四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

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loveaholic通称FFK、Faye Fang Kaewの名前は3人の女子のチューレンを並べたもの。Faye(妹;ジャケ真ん中)とFang(姉;ジャケ右端)は姉妹。この姉妹に混じるデカいKaew(ジャケ左端)の男子キャラが、このグループを面白くしています。Perfumeで言えば、のっちキャラですが、さらに男らしい。どうでもいい事ですが、僕はFayeが気に入りました。

2007年にデビューしたこのグループ、最新の「Loveaholic」を聴いてみると世界がフラットになっていることを実感します。T-POPをちょっとエレクトロ風味にしたというよりも、ダブステップ全開のK-POP風エレクトロを歌うT-POPアイドル。PVも変で、病院のシーンだと思ったら、人民服で突然踊り出す。これは生で見てみたい。



KamiKazeは日本の手法を取り入れたのか、シャッフルユニットの生産にも積極的です。FFKのFayeが加入したSeven Days。各々が曜日担当で、FayeはFaye Sunday。「ภาวะโลก LUV」はかなりテクノ歌謡しています。「ภาวะโลก」を翻訳すると「地球温暖化」!



今回紹介した曲は収録されていませんが、2011年のアルバム『Ladies & Gentlemen』は、Amazon.co.jpでも購入できます。

Ladies & GentlemenLadies & Gentlemen
アーティスト:Faye Fang Kaew (FFK)
販売元:RS
(2011-02-15)
販売元:Amazon.co.jp
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タイの2大レーベルは、Grammy GMMとRSです。RSとは正式名、RS Public Company Limited。以前の社名、RS Promotionという呼称が今でも使われる事も多いようです。RSはもともとの社名だったRose Soundの略。設立されたのは、1976年とかなり古く、ジュークボックスとカセットテープのビジネスから総合エンターテインメントへと業態を広げています。RSには複数のレーベルがあり、その中でもアイドルに特化したのが、KamiKazeです。前回紹介したNeko JumpもKamiKaze所属。

先日、バンコクに行った際にKamiKazeのレーベルの方とお会いしてさらに話を聞くアポをとったのですが、残念ながら延期となりました。気を取り直して、さらにKamiKazeの解説をします。

こちらのPVは、Four-Mod、Neko Jump、FFK、Knomjean等のKamikazeのアイドルを総動員して集合型ユニット、All Kamikazeの「Ruk Chun Reak Wah Tur (Calling for your love)」。



KamiKazeという名前はどちらかと言えば、パンク系またはヘビメタ系というイメージで、タイのアイドル系レーベルの名前というのは不思議な現象。本来、神風とは、日本人にとっては元寇の際に勝利した日本に由来する「思いがけない幸運に恵まれる」という意味。「神風が吹く」という表現が一般的です。同時に、神風特攻隊という言葉からは、「身の危険を省みない攻撃」という意味にもなります。特に外国ではそちらの意味で使われる事の方が多いでしょう。

PVには、38秒あたりでKnomjeanちゃんが歌う場面で、旭日旗(きょくじつき)も登場します。イメージとして旭日旗は軍国主義、ヤンキー、LOUDNESSのジャケって感じなのですが、元は日本の陸軍の軍旗として考案されたものです。同時に祝事にも使われ、朝日新聞(大阪支社)の社旗のデザインモチーフでもあります。

lengthKnomjeanちゃんのデビュー作『ขนมจีน (Length)』のジャケも旭日旗ですから、彼女の歌う場面に旭日旗が出てきても不思議ではありません。KamiKazeというレーベル名や旭日旗には、政治的意味は無いと考えます。日本のメタファーとして使っただけでしょう。また、タイが単純に超親日派とまで解釈しませんが、タイと日本の歴史的関係から、それらに絶対的な負のイメージはないのでしょう。

こちらも同様の形態で発表された「Ruk Tur Tuk Winar Tee (Every Minute)」。タイ人は、BPMが遅いバラードが好きなのが分かります。



bestofkamikazeこちらは、2007年から2011年までのKamiKazeレーベルの代表曲を集めた2枚組ベストCD。上記のAll KamiKazeの曲も収録しています。

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