四方宏明の“音楽世界旅行”〜Around the world

世界中のテクノポップ〜ニューウェイヴ系音楽を紹介。

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共産テクノ認定をしたポーランドの作品の中で、飛び抜けてクオリティーが高いのがARP-Lifeによる『Jumbo Jet』です。リリースは1977年と、全く出遅れていません。ポーランドの国営ラジオとテレビのスタジオ機材をフルに活用するためのプロジェクトだが、3人のメンバーのうちの一人は、Franek Kimonoの黒幕でもあったAndrzej Korzyński。

ジャケットも秀逸! はい、これは現地で買い付けしました。ファンクをベースにMoogなどの電子機材を駆使しており、ちょっとモンド的イージーリスニング感もあります。スペースファンクと呼んでいる人もいます。

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続編となる『Z Bezpieczną SzybkoŚcią(安全速度)』は1978年にカセットテープのみで発売されました。こちらは2015年の再発盤ですが、「安全速度」だから、 飛行機の代わりにカタツムリというシュールなジャケットになっています。

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遅ればせながら、7月9日の「『共産テクノ』出版記念 トークイベント〜フォノテーク講座第一回」にご来場の方々ありがとうございました。

「スポーツテクノ」を中心に講座を行ったのですが、その中で一番の反響があったのが、Franek Kimono(フラネク・キモノ)です。このジャケット、めちゃインパクトあります、というかあり過ぎ。

Franek Kimono


見た目はオッサンです。でも、音楽的にはテクノディスコ系ニューウェイヴ。白塗りなのは、ニューロマンティックスに感化されたのでしょうか? グループの名前はFranek Kimonoですが、オッサンの名前はPiotr Fronczewskiで演劇系の俳優らしい。他に3人のメンバーがいます。空手着をまとい、「Kimono」からしても日本文化も大好きと勝手に想像しています。1983年にBruce Leeをこよなく愛する彼は、中華テクノディスコ「King Bruce Lee Karate Mistrz(ブルース・リーは空手マスター)」で注目を浴びました(どのくらいかは知らないけど)。



そして翌年の1984年に放ったエアロビクス曲は、「Gimnastyka Aerobic(エアロビクス体操)」。意外と、オッサンは、スポーツテクノを極める肉体派なんです。しかも、オッサンはダンディズムがわかる男。



鉄のカーテンの向こう側にこんなオッサンがいたとは、驚きです!

来週から『共産テクノ』の続編のため、取材と称して、ドイツ(気分的には東ドイツ)とポーランドに行ってきます。このオッサンにもなんとか会いたったのですが、公式サイトらしきところからの情報でも、コンタクトするのは難しい模様・・・残念! ポーランドに行ったら、ポーランド人にFranek Kimonoについて尋ねてみよう。

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