KeaneというUKのスリーピース・バンドをご存知でしょうか? 『Hopes And Fears』 (2004年)、『Under the Iron Sea』(2006年)、『Perfect Symmetry』(2008年)という3枚のアルバムをリリースし、全てのアルバムが全英1位を成し遂げています。彼らのデビュー・シングル「Somewhere Only We Know」は、ピアノを基調にしたUKバンドらしい泣きも入ったメロディアスな曲。音楽雑誌なら、『CROSSBEAT』や『snoozer』とかに出てくるバンドです。



thenighttrainそんな彼らが、4枚目としてリリースしたのが、8曲入りミニアルバム『The Night Train』。またもや、全米1位。何故僕がそんな事を書いているか? YMOの「以心電信」をカヴァーしたからです。しかも、日本のバイレクトロの先駆者的存在、TIGARAHをフィーチャリングして! カヴァーはメインのソングライターのTom Champlinのアイデアですが、リードヴォーカルのTim Rice-Oxleyが「以心電信」に関してインタヴューに答えています。




日本人がKeaneのような大物バンドのヴォーカルとして起用されるのは、素直に嬉しいですね。慶応出身の才女、TIGARAH(虎という意味らしい)は、バイレファンキの本場、ブラジルに2003年単身で乗り込み、その後、L.A.でも活動を経てデビュー。MySpaceのインタヴューでは、「和製M.I.A.と呼ばれていたけど、最近は和製Lady Gagaと呼ばれるの・・・」と流暢な英語でインタヴューに応えていました。おおお、和製Lady Gagaをマジで目指してほしいものです。

tigarah2009年の4月にミニアルバム『TIGARAH!』をリリース。1曲目の「Space Travel」は、New Orderの「Blue Monday」ネタでニタリとします。同曲のリミックス曲「Space Travel RMX」はDoes It Offend You, Yeah? というバンドの Morgan Quaintance のDaft Punk風リミックス。ミニアルバムの曲は、「Supa Gurl RMX」を除いてヴァージョン違いもありますが、フルアルバムに収録されています。これだけでミニアルバムに価値が出ています。




thefunkeira続いて8月にフルアルバム『The Funkeira goes BANG!』というなかなか早いペース。やはり一押しは、闘う女に相応しい「Girl Fight」でしょう。女子プロレスのリング入場曲に誰か使ってください。『ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン』が映画化されたりしたら、主題歌にも使えそう。


話をKeaneに戻しましょう。『The Night Train』 というアルバムは、「以心電信」が入っているから買ったというのが本音ですが、僕が持っているKeaneのイメージを遥かに凌駕するものでした。「以心電信」の英語ヴォーカル部分はTim、日本語部分はTIGARAH。TIGARHAの歌唱は彼女のソロと比べると意図的にフラットです。テクノポップ的な部分も残しつつ、Keaneサウンドに上手く仕上げています。他の曲も、彼らの今の気分なのか、エレクトロやヒップホップ的な要素も取り混ぜて、いい意味で折衷的な哀愁のUKロックが楽しめます。7曲目「My Shadow」のイントロがどうしても「ロッキーのテーマ」に聴こえます(笑)。

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