのリオにはゲットーのような地域もあり、その様な文化背景があるのでしょう。

アメリカ人DJ、Diploが発掘したバイレファンキ代表選手が、ブラジル出身のBonde Do Role。彼らの「Solta O Frango」は、バイレファンキの代表曲として選んでおきます。



Bonde Do Roleとも仲がよく、彼らのリミックス仕事もしているCSS(実は、僕はこっちの方がもともと好きなんですけど)もブラジル出身。それほどバイレファンキ度が高いバンドではないですが、ブラジルの重要バンドなので「Let's Make Love and Listen to Death From Above」を紹介します。



バイレファンキの知名度を上げた一番の功績は、M.I.A.。バイレファンキ度が高い「Bucky Done Gun」を聴いてみてください。先ほど、紹介したDipoloもM.I.A.とは公私とも関わっております。ちなみに、M.I.A.の公式ページで見られる最近公開された「Born Free」のPVが限りなく残忍でヤバいです。



coconutfmAtom HeartことSenor Coconutも、ラテンクラブ系を選曲した『SENOR COCONUT presents COCONUT FM』(2005年)で、レゲトン、クンビアに混じって、バイレファンキをセレクトしています。


バイレクトロとはエレクトロがバイレファンキを取り込んだジャンルです。エレクトロファンキは、バイレファンキをやるブラジルの人達がエレクトロを取り入れた場合を指すらしい。日本のバイレクトロの先駆者、TIGARAHちゃんはYMOにも絡めて、次回へ持ち越します。

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